『そば処 水無湧水庵』(日光)- 蕎麦漫遊記93。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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今回は、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されているお店ですが、そばの名店51に含まれておらず、農村レストランとして紹介されていた40店舗の一店です。スキー場への道すがら立ち寄ってみました。


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開店時間から10分も経っていないのに、駐車場にはもうかなりの数の車が止まっていました。人気店のようです。それでも店内は案外広く、待たされることなく席につけました。注文したのは、本に掲載されていた“沸くわくセット(もりそばと本日のごはん物@この日はきのこごはん)”に“単品 かき揚”。


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最初に“もりそば”以外が、目の前に並べられる。おいらにはこれで十分お腹が満たされる量だ。さっそく御飯から頂きましょうか。うむ、いたって普通である。どうたらこうたらレビューする必要はなさそうだ。逆に、かき揚は美味い。本に薦められているだけのことはある。9割玉葱で構成されているかき揚だけれど、サクサクとしていて質感も軽く、それでいて、玉葱の甘味が十分引き立つように仕上がっている。世の中のかき揚がみなこのように玉葱を扱ってくれたらいいのに。


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かき揚に舌鼓を打っていると、そばのほうも到着。おっと、かなり細く切りそろえられたそばを出すじゃないか。“切り”は機械に任せているのかな。でなければ、かなり熟練の技である。因みに、おいらは、蕎麦は太さが揃っていてこそだと思っているので、機械でもまったく問題ないですね。機械の刃さえよく手入れしておけば、蕎麦には包丁の臭いは付着しないのではないかと思います。臭いの付着がないなら機械のデメリットはまったくとい良いほどないのではないでしょうか。


ところで、おいらはそういった真相にはまったく関心がありません。興味があるのは味ばかりなり。ではメインディッシュをいただきましょうか。ずずずづずうdぅ。細いだけによく吸い込まれてくれる蕎麦である。にしては、香りたつものがない。細すぎるのが災いしてか、蕎麦と蕎麦の間に水がたぶんに蓄えられてしまっていて、まるで水ごと吸い込んでいるかのようだ。水切りが悪いというほどじゃない。ただ、細すぎるだけに、他より丁寧な水切りが要請されているというだけ。残念


水の膜がはったような蕎麦は香りも味も伝わってこないもの。つけ汁をつけて頂いてみても汁と馴染まない(汁の味がしない)という逃げ道なし男くん。一応、汁がもともと薄いという可能性もあるので、飲んでみると、これが濃いつけ汁なのである。汁の味がしないのは単に水の膜のせいである。しかし、ここのつけ汁は苦い。かなり寝かせているのを売りにしているようだから、これは好みの問題か。


なこんなしていると、水切りの悪い蕎麦の宿命とも呼べる、特急のような速度で進む蕎麦の伸びが始まってしまう。はっきり言って3口食べただけで、悪い悪いと言っていた水はなくなり、器の上に残ったものは単に伸びきってしまった蕎麦である。今回は細かっただけに、蕎麦が籠城する間もない落城でありました。完敗


ともあれ、ここの蕎麦はちょっと変わった特徴的な味がする。味わおうと口内に蕎麦を留めてモグモグと意識的によく噛んでいると、蕎麦粉の粉っぽさが舌に前面に伝わってくるのである。「ぼくらはついさっきまで“粉”だったんだよ」と訴えかけてくるような手打ち感。それをもって美味いと言おうと思えば言える。でも“甘い”だなんだと良い味が伝わってくるのではなく、たんに粉っぽいという味が前面にでてくるのが、蕎麦として正解なのかは、おいらは結論を持たない。蕎麦それぞれであるからして。


それでも、この店は両店だと思う。このセットと単品かき揚を頼んでも800円ぽっきり。800円でお腹一杯になれるなら悪くない。水切りはこの日偶然悪かっただけという可能性もあるし、店の評価からは割り引く必要はあるかも。(おわり)


【日光】そば処 水無湧水庵 湧くわくセット(もりそば、きのこごはん) ☆☆ /かき揚 ☆☆☆☆ /そば湯 ☆☆★


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【素材情報】

そば粉:地元水無産を二八で

つゆ:企業秘密

薬 味:葱、わさび


【蕎麦まとめページ】

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