たとえば、「世界史」の問題で、「〇〇は何王朝の誰の治世の頃のことか?」とか、そういう問題が出題されたとしたら、それは当然「知ってれば解けるし、知らなきゃ解けない」問題です。
基本的に大学受験で問われるのは、「知ってれば解けるし、知らなきゃ解けない」問題ばかりです。
いやいや、「数学」とか「物理」とかは、そうじゃねーだろ、という意見はもちろんありますが、
たしかに、「知っていることを、ちょっとその場で組み合わせたり、ひねったりする」ような問題は多いですが、しかし、それでも、基本は「知ってれば解けるし、知らなきゃ解けない」ものです。
少なくとも、公式や定理を「知らなきゃ解けない」ものばかりだし、解法パターンを「知ってれば解ける」問題が実は大半を占めている。
勉強ってのは、「知ってることを増やす」ことなのです。
公式や解法パターンを「知る」ことが勉強です。
試験時の即応力は必要に決まってますが(それは社会などの暗記科目でもそう)、それは二の次で、まずは「知ってることを増やす」こと。
英語の試験でも、「知らない単語」「知らない言い回し」が英文中に出題されているケースも多いですが、その場合は、その場の「即応力」で前後から類推したり、過去の関連知識から類推したりすることが必要になります。
でも、すげー英語に詳しい人には、そんなイチイチ「類推」とかいらないわけ。
だって、最初から「知ってる」から。わざわざそんなこと考えたりしない。
つまり、「知っている知識」が多ければ多いほど、イチイチ「考えたり類推したりする」ことは少なくなります。
基本的に、試験で「思考」しなきゃならない場合というのは、「知識量が少ない/限られている」場合がほとんどです。
高1の数学の因数分解のややこしい問題が試験に出たとして、そのややこしい応用的な「解法」を知らない子は、教科書だけの基本知識でその場でうんうん考え込んで時間使ってできたりできなかったりしますが、しかし、大学受験用の数学の勉強をやり込んでいる難関大志望の高3生にとってみれば、「あ、そんな問題、解き方知ってる~」つって、すぐできちゃう。
因数分解を習いたて(習っている途中)の高1生にとってみれば、「思考力」や「応用力」が必要な「難問」に見えますが、受験勉強やり込んでいる高3受験生には、「かんたん」な「よくある解法パターン」問題になっているのです。
「知ってれば解けるし、知らなきゃ解けない」というのはこういうことです。
英語学びはじめの中1生には、高校受験用の英文は、「よく覚えていない英単語」が続出し、「まだなじみのない英文法や英語構文」だらけのように感じて、「思考力」や「応用力」が必要な「難問」に感じられますが、海外留学経験が長く英検1級も取得した英語英文科の大学生にとってみれば、それは「超簡単な英文」と感じることでしょう。英検一級の大学生には、その英文の中に知らない英単語もないし、わかりにくい英文法もみあたらないからです。全部知ってることだらけなので。
「知ってれば解けるし、知らなきゃ解けない」ということです。
「思考力」とか「応用力」とか言いますけれども、そんなのね、それよりずっとたくさん「知ってる」人にとっては、イチイチ「思考」とか「類推」とか「応用」とかいらないのです。
何しろ、知ってるから、簡単なの。
「つるかめ算」とか、私みたいによく知らない大人にとっては、「難しい~」と思うけれども、「つるかめ」に慣れまくった中学受験生にとっては、「瞬殺」ですよ。
そんなの、知ってるから、簡単なのです。
それは彼らの「思考力」が高いから解けるのではなくて、単に「つるかめ算のことは知っている」から、簡単なのです。
つまり、「思考力をつけよう」とか「応用力をつけよう」とか「わからなくても類推しよう」とか、そういうアプローチも大事かもしれませんが、それより先に、「知ってることを増やそう」という勉強の方が、合理的でやりやすいのだと思うのです。勉強ってそもそもそういうことじゃん? 知識を増やすことでしょ。「知識量をあえて抑えて、思考力を伸ばそう」ってのは、どうも、おかしなことになりそう。
そんなまだるっこしいことやってるヒマあったら、どんどん知識を増やしていった方がいいと思います。
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2024年は大変な始まり方でしたが、
これからV字回復で、皆様にとってすばらしい一年となりますことをお祈りします。
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