すべてのレースが終わった。友人がパドックで行われている安田記念回顧を見たいというので場所を移動。武騎手が自分でなくウオッカを讃えてくれと、自分の不甲斐なさに恥じてばかりいるのも上の空で、おいらはほおけていた。今日のことをどう解釈すればいいのか。体を真っ二つに裂かれたような気分である。今日の予想には前日から大層な自信があった。脳がビキビキと瞬き(比喩ではなく)、答えまでの論理的な道筋が見えてきたのである。例えばあるレースでは、「逃げ馬が二頭いるけれど、この逃げ馬二頭はめちゃくちゃ強いわけではないので、たぶん喧嘩しないで両馬でペースを作り、二頭そろってのなだれ込みを画策するだろう。その後ろの先行馬はみな実力のないところ。どれも自分から捕まえにいけるような馬でも騎手でもない。その後ろにいる上位人気馬にのっている岩田は、楽に逃げている二頭を捕まえざるをえなくなり、3コーナー過ぎからしかけざるを得なくなるだろう。そうすると脚がなくなるから馬券には絡まない。そこで人気馬と一緒に動かなかった後方待機の無欲な騎手が突っ込んでくる。逃げ馬二頭と後方待機馬の三連複だ。みたいな。馬柱からの能力分析、展開と騎手の思惑からくるレースの動向、ここ10年行ってきた予想が一変してしまったのだ。この日の予想は展開予想と騎手の動向が立体映像となって、脳内シミュレーションが皆できた。それは位置取りが想定と違っていたりペース読み間違えて外れることはしばしばだったが、それでも予想の勝利図が脳内で映像として見ることができたのは高校生時分の時以来であった。おいらが思うには、趣味にしていた時期と趣味を止めた時期が完全にリンクしているプロレスを直前に観戦していて、充実した競馬予想をしていた当時のことを思い返したりしていたので、なにか脳に影響があったんだろうと思っている。おいらには脳がビカビカしたりチカチカしたりすることが本当にたまにあるのだ。そんな時は自分の平常時よりいい結果が得られるとなんとなしにもう理解している。おいらの予想史上、関東の12レースを全て予想して的中させたことのある最高的中数は9レースである(これはちょっとした自慢だ)。今回はその9にあと2つ届かなかったものの、7的中させることができた。なかなか見事なものだ。やはり前日からいい結果がでると豪語していたとおりである。
○ 01R ○◎- 馬連670
× 02R △○-
× 03R -▲-
○ 04R ◎▲△ 馬連700・三連複3750
× 05R ▲--
○ 06R ▲◎- 馬連530
× 07R ---
○ 08R △◎注 馬連1420・三連複15270
× 09R ▲--
○ 10R ○◎- 馬連1300
○ 11R ◎☆- 馬連290
○ 12R ○▲◎ 馬連5790・三連複10150
印通り馬連を買うと57点、三連複は◎軸一頭ながしで総て買うと89点
上記をすべて買うと14,600円
馬連の払戻が合計が10,700円で、三連複の払戻合計が29,170円
上記の払戻合計は39,870円
馬連計10700円+三連複計29170円=39870円(払戻)
39870円-14600円=25270円
うん、なかなか見事なものであろう。
がしかし、実際のおいらのこの日の収支は東京12レースに絞ってみても、
17400円(出費)-20270円(払戻)=-2780円(4レース的中)
そこに中京を加えると実録の結果となる。
22600円(出費)-21730円(払戻)=-930円(5レース的中)
素直に予想通り買っていた場合の2万5000円の黒字とは大きな開きと言わざるを得ない。確かに昨今のおいらにとって、現地観戦を-930円で帰れるだけでも奇跡的に嬉しいことである。何故なら、昨今のおいらは関東の競馬観戦で黒字だった試しがない。
2008年度 天皇賞(秋) -5290円(払戻14710円 出費20000円)
2008年度 皐月賞 -13160円(払戻8440円 出費21600円)
2007年度 宝塚記念 +32070円(払戻51270円 出費19200円)
2007年度 ダービー -4590円(払戻25910円 出費30000円)
2006年度 有馬記念 たしか赤字
2006年度 菊花賞 たしか赤字
2006年度 ダービー たしか赤字
2006年度 皐月賞 たしか赤字
2005年度 有馬記念 たしか赤字
平均して5000円から1万3000円負けるのがパターンである。唯一大幅な黒字だった宝塚記念は、関西開催であり、競馬場に行く前に生田神社でお参りした御利益で三連単2つ当てられただけの話しで、黒字はおいらの実力ではない。いうわけで、おいらとしては関東観戦で収支-930円なら十分誇らしい。がしかし、どうしても喜べない自分がいるのである。目の前にぶら下がっているものを取れないときほど悔しいことはない。ああ悔しい、やれ悔しい。まあでも今回の予想の精度には大満足だ。馬券を止めている身としては関東12Rで8Rも当てることは二度とないだろうからね。それでもなお予想対決でもっとも最下位に近いところまでたたき落とされた絶望といったらない。がしかし、あのウオッカの直線の攻防の素晴らしさはどうだ。自身の手で最高の一枚を撮影した歓びも一入だった。ああ、おいらは今回をどう帰結すればいいのか。頭割れそうで困ったものである。
ともあれ、これでおいらの観戦記はおわり。良くも悪くもなにかに取り組めばドラマが生まれる。認識されてしまったドラマはもう過去でしかないが、それを次にどう活かすか。繋げるか。おいらの脳はプロレス観戦から競馬観戦までを一括りに認識しているみたいだけど、それでもなおここに書いておこう。今回の観戦はめっさ楽しかったと。(おわり)
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前編:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1192327927&owner_id=1064357
中弛み:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1192864556&owner_id=1064357
GⅠ編:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1194169969&owner_id=1064357
後編:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1194726444&owner_id=1064357