ここは2人がいつもデートの時に使っているラブホの一室。
そして、今日は美紅ちゃんの誕生日。
先週は美紅ちゃんからいきなり逆プロポーズされてしまったが、私は無言で頷いたのみだった。
なぜなら、そんな大事な告白を女性にさせたままにするのは、どうしても私のポリシーに反するからだ。
そこで私は、昨日の昼休みに顔から火が出る思いで百貨店のアクセサリーコーナーへ行って、今日の美紅ちゃんへのバースデープレゼントを購入した。
「お誕生日おめでとう。美紅ちゃんに似合うと思って、昨日買ってきたんだ。」
『え~!ナニかな?開けてもいい!?』
「もちろん!どうぞ、どうぞ!」
『うわぁ!』
『嬉しいィ! でも、いいの? 高かったでしょう?』
「とりあえず、一年間はそれを身につけておいてネ。
来年の誕生日にはエンゲージリングを贈るから。」
『え?ど、どういうコト!?』
『先週の返事。一年経ったら結婚しよう!』
『あ、ありがとう♡』
言い終わるなり、またもや美紅ちゃんは私に飛びかかってきた。
もう慣れたとはいえ、今日のアタックはかなり強烈だった。
――男の威厳なンて、もうどうでもいいか。
そンなコトよりも、美紅ちゃんと出逢えた奇跡に感謝しよう・・・
――ん? 今日はなンか違うなぁ・・・
いつもの美紅ちゃんは私を押さえつけて上に跨るのに、今日はなぜか仰向けになっている。
そして、私は右側をベッドにつけ、半身を起こした状態で左脚を美紅ちゃんの両脚の間に挟み、美紅ちゃんの右足は私の腰の左に乗せて、お互いの脚を絡ませている。
『こうしながら、ゆっくりお喋りしよっ♡』
――???
しばらくすると、美紅ちゃんのカラダに少しずつ変化が顕れた。
美紅ちゃんのナカは私のモノを締め付けているのだが、やがて一定のリズムで動き出した。
そして、ソレは例えようもない快感だった。
「あ、あのぉ・・・」
『ん?どうしたの?』
「さっきから全然動いてないのに、美紅ちゃんのナカが動いて気持ちいいんだけど・・・」
『あ、アタシもだんだん気持ち良くなってきたワ♡』
「あ、あ、あ、あ・・・・」
・・・・・・・自粛します・・・・・・・・・・・・・・
『どう?よかったでしょ♡』
「う、うん。」
『あ、まだ抜かないでネ。このままお喋りしよッ!』
「は、はぁ・・・」
こンなコトは生まれて初めての経験だった。
そして、行為はすでに終わっているのだが、今も例えようもない幸福感に包まれている。
――動かなくても逝けるモンやなぁ・・・
『・・・でネ、もう行ってないの。』
「え?」
『もぉ!聞いてなかったの?』
「あ、ごめん。ついうっとりしてたモンで・・・」
『だからネ、店長からは返済がちゃンと続いてるから、もうお店に入ってないの。』
「え?というコトは・・・」
『もう風俗のお店は辞めちゃったの。
だから、もうリンくん以外のヒトには裸を見せないの。』
「ほ、ホントに!」
『だって、アタシはもうリンくんダケのモノだもん♡』
「あ、ありがとう!」
さっきまでの幸福感とは違った、今度は新たな感動に包まれて、2人とも喜びの涙を流しながらまた抱き合った。
♪求め合うお互いがNとSになるとき
それは一度きりのチャンス
あなたに会えた 不思議なミラクル
哀しいくらいあなたに引かれ
もう戻れない 燃えつきるまで Sparkling
『来月はリンくんの誕生日ネ!
今度はアタシがサプライズを考えるから、楽しみにしててヨ♡』
この幸せがずっと続けば良い。
このトキは心からそう願ったが、なぜか私は「何か」に怯えていた。
そして、その「何か」は、間もなくやってくるコトになった。
つづく
※一部の表現を変更しましたが、この記事のどこが不適切なのか未だわかりません。
そして、今回もまた削除される可能性があります。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いします。