とても「書く」作業が好きな留学生がいます。


意見交換なども、この学生がクラスにいると、活性化されたりもします。


日本在住の留学生が受ける留学生試験(EJU)の記述問題では、日本語で400字以上書く事が求められ、なかなか難しいのですが、その学生はいつも記入用紙が足りなくなるくらい、多く書いています。


まるで、溜まっていた思いが噴出するかのような勢いで、書いているときも。


文法的には、修正が必要な部分が多少ありますが、「書こう、伝えよう」と頑張る意欲的な姿勢がいいです✨


話す事も、比較的得意な学生なので、以前授業で、

「どんなきっかけで、文系に進学しようと決めたのですか。」と質問したら、


「理系は苦手だったけれど、詩や文章を書くのが好きで、本を読んだ感想を詩にしたら、当時の先生が

【いい詩だね。詩や文学に向いているよ】と言ってくれたから。


ほかは苦手ですが、文にならできるから。」


と少し照れながら答えてくれました。


教師は、学生にやる気や進学方向を決めるための、きっかけや励ましを与えられるということを改めて感じました。


この留学生は、今でもその時の先生からの「褒められた言葉」を支えに、作文や記述文に熱心に取り組んでいるようです。


学校行事の一つ「入学式」で、昨年4月、この学生には【新入生代表スピーチ】を担ってもらいました。


書くことの方が好きな学生なので、文章が長くなってしまい、気持ちや伝えたい事をなるべく削って簡潔にし、代表スピーチ練習に取り組んでくれました。


このような経験も、いずれ何かの役に立ってくれたらと願っています。


留学生たちが日本語学校で過ごせる期間は、通常は最大で2年と限られています。


その間に語学を通して「好きな事」、「楽しいと思える事」を見つけ出し、伸ばせられるように関われたら。



そのためには、普段の学生とのちょっとしたコミュニケーションを続けて、相手の得意部分を見つけ出してみる事が大切かなとも感じています。


↓夏に開かれたあるコンクール会場の花です。