2010ミニミニスロープスタイルinハンタマ。(@スノーボード) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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09-10シーズン7回目の雪山入りもハンターマウンテン塩原をチョイス。さて、おいらはもう10年近くハンターマウンテン塩原以外のスキー場で滑っていないという希有なボーダーだが(例外もあるにはあるが)、もう何年も前から、ハンタマにはシーズン終わりになると、おいらがいつか出場したいと羨望の眼差しで見つめてしまう大会が開催されている。そう、それこそハンターマウンテン塩原のシーズンのフィナーレを飾るといっても過言ではない大会「2010ミニミニスロープスタイルinハンタマ」だっつ!


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専門サイトを引用させてもらうと、スロープスタイルという競技は、上記画像の通り、①2wayキッカー、②テーブルトップ、③UP&DOWN NARROW BOXまたは4本レール、④6mUP WIDE BOXと、ジャンプとアイテムがバランス良く組み合わさった1本のコース(スロープ)を誰が一番すごい滑りをするかで争う複合競技のことだそうです。ジャンプのスキルはもちろん、アイテムのスキルやそれぞれのセクションで繰り出す「技」を自由に組み立てながら、上手くつないでいく「総合滑走力」が要求され、その分ボーダー個々の滑りのスタイルが表現しやすく、とてもテンションの上がる競技だそうな。だからオーディエンスも選手たちのより高度な滑りを楽しむことができるので、盛り上がります。おいらも観ていてカッコイイなあと思っていたわけです。いつか出たいなと。


ハンタマのスロープスタイルは、上記の競技説明のミニ版と考えてくれていい。普通スロープスタイルという競技は7,8セクションくらいあるから、ハンタマはあくまでその半分のセクションしかなく、普通の競技時のように技の採点をして順位を決めるのではなく、あくまでボーダー全員が楽しむためのお祭り的大会になります。だから仮装したりぶっ転んだり、当然格好良かったりと審査員の印象に残ったボーダーが様々な特別賞を受賞していく気軽に参加できる大会になります(かわいかったで賞とか、一番痛そうだったで賞とか)。


それでもやっぱり参加するには敷居が高い。なにせオーディエンスがいるんだからねっ! オーディエンスに見つめられながら滑るのは恥ずかしい。それに誰でも参加できるとはいえ、上手い人はやっぱりとことん上手い。そんな上級者らと一緒に滑るなんて、あーもう考えただけで●●してしまうよ。


兎にも角にも、おいらはこの大会に1週間前に急遽参加を決意した。理由は簡単で、今季のおいらがあまりに成果らしい成果が残せていなかったから。サブロクも常時出せるようになるどころか出せなくなってしまっているし、結局いまのところ、09-10シーズンは○○でしたと胸をはって人に言えることがなにひとつないのだ。細かい成長は色々とあるけど、大きなコレといったものがない。なので、もうボクは思いついたわけ。いつか出ようと胸に秘めていた大会に今季出てしまえと。結果はどうでもいい、取り敢えず出て、そして恥をかいて、その経験そのものをもってして09-10シーズンの成果としてしまおうと。


うーん、ナイス機転♪ おれ


というわけでエントリー。緊張というのはエントリーするまでが一番するもので、エントリーをすましてしまえば後は川の流れに従順に従うだけ。楽しまなければ損。問題はエントリーしてから大会に向けて、試走する機会をおいらは得られないということだ。大会でどういった技を繰り出そうか、まずそこから検討しなければならない。手堅く行くのか、挑戦するのか、仮装でいくのか、取り敢えず思いついたのは国母の真似という仮装スタイル。ボロくて着れなくなったスーツならいくらでもある。どれどれ、うーむ、たんにスーツを着崩すだけでは国母に見えないのね。これでは端にスーツを着て滑っているボーダーに過ぎない。仮装と捉えてもらえるかすら疑問だ。やはり、普通の格好で出よう。


で、当日。ぼくはゲレンデにいた。8時30分から営業開始のハンタマにして、おいらが滑り出したのは11時なのであった(なんてこったい)。コースを試走できる時間は残り60分弱。この短い時間の中で、なにをするのか決めなければ・・・あたふたあたふた


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結局当日の時間というのは激流のようにあっという間に過ぎていってしまうもので、兎に角、なんだかなだと余計なことを考えている暇もない。あーという間に開会式で、あーという間に競技開始時間。プロの試走をやんやと楽しみ、他のボーダーの滑りを堪能する。緊張はまるでなく楽しく時間は進む。


おいらの番。おいらのスタイルは決め打ってしまった。無難に滑る案は放棄して、すべてのセクションで転けてやろうという挑戦スタイル。今回はこうやってスタート位置に立てているだけで、もう既においらは勝者だ。負けはない。そんな中へたっぴが無難に大人しく滑ってどうする。自分がまだ出来そうもない練習中のことをすべてぶつけてやろうじゃないか。そして全てで転ける。狙いは全てにおいてトライして全てで転ける。これだっつ!


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ぼくは滑り出した。1番セクションは、2wayキッカー。12mキッカーか10mキッカーかの選択制となっている。おいらが目指すは12mキッカー。先週素抜けだけでランディングの入口まで届いていた。今日はオーリーを決めれば確実にランディングまで届くだろう。助走もスタート位置より3m後方から滑り出した。問題ナッシングベリーベリーダッ~~~~~~~~~ツ、スパ。12m抜けた~それもぶれのない見事な着地。オーリーもある程度入った印象。おっし。そして、そのまま2番セクションのテーブルトップへ。最初のキッカーの着地が綺麗に決まると2番セクションへの助走スピードが衰えずにしっかりのる。おっし、このまま今季ほとんど成功していないF3(オープン360のこと)に挑戦だっつ! どりゃあ、オーリーを最優先に意識しつつ飛び上がりつつ目線を後ろに向ける動作を開始、目線が後ろに向くのにつられて身体も180°回転しはじめたと思いきや、目線が正面に戻り始めて、なんで戻るんだーと思って、もう一回顔を後ろに回そうと後ろを向き始めるも、すでに身体は180°で回転を停止していて、結果オープン180°で着地。転けはしなかったけど、着地前にもう一回後ろを見ようと目線を回していたため、結果、着地後も回転してしまうという残念な状態に。このエアは客観的な判定では“オープン180°の着地ミス”という処理になっているに違いない。どうせなら転けたかった。


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着地後スイッチがレギュラーに戻るという回転運動が入っているため、助走スピードはがくんと落ちた。3番セクションは、UP&DOWN NARROW BOXまたは4本レールの選択制。おいらは迷わず、UP&DOWN NARROW BOXをチョイス。狙いは、ロックスライド(正面を向いた状態で板を横にして滑ること)で入ってスイッチにし、そこからまたロックスライドに戻して最後またスイッチで降りるという繰り返しコンボ。まだ1回しか成功していない技である。助走スピードがなくなっているのが心配だ・・・どりゃー、よっほっ、それ、ぐわしっy!


説明しよう。おいらは、UP&DOWN NARROW BOXに予定通りロックで入り、そこからスイッチしてまたロック、ここまでは成功した。しかし助走スピードが遅いという焦りが災いしたのか、最後のスイッチで降りるという野望は、板を回そうとした刹那、重心が後ろに移ってまくられて結果、尻餅落ちとなってしまったのだった。この繰り返しコンボの問題点は、大抵最後までやりきる前にBOXの距離がたりなくなってしまって焦るということである。後半は、スイッチ状態からロックに入っているので、最後はレギュラーで降りれば無難に決まるのだが、そこで再度スイッチにしたいという拘りなのだ。失敗して拘りもないにもないもんだが。


さて、ここまで滑って来ると、MCの実況も耳に入ってきていて、おいらが転倒しても素早く立ち上がったことを受けて、「おーーっと、立ち上がった~大丈夫なようだ~」などと声を張り上げているのが聞こえてきていた。そんな中でも、おいらが気がかりなのは次セクションまでの助走スピードのほうで、兎に角少しでもスピードをあげる鋭意屈伸ライディング。


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そして4番セクションの6mUP WIDE BOXに突入。ここでおいらは唯一遊び技にトライしようという考えが頭の中にあった。オリジナル技である“Mj”の披露である。じつはこれ、この日の競技直前の開会式中に頭の中で開発された技であった。だからまだ現実では試したことすらない技。できるのかすら未知数。でもへったぴなおいらであっても、参加した以上は少なからず盛り上げに貢献したいじゃないか。迷いはない。やるしかないのだ。


説明しよう。オリジナル技“Mj”とは、【ボックスにオープン180°インして、スイッチ状態になったところからボックス上で360°回転し、最後はスイッチ180°で降りるという技】に、180°インした瞬間左手の人差し指を高く天に突き立て、右手は股間を握ってスイッチ180°で降りるまで、「フー」とシャウトしながら360°回転する技である。このターン系の技で失敗することはまずない。問題は、人差し指を天に突き立てた状態で、ボックス上で360°回るバランスを維持できるのかどうかという点だけである。やったことないんだから、やってみなければ分からない。ええい、儘よ~


___h___ <フー


スパッ。転倒せずにターンは最後まで決まった。よっし。しかしフーという声は誰にも聞こえない蚊の鳴くような声になってしまった。でもMCがちゃんとおいらの意図を理解してくれて、「フーというシャウトが聞こえてくるかのようだ~!」と実況してくれた。いまのおいらでは盛り上げに協力したくてもせいぜいがこの程度。でもいいんだ。やれるだけはやった。楽しかったなあ。最高に充実した滑りでした!!


その後は、他のボーダーの滑りをただただやんややんやと楽しんだ。女装して滑り出したと思いきや、滑りながら脱衣していって、最後は江頭さんみたいな格好になってしまう人とか、もとももと裸で縦回転の技を繰り出して、なぜか必ず裸の背中で着地するという痛冷たい技を披露している人、カップルがペアで同時に滑ってシンクロしている人や、ともだち(20世紀少年)の完全コスプレで滑っている人までいる。あとはおいらより上手いキッズたちの滑りの数々。本当に楽しくて緊張なんてする必要はない大会なのでした。でも仮装している人は皆上級者だったという印象があるね。上手い上に仮装を重ねているのだ、彼らは。恐れいります。


そして間をあけて閉会式&抽選会。この大会の参加料は1000円ぽっきりだが、抽選会では1000円以上の品物が必ず全員に当たるというシステムになっているのだ。板なんかも何枚も用意されていて、なんつーか、楽しませてもらった上に、元まで取らせて帰らせて頂けるなんて「マジで、アリーッス」ってな感じで、困ってしまいますな。


最初は、番号順で黙々と事前に抽選されて用意されていた商品が手渡されていく。おいらの番はなにかななにかな~。おっと、SWANSのゴーグルじゃないかっ?!なんだ、これ。楽しませてもらった上に、お土産まで持たせてくれるだなんて、マジあり得なくね? みんなハンタマいいとこだよ、遊びにおいで~(現金な奴)そして、一通り商品が手渡された後は、さらに追加の大抽選会。まあなんて太っ腹なんでしょう。信じられませんな。○番、え? あっ、ぼくです。ハンタマ最高だなあとゴーグルを眺めていたら、追加の抽選会でも当選してしまった。リフトの1日券が2枚もッ?


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きっとまた言っているよと馬鹿にしているに違いないが、真実こんな具合なんだから、しようがない。そう、おいらはラッキスターの庇護のもとに生まれてきてしまっているのだ。望まなくてもラッキーが舞い込んでしまうのだ。ああ何時になったらこのラッキーは終わるのか。まっでも、おいらはもう10年近くハンタマ以外で滑ってないからね。ある意味でハンタマからの感謝の気持ちに違いないよ。


というわけで、おいらのスノーボードの大会初参加は、最初から最後まで楽しいという感情しかわかないような時間に抱かれたまま終わったのでした。へたっぴがへたっぴなまま小細工なしで普通に滑っただけでも、気兼ねなく、緊張することもなく、楽しめるような環境がそこにはありました。これは大会というより本当にお祭りですね。初大会参加には打ってつけだと思います。最高に楽しい1日でした。来季の目標は、この大会に出て12mキッカーでワンメイク決めることとサブロクを綺麗に披露することだな。来季に向けて確固たる目標ができた。参加して本当に良かったなあと思う、今日この頃なのでした。(おわり)