本章:たま、プロレスへ行く。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

(昨日のつづき)入口での記念撮影も終えて、いざ会場へIN。がーん、なんてこった・・・。始めて訪れたウェルサンピア栃木。何故に市立や県立の公営の体育館でやらないのかと首を傾げていたのだが、理由が判明。ウェルサンピア栃木「狭っ!!(それは学校の体育館ほどの広さしかない)」開演のギリギリの入場であったが、入りも7~8割りというところ。


なるほど。市立体育館を借りる必要がないところまでプロレスは追い詰められていたのか。鼻頭がつーんとなる。これはいかん、お布施せねば。そそくさとグッズ売り場でプログラムを購入してくる。プログラムを開く。お、一応プログラムの選手名鑑では、中西選手がベルトを所持している写真が使用されているな。シリーズ最終戦で中西選手が防衛に失敗するから、このプログラムは唯一無二のレア物になるに違いない。(オークショるつもりなのかよッ?!)


さておいて、プロレス観戦にプログラムは必要だ。同行者と事前に試合の流れをチェックし、この試合はどちらを応援しようかなどと事前打ち合わせるのである。何事も食い気味で参加する意識をしめさなければ、何事も騒げないものである。第一試合の見せ場のなさからして、その気持ちを新たにする。昔の第一試合は若手の登竜門として熱かったものだがなあ(オヤジか)。第二試合目は、この日のおいらのメインイベントである。火の玉小僧こと菊地毅の活躍を久しぶりに目の当たりにできる。丁度Jr.最強決定リーグ戦に参戦するために、ノアから数名選手が親日に来ていたので、親日の大会ながら生観戦できるのである。


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おっ相変わらず旭日旗のタイツを着用しているのか。懐かしいねえ。しかし、時の流れとは悲しいもの。昔はJr.戦士として線が細いのにヘビーに混ざって最高のやられっぷりを疲労してくれていた菊地も、いまとなってはでっぷりと三沢体型である。三沢はたまにTVで見かけたりもしていたから、体型の衰えは見知っていたものの、菊地まで三沢にならってでっぷり体型になっていたとはね。これじゃあもういい中年じゃないか。昔のように、うわ~んと泣きながら相手に突っ込んで玉砕しても絵にはならない。残念。


ともあれ、「菊地~、菊地~」と彼を応援するのは面白い。試合はつまらなかったが、菊地が見事にエビ固めで勝利するのだった。


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このシリーズの良いところは、Jr.リーグ戦中ということで、地方興行なのにJr.選手のシングル戦が三試合も組まれていることである。プロレスはやっぱり勝敗がある程度重要になってくるシングルを見てなんぼ。リーグ戦中はどんな地方でも分け隔てなくシングル戦が見られるので狙い目なのである。この日も上記画像の「AKIRA×ブラック・タイガー」を始め、「プリンス・デヴィット×邪道」や「飯伏幸太×タイチ」といった公式戦三試合を観ることができた。


しかし、プロレスも十年見てないと、新人が黙々と出てきているもので、プロレスの衰退とは裏腹に、Jr.の若手はイキがいいのが開花し始めているようだ。おいらが名前を知る由もないプリンス・デヴィットや飯伏幸太は、技も豊富でガッツもあり、今後に期待できる逸材のように思えた。そして写真は撮ってないけど飯伏幸太。彼は間違いなくこの先本物になるであろう。なにせ試合が面白い。見せるわ見せるオリジナル技のオンパレード。そして休みなく攻め続けるテンポの良さ。場外にも躊躇なく飛ぶし、高さも飛距離も見事というほかない。同行者も「飯伏ぃ~」と彼の試合だけ別格で大興奮しておられた。おいらもこのレベルの試合が観られると思ってなかったから、嬉しかったなあ。この子はJr.界の救世主になるかもしらんね。


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この日は全部で七試合あったんだけど、第一試合の若手のシングル、公式戦シングル三試合、菊地の登場した2×2タッグマッチで計五試合。残りの二試合は、多人数タッグマッチ。先に組まれたのが上記画像のヒール軍団対ヒール軍団の十人タッグマッチ。大の大人を十人もそろえてこんな小さなリング内で決着がつくわけないだろ! ともう定番中の定番試合。選手が会場内に入り乱れて、場外乱闘を繰り返す。プロレス馴れしてない客なんかがすごくビビってくれて会場が暖まる。初プロレス観戦の同行者も喜んでおられた。


休憩時間中にようをたして、会場に戻ると、なにやらグッズ売り場が騒がしくなっている。なんだいったい何が起きたんだと、近づいていったおいらの視界に飛び込んできたのは、現IWGPチャンピオンの中西学選手がTシャツサイン会を開いているのだった。目眩がしてよろけてしまうおいら。はぁはぁなんてこった。現役のチャンピオンがグッズ売り場でサインを書いているだなんて。なぜおいらが愕然としているか分からない人も多かろう。じゃあ説明せねばなるまい。現チャンピオンといえば、その日のメインイベントで闘う選手じゃないか。これから数十分後には試合なんだよ? それがどうして、グッズ売り場でサインなんて書いていられるのさ? チャンピオンたるもの最高のコンディションで試合にあがるべく、控え室で調整しておいてなんぼでしょうが。サインを配りたいなら事前に書いておけばいいだけのこと。おいらがプロレスファンだった頃には考えられないことである。


そもそも新日は、地方興行でもグッズ売り場に選手が出てきてサインするようなことはしてなかったね。全日はグッズ売り場に常に馬場さんがいて物買うとサインしてくれたけど、馬場さん以外になると、川田選手や小橋選手がグッズ売り場でサインしていたことはあったけど、やはり現役チャンピオンが地方だからといって、試合前にグッズ売り場に出てくるようなことはなかった。三沢やハンセンクラスの一流選手のサインが欲しかったら、試合後に出待ちするのが基本である。おいらもそうしてサインをもらってきたものだ。おいらがファンだった頃にもらったのは皆全日関係で、馬場さん、三沢、ハンセン、川田の計4名だけだけど、ファンだった当時も親日の選手からサインを貰えたことはなかったね。FCに入っていたりすると違うんだけど、なかなかもらえるチャンスに恵まれなかった。


がしかし、どうだ。今は現役のIWGPチャンピオンがグッズ売り場でサインしているのである。驚くほかない。がしかし、驚いているおいらを余所にもう片方のおいらは驚かない。今の新日の現状を鑑みれば、当然の成り行きであろう。このサイン会はファンのために開かれているのでなく、おいらが考えるに中西学の人気度合いをはかるための調査会なのだ。中西学のような選手が偶然にもシリーズ初戦でチャンピオンになってしまった。これは新日としては絶対想定していなかった(これは昨日書いた)。で、シリーズの最終戦でまた前チャンピオンの挑戦を受けることになっているのだが、会社としては次にどちらに勝たせるのか頭を悩めているところなのだと思う。まあ基本的には前チャンピオンの棚橋を勝たせることは決定事項になっているはずだけど、安直に右左と物事を決めずに幅をもたせたのではないか。中西の試合は盛り上がる。中西がリングで活躍していると声援がよく飛ぶし、棚橋を敗って始めてチャンピオンになった時には、会場からわれんばかりの温かい祝福に迎えられた。


いうことはだ、もしや中西に棚橋を超える人気が備わっている可能性があるのではないか。会社はその線も考える。そこで、「おい、中西よ。おまえ明日からの地方巡業、グッズ売り場に立ってサインしろや」とこうなる。「Tシャツの売れ方次第では、次回の防衛戦考えてもいいよ」とこういう含ませ方だ。となれば、中西選手も嫌とは言えまい。強気に出られないチャンピオン。試合前なのにグッズ売り場でサインを書いているのはそのためだ。


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そういう目で見てみると、中西選手の周りには野次馬ばかりで、いざTシャツを買ってサインを書いてもらおうというお客さんは十の指を必要としないほどしかいない。ダメだ。中西選手の人気はミーハーレベルでお金に繋がらない。係員の声が飛ぶ。「撮影会ではありません。写真撮影はご遠慮ください」中西にお金を吐かせる力はないのか。これでは次期防衛戦の勝者は見えたというものではないか。寂しい。それではあまりにも寂しい。


ここはおいらが一肌脱ぐしかあるまい。同行者に誘い水。中西選手のこと昔結構好きだったじゃん。現役チャンピオンから直接サインもらえることなんてあまりないよ。もらってくれば? 


「プロレスのTシャツなんていりませんから~!!」


残念!(ふるいよ)即答かよ。ぐうの音もでない。となればおいら自身が有言実行一肌脱ぐしかないのか。(とぼとぼ)えーと、どれを買うとサインもらえるのかな?中西選手のTシャツならどれでも大丈夫ですよ。えーと、じゃあ(つづく)