山下清さんの生誕100年大回想展に行ってきました。


10日で終了、最終週となり、とても混んでいて、入場制限中でもあり、事前チケットがあっても45分外で並んで待つ事態でした。


明日からは更に混雑が予想されています。


でも見応えあり✨🌈で、多彩な作品190点が新宿SOMPOビルに揃い、清さんの世界が広がって楽しいひとときでした✨



 


入口前↓



貼絵部門は、昆虫、蝶々、植物、風景など日常的なモチーフのものが多く、超絶技巧のように緻密で繊細な中に、優しく素朴な色合いの作品で和やかな気持ちになれました。

なんと、古切手をちぎって貼絵の材料にしていたものもあるそうで、昭和10年代~30年代頃の作品は、日本の戦時中の事を知る上でも、興味深い作品が揃っていました。

画材、具材が不足していた中で、清は手先の器用さと驚異的な集中力とで、才能を開花させたのが分かりました。

撮影可エリアから。清の自画像(壁に展示会用に写したもの)↓
↑清は、ゴッホの自画像を見て、自分の自画像にも鼻周辺に赤のラインを引きたくなったのだと。

↓パンフレットから。

 

↑写真左の花【ぼけ】は、構図や色合いに清が影響を受けたゴッホの特徴を捉えていました。

ほかにも、
展示作品84ラ・ムスメ(娘)ゴッホによる~など、清の色彩感覚が、ゴッホに通じているなあ~と分かるものがありました。

清は【放浪の画家】と呼ばれたそうですが、放浪に駆り立てたものは、戦争(徴兵への恐怖)だったと知り、切なくなりました。

戦後はヨーロッパへも旅し、水彩画、ペン画(点描画)、陶磁器への絵付、油彩、版画と、多才な創作活動が、会場では3章~5章として展示されていました。


 

↑気に入って買ったポストカードから。
上【スイス風景】、下【ベニスのサンマルコ寺院】。寺院のモザイク部分やタイル部分が、特にとても緻密です。


私がよく行く上野界隈の美術館と違って、今回の展示会では、鑑賞している人たちの声が不思議とよく耳に入ってきました。(単に、混んでたからかも・・)

一人で行ったのに、大勢で行ったような奇妙な感覚に・・。庶民的な人柄を思わせる清作品のせいか、集まる人もどこかアットホームな感じが・・。

印象に残った声は、以下の声でした。

「カメラのような眼を清は持っていたんだね。この細かさは、すごいよ。」

「亡くなる49歳まで、これほど多くの事をしたのなら、あっという間だったでしょうね。」

↓今回のパンフレット表紙【長岡の花火】

清の中では、白黒での日本の風景作品も好きなのですが、ポストカード売場では、白黒作品は少なかったです。

仙台七夕。すごくかわいくて、気に入ってしまった。昭和31年の作品です。

 

↓今色々、話題になり、将来的な存続や景観が気になる(危ぶまれてもいる)神宮外苑も描かれていました。昭和25年の作品です。