(緊急・重要)映画のオススメ。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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現在公開中の『玄牝』を観てきたのですが、紛れもなく傑作でした。10点献上致します。本作は日本でもっとも優れたドキュメンタリー映画にして今年最高レベルの新作映画の一本です。本年のおいらの主要賞候補の最右翼ですので、興味のある方は映画館でふるってご観賞のほどを。因みに、過去もっとも優れた和製ドキュメンタリー映画を挙げるなら、森監督の『A2』ということになると思いますが、本作はそれを遥かに凌ぐ映画性を獲得しており、映画として始めて成立しうるドキュメンタリー映画が日本に登場したと言っても過言でないほどの出来映えでありました。多くの方のドキュメンタリー映画の評価の要素は、取り上げた題材や映像のインパクトまたは映像のレア度あたりでしょうが、やはりおいらはドキュメンタリー映画も映画である以上、映画性を求めていて、その点、昔から日本にはドキュメンタリー映画を“映画”のレベルで撮っている監督がいないと嘆いていたわけです(世界には相当数いるのに)。それがこの度とうとう現れてしまった。いやあこんなに嬉しいことはない。撮影から照明、録音にいたるまで、何一つないがしろにせず主題へ奉仕させている喜び。こういうのを“ドキュメンタリー映画”という。河瀬監督はぶっちゃけ役者に演技をつけるのが上手くない監督なので、このままドキュメンタリー映画を撮り続けていって欲しいなあ。このまま行けば直ぐに世界でも屈指のドキュ作家になれるよ。というわけで、なんだドキュメンタリーかと落胆しているそこのあなた、おいらが満点つけるなんて早々ないことなんで、ここは一つ騙されたと思って鑑賞してみてくださいよ。きっと何か持って帰ってこられること請け合います。ま、おいらの隣で鑑賞していた老夫婦の旦那さんのほうは、ずっと熟睡していたけどね!(おわり)