以前も1度ご紹介していますが、改めて。

 南信州の実家から帰京するとき、おそらく一番お邪魔していると思われる温泉です。初めて訪れたのはいつのことだったでしょう…。たぶん南信州に関わりができる前のことだったと思います。

 中央道を韮崎インターで降りて、韮崎市街、国道20号線方面に向かいます。国道に出てすぐ釜無川を渡り、坂を上り、信号を左に曲がり、ず~~っと行っていると看板がありますので左に曲がります。…これといった目印に乏しい道なので、これくらいしか説明ができません(笑)。

 韮崎旭温泉は一軒湯。ここがホントにすごい温泉なの?! という作りの温泉です。新しいけど素っ気ない。隣にある老人ホームの経営者がホームのために掘ったらたくさんお湯が出たので作った、ということです。まわりに温泉や、それを連想させるようなものはありません。しかし、ここのお湯は大変素晴らしく、何度も足繁く通うのです。お湯はいいけど万人受けはしないかも知れません。なにせ、湯船は1つ、富士山丸見えの最高のロケーションにもかかわらず露天風呂なし。しかしそんなことはどうでもいいわたし、いや、もちろんみえたり露天入れたりすればもっといいかもしれないけど、もっともっと混み合ってしまう。いまくらいがちょうどよいのです。

 お湯は炭酸泉で、身体に泡がまとわりつきます。湯口が一番いいのはいうまでもないんですが、湯口から離れたところでも心地よい。さらに加温も加水もないお湯がザバザバ流れますので、これまた心地よい。一般的にいえばぬるめのお湯でしょうが、炭酸泉であることを考えたら結構な高温です。あるじは大分の長湯温泉に行ったことがあるらしいんだけど、そこにも負けず劣らずとのこと。あったかいアワアワに包まれます。あるじのあるじによると、女湯は湯口の一等席をばあさまが占拠することが多いとのことですが、男湯はそこまで独占的ではありません。男も女もぜひ長湯をし、たとえ少しの時間だけでも湯口の一等席を満喫されるとよいでしょう。

 ちなみに立派なお湯の使い方をしている正しい温泉ですから、飲むこともできます。湯口にはコップ常備。しかし、それだけではありません。入口近くの「かけ湯コーナー」は「飲用できます」の文字とともに源泉が蛇口からジャージャー出ており、ペットボトルに入れて持ち帰る人が多数。かくいうわたしも持ち帰ることしばし。体調にもよると思いますが、お腹に効きます。ドカンと来たらラッキー!(笑)
 さらにすごいのが、持ち込み自由の畳敷き無料休憩室つきであること。休日の昼間などはそこでくつろいでいる方が多いのでしょうか…。たいてい日が暮れてから伺うことが多いので、あまりそこでは長居したことがないのですが。

 これからも幾久しくお世話になる、すてきな温泉です。


韮崎旭温泉
韮崎市旭町上条中割391
おとな600えん
夜は20時まで
国道20号線武田橋を渡って神山町左折、鍛冶屋左折(がわかりやすいかな)
$takuma in New York-あさひ温泉

 数年前のこと、「この湯はいいですねえ。このへんだとかぐらの湯かここか」と小学生のちびっ子温泉マニアがのたまったのは、「ほっ湯アップル」という飯田市内の温泉施設。そこは露天にだけ「掛け流し」と称したお湯が注がれていて、そのお湯を称して「南信ではかぐらの湯かここ」とちびっ子に言わしめたわけです。
 そのかぐらの湯は「遠山郷」とよばれる、飯田市内から車で約1時間(これでもアクセスがかなり改善されたそう)の秘境(?)にあります。昔は南信濃村と言っていましたが、合併で飯田市に編入されました。

 以前立ち寄ったことがあるのですが、そのときは同行者(あるじのあるじと姪)が「硫黄がくさくていやだ」というもので、入らずにこれだけ眺めて帰りました。しかし、今回念願叶ってかぐらの湯にニューヨークすることができました。
 全壊眺めただけの飲泉場は、硫黄臭が結構するのです。でもここは「ナトリウム・カルシウム塩化物温泉」です。この遠山郷の北には、信州の山の中なのに塩が出る、大鹿村もあり、地盤的には塩気のあるところなんでしょうね。いわゆる中央構造線の真上にあります。しょっぱくて硫黄のかおりがほのかに…これは期待できると思わずにはいられません。
$takuma in New York-飲泉場
 おそらく道の駅併設ですからお金がどこかから出ているでしょう、立派な建物です。
 中に入ると、そこは普通の「公共の立ち寄り湯」とほとんど変わらないもの。硫黄臭もしません。おかしいな。なんでや。むしろいや~なにおいが…。
 公共立ち寄り湯のなかでひときわ目を引くのは、これまた飲泉場です。さっそくいただきます。もちろん入口の前にある飲泉と同じです。うまい。
 しかし…どこのお湯を探しても、それと同じものが注がれている場所がないのです。湯温の関係か、保健所の指導か、真相は不明ですが、とにかくもったいない。かぐらの湯を訪れるみなさんが正しい温泉を所望しているマニアックな客ではないはずですが、少しでも飲泉と同じものにつかれたら…そう思う人はきっと多いと思います。そんなお湯ですが、目に入るとしっかり痛い。塩湯の成分までは飛んでいないのが救いです…。
 露天はとても気持ちよく、遠山の里から眺める山、そして空はすてきなものでした。とにかくもったいない!
$takuma in New York-かぐらの湯



かぐらの湯
飯田市南信濃和田
おとな600えん
国道152号線沿い
直線距離は浜松からも近いのだが…要注意
信南交通バスかぐらの湯下車(バスで行くのは非現実的)

 ここ数年、年に何度か札幌へ出張で行くことがあります。幸か不幸か(笑)アポイントが土曜だったり夜だったりで、泊まらせてもらえることもあり…。
 土曜の夜の仕事を終え、翌朝、ホテルから歩いて札幌駅へと向かいます。足下に気をつけながら、ガラガラと荷物を引っ張ります。雪祭りまであと僅かの札幌です。よい天気ですが空気がピンと張っています。駅の隣にあるバスターミナルから、一路南へ。

 10時半発の「高速むろらん号」は、10名ちょっとのお客を乗せて市街地を抜けて、高速道路へと向かいます。外の寒さがウソのようなポカポカな車内です。千歳を過ぎ、1時間半ほどで高速を降ります。「登別」というバス停で下車。高速バスは登別駅には入らないので、雪道を歩いて駅前まで向かいます。
 数名のお客を乗せてバスは登別駅から温泉に向けて走ります。山道になったと思った瞬間、窓の外の雪の降り方が激しくなってきました。ちょっとした吹雪です。吹雪のため山を下るバスが運休、なんていうのは困る…う~む、と思っているうちに登別温泉のバスセンターに到着。目指す「さぎり湯」まではすぐです。しかし外は猛吹雪。朝の札幌は快晴だったのに…。
 セイコーマートで昼食や飲み物を買い、さぎり湯へ向かいます。寒い寒い。入りたい。ガラガラ…。荷物が多いと動きが軽快ではありませんね。吹雪の日曜日、登別温泉街。人はほとんどみえません。

takuma in New York-さぎり湯

 さぎり湯はビルの1階から入っていきます。入口には温泉が出てきているところがあり、湯煙が…。待ちきれません。
 一日券(800円)を買い、荷物を有料休憩室に置いて湯殿へ向かいます。一日券があれば有料休憩室に持ち込みフリー、お風呂も何度も入れます。帰りのことを考えると2時間以上余裕があったため、ゆっくりさせてもらうことに。
 お風呂は地下にあります。降りていくと、脱衣所は賑わっています。ワクワクです。北海道には仕事・遊びを含め何度も来ているけど、実は登別温泉は初めて。クマ牧場に用はないし、たびはひとり旅だからご縁のない地でした。このさぎり湯を知るまでは…。
 中は広く、お湯は2種類ありました。向かって左が硫黄泉、右は白濁の明礬泉で目の湯というようです。ざばざばお湯が溢れる、というほどではないですが、ずっと新鮮なお湯が注がれています。

takuma in New York-こんなお湯です

 しまったっ。うかつだったのはここには最近よく備え付けられているシャンプー・石けんの類がまったくないこと。持ってきていませんでした。ここは「銭湯」ということ、ないのは当たり前です。しかしそこは登別の正しい温泉、さんざんかけ湯をすることで十分でありましょう。朝、ホテルでシャワーしているし。
 かけ湯は重要です。身体にダメージを与えないようにするのもですが、さぎり湯のような硫黄泉の正しい温泉ですと、それだけで十分殺菌効果がある(はず)。と言い訳。
 あっちに入りこっちに入り、汗を出す。外は寒いが湯は熱い。そして一旦服を着て上がり、休憩室で食べ飲み、ごろ寝をし、またお風呂へ。これを何度か繰り返しました。さすがに最後の方はヘロヘロになりましたが…。
takuma in New York-クマとたくま

 もっと時間があったらよかったのかな…と思いつつ、飛行機の時間もありますから辞することにします。有料休憩室はそれほど混み合っておらず、ゆっくり横になることもできます。1日湯治もよいでしょう。身体からえもいわれぬ匂い(笑)を発しながら吹雪の登別温泉をあとにしましたが、登別駅に着いたら雪は小降りに…。赤い電車のボックス席に揺られながら新千歳空港へ今度こそ向かいます。



夢元さぎり湯
登別市温泉町60
おとな390えん
きゅうけい+1にちけん800えん
道南バス登別温泉バスターミナルすぐ