
『としこがママみたい、って言うのよ』
って、としちゃんのママが話していたから、
この都忘れをみると、いつも、としちゃんのママのことを思い出すのよ。
と、実家のお隣りに住むおばさまが、しんみりと話してくださいました。
ふと口にした私の言葉を母はしっかり覚えていてくれたのでした。
なのに、私としたことが...
まず、『都忘れ』がどのお花のことだったか覚えていなかった...

他のお花や植木の間にひっそりと咲く、このお花を発見したものの、
いつ、そんな『発言』をしたかも覚えていない。
なんて、いい加減な私。

よ~く考えてみれば、この『都忘れ』は大きくもなく、派手でもなく、出しゃばることもない。
でも、鮮やかな紫色と黄色を放つ、まぎれもなく美しく、お上品なお花です。
そういうところがママのようだ!

と思って、さりげなく母に話したのかもしれません。
私はどの花だったかも覚えておらず、自分で言った言葉すら覚えていなかったのに、
母は私のなにげない言葉をしっかりと覚えていてくれた。
そう思ったら、嬉しいやら、申し訳ないやら、寂しくなるやら...
母がなくなって、もうすぐ5年になると言うのに、ポロッと涙が出てしまいました。
もう『都忘れ』のことは忘れません。