音の描写⑦ | トーキングドッグ

音の描写⑦


「凄い音」というのがどんなのか、知りたいんよ。僕はこれまであまりサックスを意識して聴いてこなかったので、想像がつかない。何しろ聴いたほとんど全ての人が衝撃を受け、心を撃ち抜かれるような音である。生半可なものではあるまい。

さらには。この漫画は音楽がテーマだがスポーツ漫画的でもあり、ともすればバトル漫画的でもある。物語が進むにつれ、主人公の音がどんどん「凄く」なっていく。

そんなわけで、自分の中で漠然とした想像だけが膨らみ、この漫画を読み始めてから実際のレジェンドたちによるJAZZの名盤も意識して聴くようになったが、
物足りないのである笑。こんなもんじゃねぇだろと笑。自分の中では大(主人公)はすでに歴史上最高のサックスプレーヤー。

そして。この漫画はアニメ映画にもなっているのだが、当初から自分は観ない方がいいだろうと思っていて。しかしYouTubeに予告映像があるのを見つけてしまい、10秒ほど再生してすぐ止める。音がきれいすぎるのである笑。もっと荒々しく、「凄まじい」ものであるはずだと。 これでは心撃ち抜かれないわ。いや映画をディスりたいのではなく、オレが悪いだけなのだが。

読者の中には「音が聴こえてくる」人もいるらしく、うらやましいが自分には聴こえず、「凄い」音を想って悶々とするしかなく。



そんな中、二週間前の青葉市子@銀座ヤマハホール。「凄さ」の内容は対極だろうが、「ライブで聴く凄い音」ではあって、心撃ち抜かれて、フラストレーションは消え去った。ありがとう市子様笑。



音を求める旅はつづく。撃ち抜かれたい…。