p7.特集企画「ゲストにもっとも身近≪「みぢか」の誤り≫なフランス映画祭。」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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p6.特集企画「稀にみる幸福な関係。相思相愛のフランス映画祭」

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↑のつづき


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最初に観賞したのが、セドリック・カーン監督の新作「リグレット」。“15年ぶりに再会したふたりに、恋の情熱がよみがえる。演技派のキャストが魅せる、大人のラブストーリー”という宣伝文句は何処吹く風。完全にとんでも映画の類になっているのでした。


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そりゃあもう「ロベルト・スッコ」の監督さんだけに、普通の映画なんぞは撮るわけもなく、上の謳い文句からは考えもつかない、主人公がチェインソーを振りかざした山小屋の男に追っ掛けられるというシーンまである、かなりウケる作品だったたわけだけども、ティーチインでは、そういった普通のラブストーリーではない点をかなり追及されておりました。


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最近のおいらは、海外の中途半端な立ち位置の映画人を喜ばせることに余念がない。日本までわざわざ来てもらっているのだから、そりゃもうゲストに喜んで帰って欲しいとそう思うわけで、おいらはこの日も「ロベルト・スッコ」のチラシを所持して、サイン会へ。おいらの番がきたら、「ロベルト・スッコ」のチラシを差し出す。これにサインしてくれと。大抵の映画人(有名でない方)は食いつく。「これはおれのデビュー作品じゃないか」「きみはこれを見たのか?」「日本でも公開されていたのか、嬉しいなあ」「きみはこれが好きか?」「いやしかし格好いいポスターになっているじゃないか」と、通訳をかいしているので、言っていることは判然としないが、得てしてこんな按配だ。海外の映画人はチラシのことをポスターということだけは、最近理解できるようになった。


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サイン欲しくて並んでいるお客というのは、それ=カーン監督のファンというわけじゃないのを本質的に映画人は知っており、そんな中で、昔の作品のチラシなんかを持っていくとそりゃあもう喜ぶのである。アジアの島国にもおれのファンがいたのかと。まあ問題はおいらもじつのところ彼のファンじゃないという点だが、映画祭サイドから頼まれてもないのにサクラやっていると思えばいいだけのことだし、案の定「リグレット」も「ロベルト・スッコ」のような変質的執着映画だったので、喜ばせがいはあった。兎にも角にも、本作は日本で公開されないだろうと踏んで見に行って、まだ公開決定してないのでなによりである(一部ファンは喜びそうだから公開して欲しいけども)。



二本目に観たのは「クリスマス・ストーリー」というアルノー・デプレシャン監督の新作で、“最高のキャストで贈る、ある家族のクリスマスの物語”といった映画である。本作は既に日本公開が決定していたけど、カトリーヌ・ドヌーヴがゲスト来日しないかと、期待して早くからチケットを押さえた一本であった。ドヌーヴは結局来日適わなかったけれど(映画祭前に他イベントで来日してしまったようだ)、アルノー・デプレシャン監督を始め、アンヌ・コンシニやマチュー・アマルリックなど有名どこの来日は決定しており、なかなか楽しみな上映となった。


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マチュー・アマルリックのファンが多いことに気付かされたティーチイン。フランス映画祭の唯一の欠点をあげるとすれば、観客にあまりコアな映画ファンがいないところだろうか。他映画祭と比しても、質問がとてもくだらないので、がっかりさせられるシーンがわりと目立つ。フランス文化好きが多くきているからか、フランスそのものに対しての質問などが多いのだ。これでは映画を作っている側もいたたまれないだろうから、そこだけなんとか改善されないかなあと密かに思っているのだけど、そういう堅苦しいのも面白くないので、司会がもう少し映画よりに誘導するとか工夫すればいいレベルかな。


さて、問題のサイン会である。先にも書いたが、今回おいらは本作のサイン会の整理券を手にすることができなかった(フランス映画祭通いはじめて史上初)。それだけ、フランス映画祭の名も知られてきたのかと嬉しかったけれど、たんに、マチュー・アマルリックのファンが想定以上に多かっただけなのかもしれないと今は思う。まあでもおいらはなんでもポジティブに考える人間なので、整理券が手に入らなかったのは、あれをやるためだろうと直ぐに切り替えることができた。あれというのは“サイン会を尻目にお茶をする”である。おいらは毎年フランス映画祭について書いているけど、その都度、映画を観なくてもカフェにいるだけで、映画人を間近に観られる希有な映画祭だと宣伝してきた。そう、サイン会場はヒルズのカフェ内に設定されているのである。つまりは、サイン会の整理券を持っていなくても、カフェで普通にお茶をしていれば、映画人を眺めることができる。


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ちゃっちゃら~ん。ラッキスターの庇護のもと生きているおいらは、また見事にゲストにもっとも近い席に通されるのであった。というわけで、サインは貰えないものの、ゲストを贅沢にながめられるひとときを過ごす。うーん、フランス映画祭。本当に希有な映画祭である。何処を探してもこんな映画祭は他にないだろう。


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そしてカフェ側からの写真撮影はフリー。サイン会でならんでいる時より、撮影という意味では自由度が高い。写真目的ならサイン会並ばないほうがいいくらい。どうですかお客さん。フランス映画祭行きたくなりましたか?映画観なくても映画人に会える映画祭なんて他にはありませんよ。東京映画祭でゲストに会うにはレッドカーペット前で何時間待たなければならないんですか?あれを考えれば、こちらは天国です。来年はサイン会の整理券どころか「カフェも満席です」とおいらが断られてしまうくらい盛況にしえもらってもまったく構いません。フランス映画祭を一つ宜しく♪


で、じつはここからが本題。サイン会中ずっと小説を読んでいたおいら(なんて贅沢なんだ)、サイン会が終わったのを受けて、おいらも外に出てみることにした。サイン会終了まで会場にいたことがいままでなかったから知らなかったけれど、数えるほどながら出待ちしているファン層を発見。「これ出待ちしていて、サインとか貰えるんですか?」と質問すると、「貰えるときもあれば、貰えないときもある」との返答。へえ~サイン会のあとのことなんて想像したこともなかったな。わざわざ出待ちするような熱心なファンもいるのか。ここは一つおいらも参加させてください!


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そして最後の最後に待っていたのは、驚くべきイベント。ゲスト達との垣根なしの交流である。おいらは合点がいった。なるほど、こういったことがあるから、映画ファンというよりもフランス語習得中の女性客がやたらと多いという印象を受けたのか。これだけ自由に話せる時間があるなら、会話するために映画祭に足を運ぶ気持ちも理解できる。


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おいらはそのフランス語勉強中のお姉様方に通訳してもらいながら話したけれど、皆大層ファンとの交流を喜んでおりました。とくにデプレシャン監督は、おいらが「キングス&クィーン」のチラシを出したときは、心から感激しておりました。やはり役者より監督さんのほうが過去作品への思い入れが強いんでしょうね。誰だったか作品は子供のようだとも言っていたしね。マチューとアンヌ・コンシニには、両名が共演している「潜水服~」にサインを(これは定番か)。兎にも角にも、チケット代金だけで、ここまで楽しめる映画祭、他にないと思います。来年も絶対行こうと思う今日この頃なのでした。


p1.特集企画「きみも映画祭に足を運んでみないか」

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p2.特集企画「これから楽しみなドイツ映画祭」

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p3.新宿編-世界六十カ国の料理を食べる37・38・42。

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p4.特集企画「大盛況を誇るイタリア映画祭」

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p5. 『ドブロ』(クロアチア共和国料理)-世界六十カ国の料理を食べる50。

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