TOHOシネマズ宇都宮で『オーストラリア』を観てきました。二部構成で中盤主題の流れが断絶しており、映画的積み重ねがないことが残念。様々な主題の片鱗は垣間見られるがどれもまとまっておらず、結局大きな意味での大河ロマンとしての楽しみしかない。基本的に喜劇的な味付けがなされているので退屈はしないが、オーストラリアのタイトルが示すような雄大さは皆無で、あらゆるシーンがロケでなく、往年のハリウッド大作の巨大セット撮影かのように見えてしまう役者の顔のアップや風景の切り取り方が悔しい。役者にも往年のハリウッド大作を意識してかメリハリの利いたドタバタ演出がついていて、非常にチープな印象しか受けない。このレベルの演出なら素材をキムタクと松たかこに入れ替えても話し成立してしまうのではないか。これは過言だけども。