再訪『是庵 たみ吉』(那須塩原)- 新そば漫遊記5。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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先週の「海十事件」を受けて、同じ店なのに味がこれほど変わってしまうのかと愕然としたおいらは(ら麺ファイル参照)、ブログ上で褒めた他のお店のことも心配になってしまった。というのも、前回の漫遊記で書いた「たみ吉」さんに、おいらはまだ今シーズン一度も出向いていなかったから。これは直ぐにでも再訪せねばと出向いてきた次第です。


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店に入るといつもと同じ居心地のよい雰囲気が待っていてくれた(これで一安心)。この雰囲気を出せる店なら味が落ちているということはあるまい。メニューをチェックし、追加書きされていた“きのこそば”というのを見つけたのでそれを注文することとした。寒い時期は、温かい汁で食べられるつけそばスタイルが丁度いい(かけだとそばの良さを殺してしまうことが多い)。


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出てきた“きのこそば”はとても満足のいくものだった。栃木の温かい汁@つけそばスタイルは、つけ汁に油を入れすぎているくらいがあり、私にはくどいことが多いのだが、ここのは油単体としてはなにも投入されておらず、具として天ぷらを入れておくことで油感を若干足すというセンスある配慮がなされていた。


天ぷらは、まいたけ、かぼちゃ、さつまいも、いんげん、あたりが入っていたが、“きのこそば”で天ぷらにありつけるとは思っていなかったので嬉しく、しかも、例えば、さつまいもなんかがかなり甘くて満足感のあるものだった。天ぷらといってもただ素材を揚げているのではない、下準備がなされている天ぷらである。例えばさつまいもは、揚げる前に既にほくほくの状態にまで処理されているものを揚げているのではないか。揚げただけでは、このほくほく感は出まい。流石です。


肝心の蕎麦はいままで食べてきたものとは異なるものが出てきたと言わざるを得ないが、香りがなくなっている反面、とても面白いブレンド蕎麦に仕上がっていた。冷たいままでたべれば固くそばの門は閉じたままだが、若干あたためるだけでそばの魅力が溢れて出てくるような蕎麦に仕上がっていた。温かいつけ汁につけるまでもない、というかつけると勿体ない。この蕎麦は口内でもぐもぐと少し意識的に置いてやるだけの熱で、十分に魅力を開花させる。


それも非常に変わった魅力で、この日の蕎麦は驚くほど豊かにねばるのだ。ねばっこくねっとりとした質量をもって、そばの味を絶え間なく口内に出し続けてくれる。長い間に口内で弄びたい蕎麦だ。美味い。


メニューには、現在は長野県八ヶ岳山麗玄そばを使用となっていたから、前回この店のブレンド蕎麦をオススメしたものとしては若干心配ではあったけれど、この味わいを単一のそば粉から引き出せるわけがない。これはメニューには書いていないが、間違いなくブレンド蕎麦だ。お店の人に聞いてみる。


た「メニューに八ヶ岳山麗玄そばで打っているとありますが、それだけで打っているんですか。他の産地を混ぜたりせず?」

店「いまは八ヶ岳のものに、北海道と福井のそば粉を混ぜて打っています」


ほら見たことか。やはりブレンド蕎麦ならでは面白味がここの蕎麦にはある。昨年までは香りも含めてバランスのよい蕎麦を目指してたいように思うが、今は個性的なそばを打っているようだ。試行錯誤してくれているとまた来たくなる。次来訪する日が待ち遠しくてならない。


【那須塩原】是庵 たみ吉  きのこそば ☆☆☆☆


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素材情報

そば粉:長野県八ヶ岳山麗玄そばを中心に、北海道産、福井県産をブレンド

つ ゆ:カツオ節、サバ節、宗田ガツオ節 


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