5月から7月にかけて、日本の暑さや気候になかなか慣れず、体調を崩しがちな留学生が増えてきました。
なかなか、油断できない季節ですね。
さて、学生が校内で具合が悪くなった際、急な受診への同行は、通訳兼事務スタッフや、教師が対応します。
その際に思い知るのは、
「留学生は、病状などを伝える会話がほとんどできないし、教科書でも、あまり扱っていない。」
ということです。
留学生活をしていく上で、日本語学校で扱っている日本語は、あまりにも試験対策中心で、実用的な会話を伸ばす語学とは、かけ離れた学習になってしまっていると感じます。
数年前まで在籍されていた校長は、留学生の生活の安全性を確保するために、新入生たちのオリエンテーションで、警視庁から職員を派遣しての、東京で暮らす際の注意点などを、災害時、盗難時、一時的な自転車駐輪の仕方や自転車の違反行為、繁華街で危ない経験をしないため・・などなどについて通訳付きで対処方法を説明する機会を設けてくれていました。
こういうオリエンテーションは、留学生を扱う学校や、外国人労働者を扱う企業では、毎回取り入れるべきだと思うし、授業でも、実生活に即して
「困ったときの要求を伝える表現」
などをもっと会話できるように、教えていかなければならないんじゃないか~と感じます。
学校側にしてみると、教科書と検定試験対策だけで、いっぱいいっぱい
でも、学校から一歩外へ出た社会では、
半年間、日本へ留学して日本語学校に行ってるのに、役所の窓口で、病院で、電話で、ほとんど会話が成り立たない~
先生に代わってください、他に日本語が分かる人は?
こんな実態があります。
現状からすぐに、実用的会話中心の日本語学校に変えていく~なんて無理だけれど、検定対策の慣用句や、あまり日本人でも使わないような表現を学習させる部分を、日常用語、生活用語の習得に充てていく必要があるなあと感じます。