判例の勉強をどこまでやるべきか
判例を学ぶ。
本来ならば、
⑴ 原審に書いてある事案を分析すること
この事案だからこそこのように判示したということが多くあります。
ただこの点は学部単位というよりは、大学院で判例の射程を学ぶということで学びました。
本来はこの点が凄く重要。
この点が理解できなければプロとしてどうなのかというところがあります。
ただ試験ではそこまで深く書かなくても合格できます。試験対策では結論部分のみを追えば十分かもしれません。
⑵ 原審の結論に至るまでのプロセスを考える
原審は理由付けについてしっかりと記載されているものが多く、最高裁が何故その様な結論を書いたのかという点をしっかりと理解できます。
また必ず問題意識を原審から読み解くようにすると勉強になりますね。
本試験でも商標でロポポの広告的使用が2条3項8号の使用に該当するかという点が問題として問われたことがありますが、この点は多くの裁判例があるとことろです。
他の使用とは異なり簡単に使用を作れますので、どこまで行けば使用と認めるべきかというところが、争点になります。
このような考え方は判例の結論だけ見ても容易に理解ができないところですね。
また最高裁の判例でも小僧寿しのような事案はかなり特殊な事案であり普遍的ではないと考えます。
何故試験で問われないのか?それもその様な特殊事例を、どの場合でも受験生が普遍的事項と勘違いして間違える可能性が高いからと考えれば合点がいきます。
試験では、予備校で配布された判決結論のみを暗記して記載すれば合格します。
ただし本試験の設問は実はかなり深いところまで問うている。
そんな問題が散見します。
試験はあくまで相対評価ですので。
ただ合格後は相対評価でいいわけではありません。
この点も踏まえた勉強は合格後は必要だと思います。
弁理士業はある意味、一生勉強ということかもしれません。
とにかく、合格は必須ですので、あと10日前後に迫った短答、そして2月程度の後に迫る論文試験に向けて頑張って戴きたいと思います。
弁理士 佐藤卓也