冬晴れ、冬至は過ぎて。 | トーキングドッグ

冬晴れ、冬至は過ぎて。

最近は冬晴れで、富士山くっきり、神々しい。


昨日は予期せぬ心持ちで帰宅し、こんな気分じゃ眠れないと思いつつ、寝不足には勝てず結構寝られた。しかしまた衝撃的な(笑)内的体験であった。


中川理沙@吉祥寺キチム。

MCシラフ、古川麦、関口将史のサポート、ではなくこの四人でバンドを組むという。意外な展開。シラフさんどこまでもバンドをやりたいんだなぁとか、中川さんのレコ発なんだから食い気味じゃね?笑とか思っていたが、バンドのためにそれぞれが作ったという曲たちを聴いているうちに、いや自分の時間が止まっていたんだなと。思えばシラフさんの演奏を生で聴くのはいつ以来か。だいぶ経っているはずだが、ちょっと前に聴いた気分でいた。

みんな本物の「アーティスト」で、それは生きること=音楽な人で、特にあの二人のことはそうだとわかっていた、つもりでわかっていなかったのかもしれないが、「向こう側の」人たちだと思っていたのに、同時に同じ人間なんだとも思えた。新しい曲たちを聴いてワクワクしながら、オレはそれをただ受け取るだけでいいのかという思いが。信じられないことに、だんだん居心地がよくなくなっていった。



去年半ばから、以前より時間の余裕がなくなったのと、やはり坂本龍一の死去が大きく。明らかに早すぎたし、坂本さんの時間と自分の時間の価値が違い過ぎて、せめて無為に過ごすのはやめたいと思い、意識が変わる。

才能があることと、それを現実に形にする努力は全くの別物である。凡夫であっても自分なりに、何かを形にしようとしなければならない。

生演奏を聴くのは無上の喜びであり、無条件で最優先とするのに何の躊躇もなかったが、これからはそういうものでも諦めて、もっと自分の人生と向き合わなければならない、という長々書いた割には当たり前のことを感じたのであった。自分の生の有限性を切実に受け止められていない。「あと100年生きたい」とかね笑。



そんなわけで、好きな人だけの四人で組むバンドが始動するというのに、どこか他人事で本編終了。いや演奏は楽しめたけど。アンコールの一曲目がザ・なつやすみバンド「世界の車窓から」。ソロアルバムレコ発でやらなくてもと思いつつ。

なつやすみバンドが活動を再開するとは思っていなかったが、心の片隅では続いているものとしてひきずっていて、それでいいと思っていたけど、やはり頭のメモリには限りがあるのだからケリをつけねば、そんな自分に向けて歌われたような。そうとしか。だってあの歌詞笑。無事成仏させられました。たぶん。

アンコール二曲目がうつくしきひかり「木漏れ日のうた」。

この曲は以前好きすぎて、自分の葬式に流したいと思っていたので、もう自分への葬送曲にしか聴こえなかった笑。何度も聴いてきたが、昨日の歌と演奏が一番力強く素晴らしかった。いや覚えていない。ここ何年かで一番ドキドキしていたので。



新しいバンド(名前はまだない)自体は、本当にすごく可能性を感じる。古川さんの南米要素や、関口さんのクラシックの素養?等相まって大人っぽさ、上品さもあり、一聴しただけだが「これメジャーで売れるんじゃね?レーベルの方~!」と思ったくらい。しかし今のところ、自分がライブを聴きに行って「ホーム」と感じられる気がしない。まあ本格的な始動は春からだそうなので。

そういえば古川さんのインストアルバムCDは無事手に入り、これは曇りなく嬉しい。たぶん一生もの。



長々。しかし書かざるを得ず。ただモヤモヤした思い、を言葉に換えるのは難しい。

自分にとって現実世界は常に無理ゲーだが、リセットはきかないし、ソフトを代えるわけにもいかない。こんなに長く生きているのだから、攻略の糸口くらいは。