8p. 山行報告(南アルプス全山縦走達成記録)6日目 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

1.スケジュール

塩見小屋(小屋泊)水場 4:00

2:00 6:00

本谷山

2:15 8:15

鳥帽子岳

1:35 9:50

小河内岳

3:05 12:55

高山裏避難小屋

3:15 16:10

前岳16:20

0:10 16:30

中岳 16:40

中岳避難小屋 計12時間40分 約16km トータル78km

(但し上記タイムは地図表記。個人的には15時までに到着予定)


2.道中報告及び感想

体内時計に起きるを任せていたら、4時発のつもりが4時に目覚めてしまった。昨日の深夜からのトレラン込み20㎞移動が相当応えたのだろう。必要な睡眠だから無意識に身体が欲したのだと思えばこれでよし。かえって気が回らなくてゴメンねという気持ちである。



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この日は小屋から日の出を見ながらの準備となった。小屋にいる登山客が皆一様に御来光に喜びの声をあげていた。わたしも嬉しくてしようがなかった。これで南アルプス全山縦走は成った。辛い北部編は終了し、ご褒美の南部編が始まるのだなと、胸ときめかせた(この時は思いも寄らないアクシデントが南部編もわたしを襲うのだが)。結局510分出発。



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自分が登ってきた塩見岳の山容を初めて見、それどころか、ある程度歩くとわたしがいままで縦走してきた山々の大半を眺めることができた。甲斐駒から仙丈、白峰三山である。わたしは飽きることなく景色を眺め続けた。



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中央アルプス



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甲斐駒に仙丈。仙丈ってはこんなにでかかったのか?!



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えらく遠くから来たものだなあ。わたしは達成感に胸ふるわせた。雨に降られ続けてきたからこその、この快晴の南部編スタートの爽快感。ギャップがたまらんな。


さて、わたしの南部編のスタートはある作戦と共に始まった。それというのは、履き物をトレランシューズからサンダルに替えるという大胆なものだった。トレランシューズは朝になってもビチョビチョのグチョグチョだし、靴下も予備も含めてビチョビチョのグチョグチョ。この日の山行中に必ずシワにそってできた足の裏の縦長の水ぶくれがつぶれるだろう。その際にそんな不衛生に濡れそぼった環境に傷を置いておくわけにはいかない。足は既に5日間も日を浴びずに来ている。そろそろ足のメンタルは限界、リフレッシュさせたいし、水ぶくれがつぶれる瞬間を乾いている状態で迎えてあげたい。


そこで考えたのがサンダル縦走。わたしは常々サンダル(わたしが所有しているサンダルに限る)こそが登山にもっとも適したギアだと思っているのだ。いまこそその信念を行動に表す時。わたしは南部編の最初の大物荒川三山はサンダルで挑もうと決意していた。荒川三山の前岳のガレの急登は屏風のようと評されている大変なものみたいだし、東岳も悪沢と別名を持つほどの急な悪路と聞いている。ここをサンダルでこなして、わたしのサンダルこそが登山にもっとも相応しいと証明してみせる。ついでに足の健康も取り戻す!



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最初はこんな感じで、裸足に草をちょっと噛ました感じで縦走していた。足が日光を浴び喜んでいるのが分かった。間違いなく細胞がパワーを取り戻している。昨日できた水ぶくれは2時間も歩いたらすべて潰れた。しかしそれもすぐ乾き、狙った通り後にひくという状態にはならずに済んだ。この計画は大成功だ。



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裸足サンダルで鳥帽子岳攻略。ここからは富士山がバッチリ見えた。



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塩見から荒川までの縦走路。無名の山々もこのように立派。これが南アルプスの素晴らしさよ。



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嗚呼しかし気持ちがいい。初めてカメラをフル回転させて、何枚も写真を撮った。塩見から荒川三山までも長い道のりで、いくつもの無名の山を越えたが、眺望がいいということが、これほど人を元気させるのかと、びっくりするくらいの快調であった。




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小河内岳から朝いた方向を眺める。いやあ最高だね。



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写真ばかり撮っていたのにペースは順調で、途中の熊ノ平避難小屋でまた水をMAX3.5Lに戻すことになんらの躊躇いも感じなかった(重くなるけど)。写真は小屋から1枚前の山頂写真小河内岳を望んだもの。こういうなんてことのない山もこれほどでかい。そして一々このように谷筋までおろされてしまう。これが南アルプス!!


この日の行程は、塩見小屋で宿泊していた方と進行方向が一緒で、抜きつ抜かれつしていたのだけど、会う毎に話している内に、その若者が熊ノ平をゴールにするなんて言いだすから、勿体ないとアドバイスしていた。絶対中岳まで行ったほうがいいよと。中岳からの夕日は拝めるし、御来光だって見られる。夜の星空も楽しめるよ。谷間の熊ノ平に泊まったってなんらのご褒美もないじゃないの。なんて、色々言っていると、では行こうとその方も中岳を目指すこととなった(強制したわけでありません)。



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荒川前岳のガレの急登は確かに屏風のようであったが、わたしは先にも書いたけど、既に急登にこそ馴れ、逆に登りのほうが楽的に思っているくらいだったから、サクサクと登れた。サンダルは軽く、またわたしのサンダルはフリクションもトレランシューズと変わらずきくため、逆に登りやすいくらいであった。やっぱりわたしのサンダルこそが登山の最高のギアなのだ!



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荒川前岳と中岳を攻略し、中岳直下の中岳避難小屋に到着した。1時間10分も遅れた出発であったが、蓋をあけてみれば16時着と素晴らしいペースの山行となった。


わたしに言われて熊ノ平から中岳を目指すことにした若者も景色を眺め、ここまで来て良かったと充実した趣で感謝の言葉を口にし、缶ビールをお礼ですと差し出してくれるのであった。ここで乾杯したビールの美味しさたるや、分かりますよね?あれですよ。あの感覚。あーいいね。最高のご褒美となりました♪



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そして景色を堪能していると、ブロッケン現象にも遭遇することができた(写真は円形の虹は写っているものの、ブロッケン現象は写っていない)。



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狙い通り夕焼けを浴びるほど味わう。また、この日は新月だったため、星はいつも以上に姿を現し、天の川どころかアンドロメダまで視認できるほどの美しい夜空でした。この縦走中に1日雨が降らなかったのはこの日が始めてである。最高の南部編初日となったな。明日からもいいことありそう。山小屋のご主人が風もないしこの天気は当分続くぞと他の客に喋っていた。


3.山小屋情報

中岳避難小屋はテン場がないため、計画段階から素泊まりを予定していた箇所である。水は無料で提供を受けることができ、トイレは一度100円払えば何度使ってもいい仕様。物も豊富に売っていたし、スペースもわりとあるように感じた。


4.その他

この日から南部サンダル縦走が始まった。サンダルのメリットはこうだ。まず圧倒的に軽い。足を上げるにしても裸足同然なので持ち上げる高さが極端に少ない。わたしのサンダルは登山靴同様に足首を固定できるので、足が前後左右に動かない。素材が柔らかいので足裏を曲げて岩などに張り付かせることができる(岩を掴むような感覚)。裏面は当然トレランシューズ同様のスパイク仕様。はっきりいって、これが登山には、いや言い直そう、これがわたしの”登山には一番合うと断言する。


因みに“わたしの”であるから、わたしと同じようなことをしても、あなたが同じような効果を得られるとは保証しない。わたしは常々“裸足力”という言葉を使っており、裸足のポテンシャルをあげることが、ありとあらゆる運動性能を引き上げることに一躍買うと考えているのだ。だからわたしは裸足同然のペラパラの五本指シューズで、ランニングをしたりして、着地筋や足の裏を鍛えてきたのである。考えなしでやっているわけではない。また、わたしはマラソン大会にも裸足で出場し、ちゃんとハーフだけど完走したりしている。そういうトレーニングを積んだ上でのサンダル縦走なのであるっと、安易に真似する人がでると困るので一応書いてみた。


次回「山行報告(南アルプス全山縦走達成記録)7日目」に続く