amazon kindle sotreでなぜか目に留まり、kindle unlimited対象だったので読んでしまいました。
あの(色々と)有名な梶原一騎原作です。石井いさみ先生がまだハードボイルドな絵柄の頃の作品ですね。かの有名な『750ライダー』も最初の頃はこんな感じでしたが(笑)。このふたりのタッグ作品は他にもいくつかあるようですが、ワタクシは今回が初めての体験でした。すごく相性がいいと思いました(真剣)。個人的に梶原一騎の最高傑作と思っている(あくまでも個人の感想です。石を投げないでください!)『愛と誠』の作画担当はながやす巧先生でそれはそれは素晴らしい作品となっているのですが、ifの世界の話として作画・石井いさみでも成立したのではないか、と思うくらいでした。
何故こんなふうに思ったかというと、本編の主人公である吉良旭(きら あきら)から太賀誠(『愛と誠』)のプロトタイプのような印象を受けたからです。作品の内容自体は大雑把にいうと『あしたのジョー』のプロレス版のような感じ(あくまでも乱暴にくくると、です。梶原作品なのでタイトルからもどんな感じかは大体想像つくとは思いますし、物語のたたみ方も、まあ、そんな感じでした・笑)なのですが、各主人公を矢吹ジョー->吉良旭->太賀誠※と並べてみるとあら不思議、見事に人格ベースが同じように思えてきます。いままで矢吹ジョーと太賀誠が似ているとか思ったことなかったのですが、ボクシング始める前の「ケンカ屋」の頃のメンタリティーや行動様式は太賀誠のそれに近い気がしてきました。
なんだかんだで一気に読了したので梶原作品が嫌いでなければ試してみてもいいかもしれません(震)。ただ書かれた時代が時代なので現代では不適切とされる表現がそのまま使用されていました(個人的には好感度高。「その時代はそうだった」ということを遡って否定することは好ましく思っていないので)。
※参考
『巨人の星』1966年
『あしたのジョー』1968年(高森朝雄名義)
『ケンカの聖書』1971年
『愛と誠』1973年
で、作中で気にかかった箇所をいくつか。
なんという自虐(笑)。お父上を星一徹(『巨人の星』)と重ねてますよね。
そして…。
まるでジョセフ・ジョースター(『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』のようです※※(笑)。
※※以下、ジョジョ第3部でのジョセフのセリフ
若いころから作戦上にげることはあっても戦いそのものを途中で放棄したことは決してない
まあ、偶然でしょうが、荒木先生がこの作品を読んでいてもおかしくはないですね。
(kindle fire capture)