昨日アップした記事が、「わかりにくい」とのご指摘を受けました。
以下、一部を変更したものを再掲いたします。
『件名:ごめんなさい
何か変な電話があったかな?
発信履歴があるんだけど。』
――な、な、何かやあらへンがナ・・・
謎の電話から4~5時間は経っただろうか・・・
昨夜は夕方から深夜まで呑ンでいたからホントは眠くて仕方ないンだケド、明け方の電話で心臓が凍りついた。
しばらくは動悸が収まらなかったが、それでもかなり酔っていたせいか、気がつけばいつの間にか眠っていたようだった。
今、メールの着信音が鳴ったので慌てて飛び起きたのだが、梨乃さんからの内容はいたってのんびりしている。
私はすぐさま返信メールを送った。
「RE:ごめんなさい
何か、どころじゃありませんヨ!
旦那サンが激怒して、怒鳴り込んできました!」
『RE:RE:ごめんなさい
ヒョエ~!』
――ヒョエ~、や、あるかい!
「無題:
今、電話してもいいですか?」
『RE:無題
いいよ~♡』
――な、なンと呑気な・・・
私はちょっと呆れてしまったが、早く真相を知る必要があるので、スグに梨乃さんへ電話をかけた。
「もしもし!」
『あ、リンくん?
ゴメンねえ~♡』
・・・・・・・・・・・・
梨乃さんが言うには、コトの真相とは、以下の通りだった。
①私が帰った後、梨乃さんは再びバーに戻り、マスターを相手に2時間ほど飲んでいた。
②途中で隣の席にいた女性が、梨乃さんの携帯を間違えて持って帰った。
③気付いたトキはもうかなり時間が経っていたので、仕方なくマスターに連絡を頼んでいた。
④その女性が自宅に帰ると、その女性の旦那が遅い帰宅を怪しんだ。
⑤女性が寝たあと、旦那が携帯を調べると私からのメールがあり、その内容から愛人だと思い込んだ。
⑥逆上した旦那は、通話履歴から私の名を見つけて怒鳴り込んだ。
⑦旦那の大声で目覚めた女性は、旦那の行動に気付いて電話を切らせた。
⑧そこで初めて、電話を間違えて持って帰ったコトに気付いた。
⑨早朝にマスターから女性の(自分の)携帯に連絡があり、梨乃さんの住所を教えてもらった。
⑩そして、お詫びのケーキを持って携帯を返しに来た。
⑪返却された携帯の発信履歴を見ると、私にかけた形跡があったので質問のメールをした。
と言うワケだった。
「ほ、ホントですかぁ?
わ、私、心臓が止まるかと思ったンですよぉ~」
『ホントよホント。
ゴメンねえ~♡怖い思いさせちゃって。
ところで、リンくん。今日は時間ある?』
「は、はぁ。今日は何も予定ありませんケド」
『じゃあ、午後からカラオケ行こ!
今日はお詫びにウチが奢ってあげるからネ♡』
「か、カラオケって、この前のお店ですか?」
『そうヨ!
お風呂とベッドのあるカラオケ屋さん♡』
――え、え、え、えええええ?
昨夜、クルマでしたばっかりなのに・・・
私の名はRIN。
恋の傷のカサブタは、どうにか剥がされずに済んだ34歳。
起き抜けに冷や汗を搾り取られた後に、今度は違うモノを搾り取られそうな、二日酔いの中年サラリーマンだ。
つづく