5)薩摩登山遠征記。「開聞岳を傍らにおいて」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

(先月30日記載のつづき)「いたたいたいたい、あががががk。」動かなくなった右脚をおして、それでもなお、開聞岳を猿のようにウッキ~と木の枝伝いの快速空中ブランコ下山をしてきたおいらは(実話)、木の枝のなくなった下山後にはじめて泣き声をあげたのだった。痛い、痛いけれど、スピード下山したとはいえ、登りだしたのが8時と遅いので、下山時にはもう正午をまわっており、右脚の痛みに付き合っている暇はないのだった。


たまのブログ


この日は時間的押しすぎていてノープランになってしまっているので、登山口の近場で蕎麦でもすすりながら、これからどうすべきか観光マップと睨めっこする。しかし、鹿児島ではどんなお店に入っても上記画像の漬け物が出てくる。大半が食べ放題なので旅人には嬉しい。ぱりぱり音を鳴らしながら、おいらは決断する。当初計画していた2日目の指宿(篤姫ゆかりの地。桜島の眺めがよい)知覧(特攻平和会館や武家屋敷庭園がある)観光を百八十度反転させ、おいらは枕崎に向かう。そう、おいらの第一願望は、開聞岳を見ていたいというところに帰結してしまったわけだ。わしゃあ、開聞さんに惚れに惚れたぜよ!といっても、直ぐさま西に移動を開始するわけにはいかない。取り敢えず、指宿名物の砂むし温泉だけは入っていく。なんたってこの旅は右膝の養生が目的なんですからね!!


たまのブログ


海岸沿いを走っているだけでも気持ちイイ


たまのブログ


到着。この「山川砂むし保養施設」は、砂むし施設数あれど開聞岳のロケーションが抜群な唯一の施設。さっそく浴衣に着替えて砂の中に埋めてもらう。う~ん、よきかな、よきかな。皆さん「砂むし風呂」なんて色ものでしょと思いませんか?どんな効能があるのかよく分かりませんよね。でも説明を受けるとすぐ理解できる普通の温泉より優れた理由があったのです。地熱で温められた高温の砂に埋められることで体温が上昇し血流があがる。その時普通の温泉と違い砂むしの場合は横に寝そべっている(ココが重要)。脳の先から足の先まで心臓と同じ高さであることで、血流が普段絶対体験できないような速度となって脳内や足先を流れるのです。う~ん、すぴ~でぃ~。でもって、そこに死なないレベルとはいえ、結構な圧力を感じられる量の砂を全身の上に載せられるので、全身に圧がかかって血流はさらに鰻のぼりに!! いうわけで、体験したこともないような血のめぐりとなってしまうので、心臓に負荷があるから埋まっていられるのは10分程度とのこと。おいらみたいに15分も入っていて注意されないようにしましょう。誤算だったのは砂むし後に入浴できる温泉が、石鹸シャンプー禁止だったこと(海岸沿いのため)。登山後だけに洗いたかったのだが、まあいいや石鹸に頼らなくたって。ここから、長々と相当な距離を枕崎まで移動することになるが、ずっと海岸沿いだし、なによりずっと開聞岳がロケーションに入っていると思えば、これほど贅沢なドライブもない。


たまのブログ


さっそくJR最南端の駅に立ち寄って電車を待ってパシャッ。開聞岳は絵になるな~


たまのブログ


そして、おいらが枕崎を目指そうと決めた最大の理由となった番所鼻自然公園に到着。公園といっても何があるわけではなくて、ただただ伊能忠敬が「けだし天下の絶景なり」と絶賛したロケーションだけがあります。


たまのブログ


たまのブログ


いやしかし、ここは誰も来ない場所で贅沢だなあ。観光本に載っていないのが吉と出ている典型例。時間の許すかぎりぼけぇ~~~~~っとさせていただきました♪


たまのブログ


お腹も鳴ったので、場所を移動。到着しましたカツオで有名な枕崎。漁港の町です。


たまのブログ


枕崎に来たら必食らしい、かつおラーメンをいただくべく。「あじひろ」


たまのブログ


最高級のカツオ節でダシをとったスープに、ぶえんカツオのヅケや切り身の竜田揚げがトッピングされたラーメン。(ラーメンにヅケって・・・・)

店のおばちゃん「ヅケは最初に食べてね」

え?

店のおばちゃん「ほら時間経つとスープで火通っちゃうから」

いやいやいや、それなら別皿で出せばいいじゃないか。なんでわざわざ載せて出しますか?まあ食べてくれと言われれば素直に食べますが。うん、しかし、これはなんつうか色ものだね。観光客向けに遊びが過ぎている。このくらいだったら宇都宮の偶然同じく純かつおダシで勝負している和だしラーメンさんのほうが好み。ラーメンはやっぱりシンプルでないとね。つまるところ、このお店の欠点は、トッピングに懲り過ぎてしまったせいで、麺が湯で上がってから客前に提供されるまで時間がかなりかかってしまうところだろう。まあでも御主人夫妻の年齢を考えれば御愛敬。ここでも余所者の臭いを嗅ぎ取ってくれたらしく、栃木から来たと答えると、大いに喜んでくれて、山の話しなどで会話もおおいに盛り上がりました。


たまのブログ


さて、折角枕崎まで来たからには、土産はここで鰹節に決め打ちます。渡す相手の料理レベルにあわせて生節だったり枯節だったり色々と選びわけて大量購入。おいらも自分に最上級のものを購入してまいりましたが、上記画像のように、まだ使えていません。なんたって、まだうちにはかつ節削り器がないんですからね!早く購入せねば・・・。やはりこのくらいで、観光適時間はタイムアップ。日が暮れる前に昨晩映画を見た鹿児島市内にとんぼ返りすることにする。

その前に露天風呂からの夕焼けが素晴らしいと評判のスポット“枕崎なぎさ温泉”で、本旅行最後の湯治をとることにする。今日は登山後の移動がほとんど車だったので、右膝は少しは動くようになった。でもこの膝の状況は深刻だ。とてもトレイルなんてできそうもない。


たまのブログ



たまのブログ
それはさておき、折角の夕焼けスポットだから、湯治がてら夕日が顔を出すまで待ってはみたものの、あいにくの空模様で、やっとのことで得られた風景はこの写真くらいでした。それでもおいらは何時も温泉といえば栃木県内の山間ばかりだから、海を一望できる露天風呂はそれだけで御馳走でございました。兎にも角にも当初予定していた湯治と登山はこれですべて完遂できたから、あとはもう呑気なもの。知覧経由で鹿児島に向かうべく、たらたらと車を転がす。





たまのブログ


たまのブログ


道中、観光を諦めた知覧特攻平和会館前の公園(ゼロ戦など戦闘機が多数展示されております)で下車してぶらぶらなんかしてみて、毎度のことながら精霊が写るような如何にもな場所で撮影すると写り込む光源体に首をかしげつつ、あぅそうそう、知覧と言えば、お土産に知覧茶を購入しました。皆さん知ってます?知覧茶って全国的に有名で評価が高いお茶なんだって。ほんと世の中には知らないことが沢山あるもんだな~


たまのブログ


鹿児島市内に戻ってくると、昨日爆睡してしまった『バーン・アフター・リーディング』に再挑戦するべくレイトのチケットを購入して、上映時間まで映画館と同施設内の回転寿司で地のものをつついたりしながら時間を潰し、映画鑑賞後の深夜はまた天文館文化通りを探索などしてみた。しかし、前々回日記では好景気ぶりを報告した文化通りの賑わいであったが、この日は土曜の夜だというのに閑散もいいとこ。閑古鳥が鳴いている始末である。これは一体どういうことだろう。金曜日の深夜だけ街をあげて騒ぐ慣習でもあるのだろうか。それともおいらが遭遇したその金曜日だけが1年でも稀にみる特別な1日だったのだろうか。謎である。


たまのブログ


それでも鹿児島は深夜まで開いているラーメン屋が多いらしく、この日もラーメンにありつくことはできました。鹿児島の最後のラーメンは、「薩摩らーめん家 尾木場」さん。


たまのブログ


ここは豚骨でなく、豚鶏もれなく長時間煮込んだスープだそうで、そこに背脂でなく腹脂を使っているのが売りなんだそうな。確かに、腹脂なんて聞いたこともない。確かに脂の旨味を加えながらも背脂のようにぎとぎとにすることなくあっさりと食べさせるラーメンは珍しかったかもしれない。ちょっとパンチ不足だったけどね。二日連続4食完食したことで疲れ切ったおいらの胃袋は、睡眠をとるべく車に帰るのだった。今思えば、最後の夜くらいはちゃんと宿泊しても良かったかなと思う。でも実際寝出したのは2時過ぎだし、翌朝動き出したのも5時くらいだから、たった数時間に宿泊費払うのもなんだかなあなんだよな。ここらへん一人旅行者は皆どうしてんのかね。(つづく)