山行報告【八ヶ岳1泊2日(アイスクライミング・冬季登攀)】2日目 アタック | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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2日目取付までのつづき)




赤岳主稜登攀は核心部から始まる。1ピッチ目のチョックストーン(以下CS)を登り越えるのが一番難しいそうで(Ⅳ級-)、確かにここが一番手こずるポイントではあると感じました。特に今回は大雪のあとなので雪が多く、寝ているところはホールドが多数隠れてしまっているので、CSを這い登ってにじり上がるときにはアックスが必要でした(今回の登攀ではアックスを一本携行しています)。


わたしは全ピッチリードするわけですが、この核心部の登りは確保されていない状態で、しかもその日の初登りになるので、かなり緊張しましたね。アックスを出すタイミングも取り付いてからCSの上を目視できたあとで取り出したので、時間を要してしまいました。登るまではまさかアックスを使うとは思ってもみなかったわけです。@反省


とはいえ、クライミングを練習している身としてはさほど苦労する箇所でもないと思いました。後輩2名もすいすいと上がっていたのでなによりです。




核心部を抜けると、ちょっとしたルンゼがあり、その流れのままに右に登っていくと、1P目の終了点があります。そこには先を譲った隊がまだ残っていたので、空くまで待たなければなりませんでした。(15分程度)


1P目の終了点が空いてわたしが入り、フォロワーをあげていると(本登攀は2名を時間差つけて同時にあげています)それは起こりました。正規のルートではない場所からにょっきっと人が顔が出したと思ったら、その登山者の後続も後から後から登ってきます。わたしはセカンドを上げている最中だったのですが、もう終了点のステージはしっちゃかめっちゃかです。そして、わたしたちなどガン無視してまたすぐ彼らは上がっていきます。


その隊の会話を聞いていたら、先頭がガイドで、後続はクライミング経験の乏しいお客さんななんだと分かりました。しかし、これは横入り以外の何物でもないではないか。ガイドは早いだろうが、後ろはどうなのよ?結局わたしたちはまたその大所帯(8名程度)が消えるまで、30分程度待たされるのでした。因みに、私たちの後続の隊のリードも、1P目途中の斜面で待たされていて、なんだかなーでした。


2P目は急な箇所が若干あるので、求められているのはやはりクライミングです(Ⅲ~Ⅲ+)。でも、左巻きで取り付くのだとしっかり下調べできている人には簡単だと思われます。そしてその急な部分を抜けると、2級程度の岩場歩きとなって、50mいっぱい伸ばしたあたりにちゃんと終了点が用意されてました。ルートファインディングも特別難しくなく、セカンドに対する声の通りも問題ありませんでした。


クライミング色の強い1,2Pを抜けたので一安心。3Pは緩い岩稜登りなので、我が隊はコンテで行く選択をしました。しかし、ロープをしまうのにまたまたロープが絡みに絡んで時間は流れるばかりなり。。本登攀ではわたしの経験上考えられないほどロープの絡みに苦しめられました。絶対なにか特別な原因があるに違いないのですが、こればっかりは推測するほかありません。






コンテで3P目をこなして、終了点の中間の岩場と呼ばれているところから4P目だけれど、ここで求められているものは比較的容易で落ちる可能性がないと判断できたので、コンテのシステムを崩さないという選択をして、わたしがスタカットで登り、上から肩絡みでフォロワー2人をあげるという判断をしました。


しかし、下と意思疎通が上手くいかず、わたしが上がっている内に、フォロワー2人はコンテのシステムを解いてしまったようで、わたしのフリーの登りは無意味とかしてしまいました。意思疎通はしっかりしないといけません。@反省


4P目は意味のない無駄な肩がらみで2人をあげて、5P目はまたコンテに戻して登りました。大雪のあとなので、ルート上の多くは新雪に近いサラサラのもので、場所を選ばないと崩れるなど、不安定でした。






6P目から上部岩場に入るので確保して登ります。難しいルートではありません。








6P目終了点から来たルートを見下ろす。フォロワーがあがってきています。


7P目は長いので8P目の取付まではルートファインディングが必要でしょうが、下調べが功を奏してか、迷わずにすんなりいきました。ポイントはどこ登っても基本同じところに辿り着くと分かっているかどうかです。長いので天気が悪ければまた話しが違ってきますが。






8P目も確保で登り、終了点はないのでピナクルで取り、9P目は大雪で岩稜でなく緩い雪稜と化していたので、ロープをしまって個々で山頂を目指しました。




てなわけで待ち時間込みで6時間、念願の赤岳主稜とったったどー!




3名でがっちりと握手。感無量で涙目のWさん


さて、目出度し目出度しですね?いや違います。わたしの足もと、どうなってるんでしょうか?凍っているんでしょうか?はたまた助かったのでしょうか?それは次回のお楽しみ。(つづく)