医の原点とか医師の心得とか 基本がなっちゃいなければ どんな言葉も上滑り 一患者としてムカつくこと!
スポーツでも将棋でも,各種の芸事や技芸,またどんな仕事においても,「基本」というものが存在していて,それなしに上辺・小手先のテクニックに走っても,取り組み対象をモノにすることはできない。そのことは真理だと,アタクシは思っています。
野球の大谷翔平選手も,将棋の藤井聡太さんも,基本の型を我がものにするための超地味な努力を,陰で思いっきり重ねてきたはずです。(「おまえ,見たんか!?」と言われそうですが…)
のっけから,エラソ~な調子で書かせてもらっています。
この度のBlogは,医療サービスを受ける患者の一人として,ムカつくこと・寂しい思いをさせられることが多くなっていることを原動力にして作成することにいたします。
規模が大きめの病院で診察を受ける場合,たとえ予約受診であったとしても,待合室にて相当な時間,待たされることは珍しくないと思います。診る側の人が,一人ひとりの患者をベルトコンベア式にさばいていくことはできず,長広舌をふるいまくる病者だっているでしょうから,自分のところに順番がまわってくるタイミングが,予約時刻よりも後ろへずれてしまうことは,致し方ないことだとは思っています。
ときに,「予約枠に患者をブチ込み過ぎてるんとちゃうか!?」
…と,立腹モードになることもありますが…。
散々待たされて,ようやく,診察室に入ることができたとします。
患者用の椅子に腰かけた後,昨今,よく感じるのは,医師の体勢(態勢)への不満です。
カルテが,かつてのような紙媒体から電子カルテに移行するようになってからというもの,医者は,患者が口にすることを紙に記録するのではなく,その場でPC入力するようになりました。
両手をキーボードの上に乗っけて,身体全体はPC画面の方に向けて応対する…,というのが基本スタンスになってきているようです。
…で,自分が患者に話しかける時だけは,首をひねって顔だけ相手に向け,患者が喋り出すと,すぐさま元の姿勢に戻って,キーボードをカチャカチャすることに専念するのであります。
酷い場合は,患者の方には殆ど視線を移さず,ひたすらPC画面の方ばかりを見ているドクターだっています。
また,足を組んだままの姿勢で着座し,PCと対峙している人なんかもいます。
患者サイドの心の底からの訴えや,願い・要望等をすくい取るための状況には,全く至っておらず,「まずは基本姿勢がなっとらん!」と感じてしまうことが,本当に多くなりました。
心身に何らかのダメージを被っている側の人は,決められた時刻に診察室という特殊な場所にて,限られた時間内に,自身が伝えたいと思っていることを,治療者に余すところなく的確に表現したいと思っています。
…ですが,頼りにしたい相手が,はなからアサッテの方向に身体や視線を向けていたのでは,本当の意味での「対話」・「呼応」にはなりにくく,患者としては虚しさらしきものを感じてしまいます。
キーボードのことなんか横に置いておいて,まずは,身体全体を患者に正対させて,向き合う相手の様子をしっかりと自分の目で確かめる。そして,患者の胸の内にあるものを,専門家ならではのもっていき方で,引き出していく…。
そういったことが「基本スタンス」として守られていないと,「医師の仕事っていったい何なん!?」とか「病者を診る立場の人の心得って…」とか「『医の原点』なんていうけれど,実際のところは…」といった懐疑的な思いが充満し,場合によってはムカついてしまうことになりまする。いや,ほんと。
医師の方々には,「人を診る・見る・観る」うえでの原点に立ち返って頂きたく存じます。
ほんま,頼んます!
話がずれてしまいますが…,
医療の世界に光を当てた小説で,映画化・TVドラマ化もされ,本も映像もヒットした『白い巨塔』という作品があります。
映画とTVの両方で主役を務めた田宮二郎さん…,アクの強い演技っぷりがとても印象的でしたな~。