映画雑記Vol.27 緊急レポート!あなたが映画館で喜んで観ているソレは本当にフィルム上映ですか | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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映画館からフィルム上映が消える日については早くから書いてきたおいらですが、そのXデーは何もインパクトを伴って到来するような大それたものではないのかもしれません。極自然にフィルム上映からデジタル上映への移行は進むようです。そんなのまだまだ先のことでしょ?と思っているであろうそこのあなた。今からおいらが書くことを読めば、自分が観ている映画がもうフィルムであると確信を持つことはできなくなるでしょう。


おいらの母艦でもあるTOHOシネマズ宇都宮は、既に何回かデジタルで新作を上映してきたけれど、話題になったのは、デジタル設備導入当初の「沈まぬ太陽」の時だけ。あの時は「沈まぬ太陽<フィルム版>」と「沈まぬ太陽<デジタル版>」のどちらを観るか、観客に選択の余地が残されていたので、さしたる重要性をもってその話題を捉えた人は少なかった。今にして思えば、同じ作品のフィルム版とデジタル版が同じ劇場で上映されていたこと自体が、珍事であったと語り草になるような出来事だったとおいらは思う。


さて、前置きが長くなったが、TOHOシネマズ宇都宮は、今週末、とうとう新時代の扉を開ける。それというのは、10日に初日を迎える『ロビン・フッド』をTOHOシネマズ宇都宮はデジタル上映しかしない決断をしたのだ。つまり、TOHOシネマズ宇都宮は、『ロビン・フッド』のフィルムが手元にないにも関わらず新作を上映するのである。TOHOシネマズ宇都宮でしか映画を観ないような映画ファンは、強制的にデジタル版の観賞を余儀なくされる事態となった。問題なのは、そういった事実が普通に映画を観ている客層には伝えられないまま進行している事実だ。今週末の初日にTOHOシネマズ宇都宮で『ロビン・フッド』を観賞した人すべてに、本作がフィルムでなくデジタル上映であったことを知っていたかとアンケートを取ってみたら、半分以上は知らなかったと答えるに違いない。


つまりデジタルへの移行というのはそういう風に行われているということだ。あなたが来年観賞するどんな新作も、いつの間にかデジタルで観賞させられていたなんて事態になっていないとあなたは自信あを持って言えますか? おいらは言えませんね。


いうわけで、毎夜映画関連サイトを巡ってから寝るようなおいらは、TOHOシネマズ宇都宮の『ロビン・フッド』がデジタル上映のみで興行されることに気付いてしまう(ま公式HP覗いていれば誰でも気付けるが)。つまり、おいらのような映画ファンは既に二択を迫られている。それ即ち、TOHOシネマズ宇都宮で『ロビン・フッド<デジタル版>』を観賞するか、MOVIX宇都宮まで足を伸ばして、『ロビン・フッド<フィルム版>』を観賞するかの二択である。


フィルムで観たいがために少し遠い映画館まで行かないといけない事実や、ハリウッド大作も衛星を介して日本まで送信されてくる時代が到来した事実を、おいらは悲しみをもって、ここに記しておく。残念でならないと。因みに、おいらは『ロビン・フッド』をターニングポイント的作品として、『沈まぬ太陽』同様にデジタル版も観賞するつもりです。観もせず否定的でいるのは性分じゃないんでね。ま想像はつくけれど。(おわり)