大きな地図で見る
芦浜海岸 この辺

再処理工場はだめだ!と思って
どうしたら止められるんだろうって考えていた。
海づたいに直ぐだから ほんと必死に考えてた。
知って最初は 食べ物より 海の水のことでイヤだと考えてた。
そして どういう経緯だったか
三重県の芦浜原子力発電所(中部電力)の建設計画は
37年の攻防の末 頓挫(とんざ)したことがあるのを知った。
その時の様子を記録した本が
『原発を止めた町』 その前編に『芦浜原発はいま』がある。
どうしたら こういうの…止められるの?という好奇心(?)でいっぱいで
『原発を止めた町』の方を手に入れた。
これまで飛び飛びにしか読んでない。
何が決定打だったのかというところだけ。
また最初から読み出してみた。
この本は面白くて 計画が白紙になった「今日」からさかのぼって
記録が書かれている。
当時の北川正恭県知事が 建設計画の「白紙撤回表明」をしたことが
計画撤退になる 直接のひきがねになったそう。
そこを読んだだけでも ものすごく 複雑に事が絡んでいることが解る。
表明を出す数ヶ月前
県知事は 住民同志の泥試合を見かねて 現地調査へ赴く。
推進派・反対派 双方の代表数人との面談をする。
検討期間を置き 2000年2月22日
マスコミや現地住民代表を集めて 計画について 県知事としての表明を発表する。
まず 国のエネルギー政策に対して、
原子力は欠くことができないエネルギー源として認識している旨を述べる。
(これがある以上 建前 地方自治体が強く原子力批判をできないという立場もある事を理解しました。
電力会社も同様でしょうか)
地元住民に37年間という長きに渡り、日常生活に影響を及ぼし
対立を生み「地域破壊」があったことへの県の責任を認める旨を述べました。
この計画が 電源立地四原則三条件の「地域住民の同意と協力が得られている状態」
とは言い難く、計画の推進は困難との考えを述べました。
そして「計画は白紙に戻すべき」という表明を明確にしたのだそうです。
県が承認してた事業でもあり それをひっくり返すこの意思表示をするにあたり
推進側への大変な配慮も必要だったようです。
推進派も ほんとにこれが地域・国の為と思い
受け入れを考える人もいたのかもしれない。
それまで ある時期には 行政が「やってください」という申し入れをしていたとしたら
偉い人に弱い いなかの純粋な人は 目の前の大金にも目がくらみ 力を注いでいたのかもしれない。
歴代の知事は知事で 就任してみたら 県民同士がいがみ合ってる事態を見て
途方にくれてたかもしれない。
国が推進している施策というのもあるし…
これに反旗を翻すことのリスクも考えるのでしょうか。
止める為にどうすれば…と読んでいたら
そこに居た「人」の事が気になってくる。
わたしが再処理を止めてほしいと思う気持ちに変わりはないけど
そこにいる「人」の事は 知っておきたいと思う。
やっぱり 再処理工場のことは ひとりでもたくさんの人が
正確な内容で知って じぶんがどう考えるか考えるのがいいと思いました。
自然を痛めつけてまで 手に入れる便利さにも程があることを
普通に知恵として 身に付けてないといけないと思いました。
根本的な解決にすこしでも近づかないと意味がないかもしれない。
芦浜原発のこの「白紙撤回表明」の後には つづく話しもあり
もう読んでるとホントに 想像を絶する闘争で…………
全部読み終わった時に。
■現代書館『原発を止めた町』三重・芦浜原発37年の闘い
北村博司 著