【書評】クレーム対応の「超」基本エッセンス | クレーム対応で幸せになる!しあわせクレーム.com@奥村渉

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わたしが発行人として書いているメルマガ 幸せを呼ぶ!クレーム対応術 の本文を編集してお伝えします。

こんにちは、奥村渉です。

 


いつもお読みくださり、ありがとうございます!

 


4月から息子が保育園に入り、

 

また、同居している82歳の母が怪我をしたり病気をしたりと、

 

この春は、何かとあわただしく、更新ができずにいました。

 


さて、そろそろブログを更新しなければ、

 

と思った矢先に、熊本の震災です。

 


わたしに何ができるのか、色々と考えましたが、

 

クレーム対応で困っている人の役に立つことが、

 

微力ながら、社会に貢献できることだと思いました。

 


直接被災されたり、ご家族、ご親戚、

 

ご友人が被災された方。

 

 

一日も早い復興と、通常に近い生活を取り戻せるよう、

 

心よりお見舞いを申し上げます。

 

 

それでは、今回もお客さま対応、クレーム対応をおこなううえで、

 

どの本が参考にできるのか、書評をお伝えします。

 

 

第十一回目でご紹介する本は、

 

クレーム対応の「超」基本エッセンス 
エキスパートが実践する鉄壁の5ヶ条
(ミドルクライシス(R)マネジメントVol.2) 
Basic Essence of Complaint Handling 
(ミドルクライシスマネジメント)

 

です。タイトル長い(笑)

 


この本は、2013年11月に発行されていますので、

 

まだ3年経っていない、比較的新しい本ですね。

 


著者は会社名で、株式会社 エス・ピー・ネットワーク。

 


企業危機管理のトータルサポートをおこなっている、

 

実在する会社です。

 

リンク:株式会社 エス・ピー・ネットワーク

 


わたしは知りませんでしたが、会社設立は平成元年なので、

 

創業から30年近い会社ですね。

 


10年以上存続できる会社は、たったの6.3%、

 

30年続く会社は、1万社に2.5社しかないので、

 

相当しっかりした会社なのでしょう。

 


企業理念を抜粋してみます。

 

私たちは、常に自己を研鑽し、
実践的危機管理を通じて社会・企業の安心・安全を企及いたします。

 


この本は、この会社が提唱する、

 

ミドルクライシス(R)マネジメントVol.2ということなので、

 

別の本の続編のようですね。

 

 

調べてみたところ、

 

この本が見つかりました。

 

 

この本の著者は、同社代表取締役社長の渡部洋介さん。

 

 

略歴を抜粋すると、

 

大学を卒業後警視庁へ入庁。主に事件捜査に従事。
1996年(平成8年)日本初の企業危機管理専門企業である
株式会社エス・ピー・ネットワークを設立、代表取締役に就任。


なるほど、この方の主導で書かれた本であるなら、

 

警察出身者が、実際にクレーム対応をおこない、

危機管理という観点で、ノウハウを公開してくれている人

 

なのではないかという期待があります。

 

 

では、本の中身です。

 

 

持った感じでは、ボリューム的に厚く感じますが、

 

軽い紙を使っているので、総ページは207ページと、

 

それほど多くなく、むしろ普通の分量です。

 


構成は、P28、29に記載されている、

 

危機管理的顧客対応指針5ヶ条についての説明が第一部、

 

後半の約50ページが、第二部の事例集です。

 


この本のキモである、

 

危機管理的顧客対応指針5ヶ条の、

 

条文と見出しを抜粋します。

 


第1条
初期対応は慎重かつ冷静に対処せよ。

第2条
「クレーム」と「不当要求」は似て非なるもの。
対応時は考え方を切り替えよ。

第3条
初期対応では3つの基本を徹底せよ。

第4条
お客様の「話」は4つの要素の使い分けを意識せよ。

第5条
お客様の要求に応じるか否かは、5つの基準で判断せよ。

 

 

おお、すばらしい!!!

まさにそのとおりです。

 


まぁ、わたしなら、第2条は第5条の前に持ってきて、

 

初期対応→傾聴→(不当)要求の判断と検討

 

という流れにしますが、書かれている内容は良いですね。

 


第3条の初期対応における3つの基本は、

 

その1:話を聞くに徹する

その2:事実関係の確認・明確化

その3:対応じの内容の記録・共有

 

とまとめられており、この5ヶ条の紹介のあとすぐ、

 

P36~30ページ渡って、初期対応の重要性が、

 

語られます。

 

 

第4条の「話」の要素については、

 

1.事実
2.不満
3.意見
4.要求

 

と、4つに分類され、それぞれの要素について解説されます。

 


P76には、

 

「解決案を提示することが本筋なのではなく、
お客様のお気持ちに応えていくことが本筋なのです。
無理に解決案を提示するよりも、お客様の内面的な部分について
きちんと受け止めていくことを徹底してください。」

 

といった、クレーム対応の本質がきちんと書かれていました。

 


第5条の要求の内容を見極めるための5つの基準は、

 

1.責任の有無
2.損害(不利益)との因果関係
3.要求行為の正当性
4.要求内容の対価性
5.要求内容と原因の関連性

 

だそうです。

 


わたしも、言い方は違いますが、メルマガの第56号で解説しています。

 

参考:幸せを呼ぶ!クレーム対応術:第56号

 


その上で、「クレーム」と「不当要求」にわけ、

 

不当要求に対しては、意見と要求をはっきり区別し、

 

相手の要求に応じない態度を、貫くことを提示しています。

 

 

わたしは、この内容が記載されている、P85~と、

 

代表的な不当要求の対応例の、P111ページまでだけでも、

 

この本を読む価値があると思いました。

 

 

これだけはっきりと、クレームに対して、

 

「要求」と「意見」をわけて「思考するプロセス」まで解説した本は、

 

初めて読みましたし、内容も非常に参考になります。

 

 

ただ、よくない点もそれなりにあります。

 


まず、どうしても第2条の座り場所がわるく、

 

危機管理的顧客対応指針5ヶ条の構成上、

 

話が行ったり来たりして、冗長です。

 

 

しかも、もう少し掘り下げてほしいところが、

 

かなりあっさりと終わってしまったりします。

 

 

例えば、第4条の「話」の要素にいたっては、

 

1.事実 2.不満 3.意見 4.要求があるのに、

 

なんと、全部で5ページしか割かれていません。

 

 

他にも、P119ページでは、メラビアンの法則の嘘を引用していたり、

 

ミドルクライシス(R)については、売りのはずなのに、

 

どこを読んでも説明がありません。

 


相性もあるかと思いますが、構成だけでなく、

 

文章に癖があったり、難しいことばが使われているのも、

 

マイナス要素のひとつです。

 


例えば、第4章はP129~152まで、

 

顧客対応リスクの変化を踏まえた戦略的視点と

危機管理的顧客対応指針5ヶ条の内部統制的意義

 

これを解説していますが、わたしには難しすぎて、

 

いくら読んでもよく分かりませんでした(笑)。

 


クレーム対応の「超」基本エッセンス エキスパートが実践する鉄壁の5ヶ条

 


クレーム対応初心者や、お客さま対応の基本書とするには、

 

重要なことが書かれていないことも多く、

 

また、かなり内容が難しいため、おススメできません。

 


反面、クレームを、危機管理ととらえ、

 

企業・組織としてどう扱っていくかといった内容は、

 

他の書籍では書かれていないので、大きな付加価値だと思います。

 

 

もし、クレームの扱いに悩んでいる経営者視点の人や、

 

二次対応を強いられている管理者にとっては、

 

必読と言ってよい本かもしれませんね。

 

 

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本文では、

 


この本の紹介を、

また、編集後記では、
 

持っていると安心な防災関連グッズ

 
について、調べてお伝えしました。
 
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