宇都宮駅前に美味い蕎麦屋がないと嘆いてはいるものの、＝宇都宮市内の蕎麦屋の大半に足を運んだということではない。どの県でも同じようなもんだろうが、宇都宮も例に漏れず、かなり広いのだ。特に市町村合併バブルだったここ数年で尚更広がった。わけで、市内の店舗だろうと行こうに行けない店は結構ある。宇都宮市のはずれだったり、営業時間が短かったり。最近は大半の有名店舗は訪ね済みなので、今回はそういった店を各個撃破してみる。
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『手打ちそば･うどん店 無限花序』（宇都宮）－ 蕎麦麺漫遊記１０１。
まず訪ねたのが「無限花序」さん。夜営業していない上に市街からはかなり外れているので食べに行きようがなかったお店である。この度“午前十時の映画祭”鑑賞のため、休日、宇都宮に居られたこともあり、訪ねることができた。因みに、本店はおいらの基本書からではなく、別本に掲載されているお店です。
ようやく来られたかと感慨深い。栽培から製粉、蕎麦打ちまですべて自前でやっているお店で、しかも野菜や玉子のみならず、つなぎの小麦粉まで時か栽培だというのだから恐れ入る。営業時間も短いため何時も混雑している人気店のようだ。
おいらは本に掲載されていた“天ぷらもりそば”を注文。細めに打たれた綺麗な蕎麦が出てきた。小鉢も豊富で、これが皆自家栽培なのかと思えば、こういったスタイルが多くの方の一つの目標や夢であるのだなと、おいらなりに高く評価したいところではあるものの、如何せん、如何せんである。
何が言いたいのかと言えば、別に何も言いたくないし書きたくないんだけど、やっぱり書かなきゃダメだろうから、書けば、この店にはいい意味で向上を求めたい。例えば、天ぷらであれ、蕎麦であれ、汁であれ、「おっ」と思える技術を感じないのだ。やはり素材にあぐらをかかずに、技術で素材を一回り二回りより良い状態に仕上げて提供して欲しい。それが料理というものだし、料理屋というものだ。そういう意味で、まだまだ技術の洗練とオリジナルの必殺技がこの蕎麦からは感じるにいたらなかった。
まあ、こういった家庭料理のような、ほのぼのとした品々に舌鼓をうつのも、蕎麦の提供の仕方の一つではあると思うだけれど。
【宇都宮】手打ちそば・うどん店 無限花序 天ぷらもりそば ☆☆☆ ／ そば湯 ☆☆☆
【素材情報】
そば粉：地家栽培の常陸秋そばを二八で
つ ゆ：カツオ節ベース
薬 味：葱、わさび
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『岩清水関所庵』（宇都宮）－ 蕎麦漫遊記１０２。
二店目に紹介するのが宇都宮といっても、外れの岡本に店を構える「関所庵」さん。終業後に本店で蕎麦を食べるだめだけに出動してしまった。これでアレだったら泣くよね。因みに、本店はおいらの基本書からではなく、別本に掲載されているお店です。
到着。どうなることやら。店内に入るとアットホームな雰囲気が流れていて、おっと思う。（その「おっ」を文章で表現しないと書いていても意味がない気が）
早速、本に掲載されている“鴨汁つけそば”を注文。最近、当たりの鴨そばに結構当たっているので、評価厳しめになっちゃう～よ～。なんつて。幾分待つと頼んだ品が目の前に届く。おお、綺麗な細い蕎麦じゃないか。小鉢もついていて嬉しい。ではわざわざ遠征してきた甲斐があったかどうか、すすらせて頂きましょうかね。どれどれ、ずずっ、：・。所為？
ん、これはいい蕎麦を打っているじゃないか。美味いと言わせていだたく。じつを言うと、はっきり言って、2009年末前後に収穫した関東周辺の蕎麦の出来は悪い。秋の蕎麦の収穫期に寒くならなかったため、2010年に提供されている蕎麦というのは味も香りも一二枚例年よりも落ちるのだ。おいら自身どこ言っても美味くないなと感じるし（そば粉が切り替わる前は美味かったところでさえ）、店主と話しりしてもそういった話しをよく耳にする。だから、2010年に食べ歩かれている店の評価が伸び悩んでいるのは当然なのだ（その点考慮して技術で評価しようと心掛けてはいるけどね）。そんな中、ここの蕎麦は香りもするし、味もいい。聞けば、茨城県産と益子産の蕎麦粉をブレンドしているとか。益子産か！なるほど！ 良いところついてるなあ。あそこのそば粉は香り高いものね。そこに茨城県産の繊細な蕎麦の甘味を美味くブレンドしようという企みね。普通いい所取りしようといった欲張った考えはどちらの長所もうち消してしまうものだが、ここの主人は、見事にいい所取りを成功なさしめている。
店主、ここの蕎麦は美味しいですね。
お店もまったく飾ったところのないシンプルなお店ながら、何故か居心地がいい。やっぱりなにからなにまで物事というのは通じているんだなあ。勉強になります。
と感心していたら、蕎麦団子がデザートが出てきた。え？ 頼んでいませんけど？ サービスだそうだ。いたれりつくせりである。
【宇都宮】岩清水関所庵 鴨汁つけそば ☆☆☆☆ ／ そば湯 ☆☆☆
【素材情報】
そば粉：茨城県旧山方町産と栃木県産益子町産の常陸秋そばを二八で
つ ゆ：カツオ節、コンブ（日高産）
薬 味：葱
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