到着する10分ほど前に車掌がそれぞれのコンパートメントの扉をあけて肉声でハノイに着くと教えてくれた。一年ぶりのハノイ駅は
ホームがかさ上げしてありスムーズに降りることができた。これまでは車両のステップを使わないと下車できなかったので大きな進歩といっていい。さらに出口に向かう跨線橋も完成していたので、乗客はより出口に行きやすくなっていた。これまではそれがなかったので、列車の端まで歩き線路を横断しており、長い行列ができていた。まだ外は暗い。一旦改札を出てハイフォン行きの列車が6:00発なのを確かめて切符を購入した。
偶然ハイフォン方面の接続が良かったので、乗ってみた。一日わずか4往復しかないローカル線。しかし並行するバスは15分毎にあり、市内では手をあげれば止まってくれるので列車を利用する人は少ない。早朝のせいかほとんど乗客はおらず、椅子に座っているのは各車両から集まってくつろぐ乗務員ばかりだ。
すぐ後ろで爆睡している人がいて最初は客かと思ったが、どうやら乗務員だった。自分の担当する車両に乗客がいないので、編成中央の筆者が座った近くのボックス席に乗務員があつまり若い娘はだべっていた。座る姿勢も全くリラックスしていた。社会主義体制だからなのか 乗務員の教育などはないのだろうかとも思う。
我が国の鉄道も国鉄時代は乗せてやっているというおごりの姿勢を少なからず持っていた時代があった。やはり社会環境の違いなのだろう。
ハイフォンの街からハロン湾に向かうルートに高速艇のほかに、バスー船ーバス と途中2回乗り換えて行けるルートもある。これは島と本土の間が広い川のような地形をしているので最も近いところを高速艇で結び本土、島の主要部分まではバスで輸送するという形をとっている。地元利用者も多く利用している。
高速艇にはバイクも乗せることができ、フェリーとしての役割も果たしている。
以前にも登場したこの風景は筆者が定宿にしている部屋からの眺めだ。まだ建築されて10年前後なのだが、あちこちに傷みが目立つようになってきた。バッグを置く木製の台は壊れたのか撤去されていたり、床の木が波をうっていたり、椅子もぎしぎしとゆるんでいる。テレビも10年前のままで、備品も時代おくれになってきた。wifiも10階までは届かないという。一泊35ドルを30ドルに簡単に下げてくれた。なによりも窓からの景色が気に入っている。
すぐ後ろに岩質の山がせまっている。このあたりのホテルは一泊10ドルが相場だ。
長旅の疲れをこの部屋で癒した。