やさしいひとは

相手のことばやしぐさを見ながら

いろんなことを考えてしまう

 

そして

いろんなことを許そうと思ってしまう

 

怒ったり

悲しい顔をしたりしたら

相手を傷つけてしまうかもしれないと

逆に気を遣ったりしてしまう

 

そういうひとの身近にいるひとのなかには

そうやって許してもらうことに慣れて

 

「たぶん怒らないからだいじょうぶかな」

「取り合えずごめんって言っておこう」

「謝ったしもういいでしょ」

なんて思ってるかもしれない

 

だけど

その「ごめん」のなかに

どれだけの本当が詰まっているか

透けてみえる

 

やさしいひとはたぶん人一倍傷つきやすい

傷つきやすいからやさしいのかもしれない

 

だから

そのやさしさにつけこむようなことは

どうかしないで欲しい

 

そのひとのやさしさは

だれかの罪悪感を軽くするためにあるんじゃない

 

でもいつも思う

 

こんなふうに幾重にも傷つくのに

どうしてぼくは

こんなにもやさしさをもって生きているんだろう

 

その理由はわかるわけもなく

傷つくのは自己責任で

それを回避する知恵を

がんばって身につけてきたけど

 

でもやっぱり

やさしさにつけこむのだけはやめてほしい

それがいまの

ぼくのささやなか願いだ