鈍行列車は 各駅を丁寧に停車しながら南下した。各駅に数名の乗降客がかならずいる。

小さな駅には 改札などがないので 下車客はそれぞれの方向に線路をまたいで歩いて行く。

駅名表示には隣の駅までの距離も メートル単位で書いてある。19キロも離れている。

ローカル色濃い駅にも花が植えている。 そして 増線工事がたけなわだ。

車窓は このような景色の連続で あまり家とか人の気配がない。

列車はブアヤイ ジャンクション駅に停車し 対向列車待ち合わせでしばらく 停車した。この分岐点で、東北線の列車はブアヤイからケーンコーイの短絡線を通るので ナコンラチャシマへのルートは今回が初乗り区間となる。今回偶然にも乗車した鈍行列車がこのルートを通るので ラッキーだった。

ブアヤイジャンクション駅  植木と木製の椅子が無機質な駅に柔らかさを感じさせる。

対向列車も随分と年代物だ。わが列車はじりじりと遅れがひろがり、終着のナコンラチャシマには30分の遅れで到着した。

これはナコンラチャシマからバンコク行きの特急バス時刻表。この他にも急行バスが頻発している。

ナコンラチャシマからは 便利で速い 白色塗装の大型ベンツのバスを利用し バンコクに向かった。 列車よりは約1時間程度の短縮となり、水のサービス、毛布などが男性アテンダントがてきぱきと配布する。トイレ付の豪華な車両だ。しかも40分毎に走らせている。所要時間、運転頻度、居住性、すべてに国鉄よりも有利に立っている。(運賃は鉄道の約2倍 630円)

結構空席があったがバンコクまでノンストップで3時間50分 鉄道は急行で約5時間。

鉄道は対岸を走り、バスは高速道を坂道も80~90キロで 飛ばしている。こうした現状をまのあたりにすると、鉄道がバスに流れた乗客を挽回するのは 相当な投資と覚悟が必要だと痛感する。