前記事で、「数学」や「仕事」は、大きく
(1)まずミッションクリアのための作戦を立てる
(2)その作戦に従って処理・作業を地道に迅速に行う
この2つのフェーズがあるということを書きました。
たぶん、間違っていないと思います。
意識してるかどうかは別として、「方針」を決め(見つけ)、その上で「処理」をする。
どっちも大事。
ところで、この(1)作戦を立てる についてですが、これは具体的にはどういうことか。
おそらく、大半の場合は、
●自分が知っている(過去に経験したことのある)戦法を
●頭の中から探しだし、流用する/組み立てる/組み合わせる
ということではないかと思うのです。
特に「数学の入試問題」の場合はそうじゃなかろうか。
何しろ1問あたりの制限時間は、長くても30分、普通は10分くらいしかないわけなんで。
●神に祈り
●天啓がひらめいて、解法をその場で創造する
というようなことは少々非現実的ではないかと思うのです。
モーツァルトとかなら別かもしれませんけれども。
多くの場合は、「自分の頭の中にあるなんらかの材料」を元に、その問題や課題を解く鍵をつかむ。
大学入試だと基本的には「高校生の間に学んだ知識」を元に解答させるという出題上のしばりもあるはずなんで。高校で学ぶ範囲の「公式」「定理」「解法」のようなものを総動員してなんとかこの問題を解けということが条件のはずです。
中学受験の算数図形問題で、「三平方の定理」を使って解くような問題や、「答えがマイナスになる」問題は出しちゃダメでしょ。
出題には制限が設けられているはずなのです。
だから、数学の問題で「作戦を立てる」場合には、「高校で学んだ数学の内容」で、「使える公式」「使える定理」「使える基本解法」は何だろうか、この問題にあてはめたら有効な武器は何か、
それを「選ぶ」ということが、「思考の本質」なのではないかと思うのです。
「頭の中にある知識」から「選ぶ」わけなんで、当然、「頭の中にしっかり知識として定着させておく」ことが一番の前提条件です。
「公式」だけじゃなく、「定理」も「よく使う解法」も「たまにしか使わないけどそういや習った解法」も「どっかで一度見たことがある程度の解法」も、そうした「問題を解くために必要な知識」が頭の中にちゃんと(整理されて)入っていないと、「選べない」わけです。
頭の中が「からっぽ」で、「有名公式」も知らないし、「足し算の仕方」も知らないし、「九九」も覚えていないような人には、どうやったって、大学入試の数学の問題は解けないわけです。
「知ってる解法知識」から「どれを使うかを選ぶ」「何をどう組み合わせればを考える」のが「思考」なんで。
「解法」をたくさん「暗記」してないと、解けるわけがない。
逆に言うと、人よりたくさん「解法」を「暗記」している人は、たぶん、解ける問題の幅が多いことでしょう。
不勉強な子は今までにほとんど使ったことのない「〇〇の定理」についても、たくさん数学の問題を解いてきた経験のある子だと、その「〇〇の定理」を使って何度も問題を解いたことがある。
で、入試本番には、その「〇〇の定理」のさらなる「応用版(他の解法と組み合わされたもの)」が出題されたとしたら、そんなもん、「〇〇の定理」で解いたことのない子よりも、解いた経験が豊富な子の方が、解ける確率は当然上がりますよね。言うまでもなく。
つまり、「解法」「公式」「定理」その他数学的な「知識」がたくさん持っている方が、絶対に有利なのが、大学受験数学。
「解法暗記」ってのは、「英単語暗記」と違って、「単語帳」や「単語カード」を繰り返すようにして覚えるものじゃ当然ありません。
結局、「類題を山のように解く」ことで、自然と頭と体にしみつくように覚えるものだと思います。
どうも「解法暗記」を否定する一部の人たちの「根拠」がよくわからなかったのですが、もしかして、その人たちは、「解法暗記」を「単語帳」や「単語カード」による暗記方法とか、社会の「一問一答式」による暗記方法とかと、混同しているんじゃなかろうか?
んなわけないじゃん。
数学の「解法暗記」ってのは、いろんな種類の問題をたくさん解くことで、その場で自然と「あっそっかー」と覚えていくことじゃん。で、そうした「解法暗記」を否定するとしたら、いったい、数学の勉強って何をすることを言うの?? ホントあの「解法暗記否定派」の人たちは、いったい何を否定しているのかすら、よくわかんないのです。
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2024年は大変な始まり方でしたが、
これからV字回復で、皆様にとってすばらしい一年となりますことをお祈りします。
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