『悲しみのミルク』LA TETA ASUSTADA「THE MILK OF SORROW」
静かな低予算映画ながら、めまぐるしい場面転換をしているかのような錯覚に陥る映画。カメラは主演女優を追い続けているのに、女優はまるで不動のごとくにそこにいるのみ。舞台装置が時間とともに動き続け、まるでそちらが主役かの如く主張して憚らない。社会批判を色味に変え動植物に変えて投げかけられる主張は怖いほどで、この映画が写実主義で貫かれているのは間違いないにも関わらず、スクリーンを見つめる我々は、作り手の非合理な白昼夢に確実に絡め取られて、抜け出すことができなくなる。
*これは感想文ではありません。