ペコロスの母(岡野みつえさん)のショートアニメ いつも泣いてしまう!               | Takuyaki's Blog

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 ペコロスの母(岡野みつえさん)を題材にしたショートアニメ                微笑ましくもあり切なくもある諸作品は 涙誘う秀作

かつて『ぺコロスの母に会いに行く』というタイトルのショート漫画の本が話題になりました。

認知症の様相を呈するようになった母親(岡野みつえさん)のことが,実の息子(岡野雄一さん…ニックネーム:ペコロス)の視点から描かれているもので,ちょっとおかしな挙動・発言をすることが普通になってきたみつえさんの日常や,みつえさんとペコロス(雄一さん)とのやり取りなどが,とてもユーモラスに描写されています。

でも,単に笑って済ませるだけの作品ではありません。

 

シンプルなタッチの絵やストーリーからは,みつえさんが元々持っている素朴で柔和な人間性や,みつえさんが大変な苦労をしつつ大きな愛情でもって息子達を育てあげたこと,のんべぇだった夫に手を焼きながらも,その人のことを心から慕っていたことなどを十二分に感得することができます。加えて,自分のことを懸命になって育ててくれた母親に対する,ペコロス(作者である雄一さん)さんの敬慕の情や感謝・労りの気持ちも,存分に伝わってきます。

そういった要素が詰め込まれているため,みつえさんご自身の言動,みつえさんとペコロスさんとの間で起こること,みつえさんとその周りの人達との会話には,それを観ている側の者の胸にグッ!とくる何かが包含されています。

微笑ましい描画・筋立ての中に,切なさや哀愁のようなものが,しっかりと織り込まれている…,と申しましょうか。

笑えるし,泣ける作品であります。

私も,これまでに何度となく,泣かせてもらいました。

少ない数の線でもって描かれるみつえさんの顔立ち・表情が,とてもエエ感じです。多くの線でガッツリと描き込まれてはおらず,タッチは非常にシンプルであるのに,伝わってくるものが,とっても多い。

岡野みつえさんが持っている朴訥なお人柄であるとか可愛らしさが,うまい具合に引き出されていて,そのことも,この作品の魅力を高めている一因になっていると,アタクシは感じています。

 

『ぺコロス母に会いに行く』は,長崎県が舞台になっています。

 

当作品においてみつえさんが見せる表情やしぐさ,長崎の方言によるみつえさんの台詞は,ほのぼの感いっぱいの,しみじみとした味わいが滲み出ています。

 

口を「へ」の字にしての困惑顔,口を「ほ」の字にしての驚き顔,目を伏せて思い出等に浸っている時の安らいだ面差し,顔をくちゃくちゃにしての泣き顔,口角を上げてのスマイル顔,眉根を寄せての不服顔…,どれもこれも素敵でかつチャーミングで,ある種の切なさのようなものが内包されています。

 

みつえさんが普段の生活の中で発する「じゃあ ちょっと徘徊してくっか」とか「ゆ~いち~ レンジのうんともすんとも言わんとん 直してくで~」… 等々の言葉も,その何気なさ・狙いのなさゆえ,思わずプッ!となってしまうし,同時に愛おしさのようなものも感じてしまいます。

 

『ペコロスの母に会いに行く』は,多大の人気を集めたため,映画化やTVドラマ化,舞台化もされました。

さらに,何作かのショートアニメも製作されました。

 

僕は,一連のショートアニメのファンです。

どのショートアニメもよく出来ていますが,アタクシ的には,とくに次の作品が秀逸で,「泣ける作品」だと受けとめています。

 

ショートアニメ「ペコロスの母に会いに行くVer 1」第5話 ひとまわり(3分)ショートアニメ 全12話の5話目通常は1話のみ公開していますが、全話観たいとのリクエストにお応えし 2023年3月まで限定公開中!年末年始 お楽しみください♪原作/ 岡野雄一 「ペコロスの母に会いに行く」監督/ 青池良輔  総監督/ 阿久根知昭 アニメ/Fever Creations 音楽・SE/石橋序佳...リンクwww.youtube.com

 

 

 

ショートアニメ 「 ペコロスの母に会いに行く Ver 1」第8話 夜声八丁(3分)ショートアニメ 全12話の8話目通常は1話のみ公開していますが、全話観たいとのリクエストにお応えし 2023年3月まで限定公開中!年末年始 お楽しみください♪原作/ 岡野雄一 「ペコロスの母に会いに行く」監督/ 青池良輔  総監督/ 阿久根知昭 アニメ/Fever Creations 音楽・SE/石橋序佳...リンクwww.youtube.com

 

 

面会に来た息子のことが分からず,ハゲた頭を見てようやく息子を思い出すみつえさん。夫が亡くなったことを忘れて,そこには居ない見えない夫と話を交わすみつえさん。原爆の被害に遭って亡くなってしまった幼い妹の幻を見て,ベッドの上で妹をあやすみつえさん。認知症の症状が進むにつれて,少女時代の無邪気さを見せるみつえさん。多人数の兄弟の長女として,畑の作業でボロボロになった弟や妹たちの服にあて布をするのがみつえさんの日常でした。

そんな過去を持つ母親を優しい眼差しで見守りながら,過ぎ去り日に思いを馳せる長男の雄一さん。「死んだ父ちゃんに逢えるのならば,ボケるっていうのも悪いことばかりじゃないね」と思う雄一さんとみつえさんの日々は,思い出と現実が交錯しながら淡々と過ぎていく…。

僕が,こんなにも『ペコロスの母…』に肩入れをし,ショートアニメを観るたびに,ポロポロと涙をこぼしてしまうのは,いまは亡き自分の実母のことを想起するからだと思っています。岡野みつえさんのイメージと実母のそれとが,モロにダブるのであります。

素朴な心根の持ち主で,僕のことを一所懸命になって育て,心配してくれた母ちゃん…。

『ペコロスの母に会いに行く』のショートアニメ…。

おすすめです!