足利探訪。- 蕎麦漫遊記16・17 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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2月15日 休みにせっかく足利まで足を伸ばしたのだから、シネマックスとのお別れだけで終わらすわけにはいかない。映画館がなくなった今、もう足利に出向く機会もないかもしれないのだから。おいらは足利にやり残したことが一つある。足利市街地には蕎麦の有名所が三カ所もあるのだ。映画で訪れた際に地道に潰していこうと考えていたが、今となっては、そんな悠長なことも言っていられない。蕎麦なら三店舗くらい梯子できないこともないだろう。おいらは決める。一日で御蕎麦屋さん三軒回ってみせると!(馬鹿です)




 本三店もおいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されているお店です。




『山』(足利)- 蕎麦漫遊記16。




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最初に訪れたのは、店名が『山』という蕎麦屋さん。手作りの石臼が有名で、記事から転用してしまえば、【目を彫っては製粉し、そばを打つという工程を何度となく繰り返し完成した】という自慢の石臼らしい。ですが、その石臼を利用して打った蕎麦(玄そば)は、数量限定で、お昼前にはなくなってしまうとのこと。その数量限定以外は、普通の石臼で打っているのである。おいらの蕎麦の基本書には、その玄そばをフューチャーしてあるのだが、もうこの際、それが食べたいとは言っていられないので“もりそば”をいただくこととする。美味かろうが所詮は限定なのだから、デフォルトは何時でも食べられる“もりそば”のほうと考える。




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注文後しばらくすると、つやつやした綺麗な灰色の蕎麦が到着。うーん、美味そう。早速一口。汁につけずに数本すすってみる。ずぅ。ん? ずずぅ。んん? ・・・ ちょろちょろ、ぴちょぴちょ、ずずぅうぃ、もぐもぐ。うーん。ごく。 ・・・ どぷつ。ずずうっずぅっずうzlz、もぐしもぐし、もぐしもぐし。




ここの蕎麦は香りがまったくしない。つゆにつけてもぐもぐと食べる蕎麦である。非常にがっかりしたと言わざるを得ない。わざわざ出向いてまで食べる蕎麦じゃなかった。限定品だけが香るのだろうか。しかし同じ職人が作っている蕎麦だ。それほど違うとは思えない。なんだかなあ(by 阿藤快)。さて、ここで筆者は本店の蕎麦評を終えるが、これは始まりに過ぎなかった。この数時間後においらは蕎麦について大きく学ぶこととなる。次回、足利蕎麦問答を読んでいただきたいと、本店の名誉のためにここに記しておく。




【足利】 山/もりそば ☆☆/そば湯 ☆☆☆




【素材情報】 

そば粉:8.59割使用(粉の状態によって)

つ ゆ:本がえし/本ガツオ、宗田カヅオ、サバ

薬 味:葱、本わさび、辛味大根





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『そば処 明治庵』(足利)- 蕎麦漫遊記17。




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そば湯を完飲してしまったのがいけなかった。一店舗目にしてお腹一杯である。しかし無情にも二軒目は『山』から車で5分も離れていない場所にある『そば処 明治庵』なのでした。本店は、足利の蕎麦屋といったらここというほどの人気店らしく、芸能人との写真やサインが壁中に飾られていました。しかも、そのレベルが高い(松たか子家族とか、特命係長とか)。がしかし、おいらが基本の“せいろ”を注文して待っていると、お店の方の知り合いが来店してきて、店員さんとこんな会話をしていった。




客「今日も遠くから来ているね。店前の車は“埼玉”と“宇都宮(おいらの)”だったよ」

店「遠くからは来てくれるんだけども、御近所さんがあまり来てくれなくて」




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謎はとけた! そんな風に探偵ごっこして時間を潰していたらば、お通しの“漬け物”が到着。蕎麦屋さんでの食事は健康的な反面、深刻な野菜不足という問題も秘めているので、漬け物がついてくるのは嬉しい。注文の“せいろ”も到着。まさに蕎麦といった感じの殻が少し散っている灰色の蕎麦が到着。うーん、謎がとけているだけに心配だ。恐る恐る蕎麦を数本つまみ上げて、汁につけずに口に吸い込む。ずぅず。ん? ずずぅ。うーーーーーーーーーーん。 ・・・ ちょろちょろ、ぴちょぴちょ、ずずぅうぃ、もぐもぐ。なるほどなあ。ごく ・・・ どぷつ。ずずうっずぅっずうzlz、もぐしもぐし、もぐしもぐし。




ここは少し蕎麦の香りがした。がしかし、楽しめるほど香っているわけではない。均等に切りそろえて堅めに茹でられた蕎麦は、歯ごたえ抜群。ここも先と変わらないつゆにひたしてほおばり、もぐもぐといただく蕎麦なのだった。おいらはここで始めてある点に気が付いた。それは蕎麦という料理についてのある考えだ。いまのままでは、おいらが間違っている気がするのである。しかし、それは漠然としていて、いまここですぐに何かをどうこうすることはできなかった。ので、ここでも一応言っておく。わざわざ出向いてまで食べる蕎麦じゃなかったと。御近所さんが来ないのも納得である。ここもここで蕎麦評を終えるが、次回、足利蕎麦問答を読んでいただきたいと、本店の名誉のためにここに記しておく。




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余談だが、本店には“からあげ”という常連なら知っている人気メニューがあるそうだ。三軒梯子の身としては遠慮したいが、「美味いもん あれば食べるよ 美味いもん」の精神で、食べるほかない。到着。うーん、でかい。どれどれ、おお、これは美味いぞ。外はカラっと揚がっていて、中は柔らかくとてもジューシー。800円もする一品だが、値段相応の味はしっかりとした。ただ蕎麦屋で食べる必要があるのかは疑問だが。




【足利】 そば処 明治庵/せいろ ☆☆☆/そば湯 ☆☆☆★/鳥の唐揚げ ☆☆☆★




【素材情報】 

そば粉:北海道産を6.5から7割使用

つ ゆ:本がえし

薬 味:葱、わさび