山行報告【アルパインクライミング入門】 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

1.行動予定

7:00 駐車場

8:30 取り付き 

11:30 山頂

12:30 避難小屋

14:30 駐車場




2.前書き

今年も白馬岳主稜や前穂北尾根を狙っているので(昨年実現させることができなかった)、それまでに仲間と準備山行をいくつか重ねて、ロープワークの鍛錬に励みます。今回の山行はそんな準備山行の第1弾になります。場所は一般ルートでないので伏せさせて頂きました。アルパインルートとしては特別難しくない入門のルートで、懸垂下降1回、クライミング2回を要求されますが、達者な方はシングルでも行ってしまうそうです。わたしは今回で2回目のルート。昨年も同時期に1回行っておりますが、今回はわたしがリーダーの山行なので、自由にもろもろ計画できるので楽しみです。




3.山行記録

登山口で準備をして登山開始です。荷物にはアイゼン、ハーネスの他にも多数のギア類、ロープが加わりますから日帰りでもそれなりに重いですね。簡単とはいってもワンミスが命取りな箇所もありますので、慎重に行かねばなりません。




今回の注目点は、白馬岳主稜や前穂北尾根を意識して、コンテで行くことを選択したこと。わたしの所属している会はあまりコンテで登らないのですが、今回のルートのようにコンテも必要ないといったルートでこそコンテで登り、ロープワークの経験値を積まなければと思うわけです。




懸垂下降地点でロープを出し、ほぐし、結び、懸垂下降をセットし、懸垂下降し、クライミングのセットをし、クライミングし、登り終えたらしまう。またクライミングの地点に到着したら、ロープを出し、ほぐし、結び、etc...




コンテが必要ないところでも事前にロープを出しているほうが圧倒的に早いはず。いかにロープをしまわずに済むかというのが今回の隊の練習目標です。個人目標はミトンの手袋でのロープワークの向上。というわけで、今回は3人を結んだロープ1本で最後まで登りたいと思います。(予備のロープも1本担いでいます)




さて、今回は出足から積雪量が豊富なため、ルート変更を余儀なくされました。まだ降ったばかりの雪は抜けてしまうため、沢沿いから岩稜取りつき点に向かうのはあきらめ、一度沢の上まで登った上で沢に下りるというルートにしました。これで取りつき830分のはずが10時になってしまいました。ともあれこういったルート変更の判断なども自分でできるのがリーダー山行の魅力でしょうね。楽しくてしょうがありません♪








上から登るルートが確認できます。







てなわけで、やっとこ到着した取り付きで、ハーネス及びアイゼンを装着して、アルパインルートに入ります。予定通りコンテで登攀開始。








別に難しいルートではないのでサクサクと進み、懸垂地点。ここで3人が繋がっている1本のロープでどう懸垂するか悩みました。当初は、二人をわたしが確保してクライムダウンさせたのち、自分は確保なしで下りようと思っていたのですが、いざ現場でいくと、確保なしでおりられるような場所ではなかったので、修正をせまられます。



結果的に、二人をわたしが確保してクライムダウンさせ、わたしだけ結んでいたロープをといて懸垂下降するという手法がベストであると判断しました。もっと良い方法があったら教えてください。その後リードで登り返し、またコンテの状態に戻して先に進みます。








振り返れば、登ってきたプチゴジラの背が見られるので、何度も振り返ってしまいます(笑)








山頂直下のクライミングポイントもわたしがリードして越え、山頂に到着です。嗚呼、楽しかった♪








ロープをしまい、下山開始。








下山は夏道をつかいますが、途中雪崩のポイントでもあるので、雪質のチェックを欠かさずに進みます。昨年は高巻きにしましたが、今年の雪ならまだ大丈夫と判断して巻かずに進みました。但し、雪崩ポイントには複数では入らず1人ずつが鉄則です。








てなこんなで、避難小屋到着。ギア類を片づけて、あとは駐車場に戻りましたとさ。めでたしめでたし♪






4.まとめ

よくアルパインルートで簡単という話をするときに、「3級くらいしかないからとか、4級くらいしかないよ」と聞きます。その時はそれなら楽勝だと思ったりするのですが、3級と言っても、冬のオーバーグローブをつけてアイゼン装着で登攀するとなるとこれが案外やっかいだと入ってみて良く分かります。今年は2回目だったので、リードでもさくさく登れましたが、それも風や雪、寒さといった条件が変われば、また違った結果だったかもしれないのだから注意が必要です。雪山に対しては常に過信してはいけません。




あとはやっぱりロープワークを速くできるようにならなければですね。今回はわたしなりのスタイルで挑み、止まっている時間、待っている時間をかなり減らすことができましたが、それはあくまで前年比であって、個人の技量という意味ではまだまだ短縮できるのですから、鍛練しなければなりません。




兎にも角にも、今回はかなりいい条件で登れたので簡単という印象を後輩がもってしまったのではないかというのが心配です。雪崩のポイントなんかも怖がらずに入っていく後輩の背をみながら、これはいかんと思ったとか思わなかったとか。自分もいつでも雪崩をくらう可能性があるとの認識のもと行動してほしいものです。と書いているわたしは、次回の新人教育の「雪崩」を担当。本を読み漁っている毎日です。楽しみ♪(おわり)