育毛の最先端技術
ソニー「NEX-F3」、パナソニック「DMC-GF5」、オリンパス「PEN Lite E-PL3」、ニコン「Nikon 1 J1」、ペンタックス「PENTAX Q」とピックアップしている「今日から始めるミラーレス一眼」も今回で4回目となりました。
第1回では仕様とサイズを、第2回では手にした際の使用感などを、第3回ではシーン認識による全自動モード、いわゆる「おまかせオート」についてお伝えしました。
今回は「おまかせオート」による、人物撮影についてチェックしてみましょう。この撮影モードによる人物撮影は、顔認識の枠が出ているときにシャッターボタンを押すだけというシンプルな操作なのですが、カメラ内では顔の明るさに背景の明るさ、それに肌の色合いなど、さまざまな要素からそのシーンでの人物撮影に最適となるような設定と処理が自動で行われています。
それではピックアップした5機種で、おまかせオートによる人物撮影をチェックしてみましょう。
●日差しが強い日中の撮影
NEX-F3から順にみていきましょう。NEX-F3は顔の明るさが最適となるようなポートレートらしい仕上がりとなりました。やや、明るさが少し足りないような印象です。
DMC-GF5は、強い日差しを感じるような明るい仕上がりとなりました。肌の赤みが強調され、NEX-F3より健康的な印象を受けます。E-PL3は、DMC-GF5と似たような明るいイメージとなりました。
Nikon 1 J1は、全体としてはNEX-F3やDMC-GF5に近い明るさになっていますが、アクティブDライティングにより人物が明るくなり、主題となる人物に目が行くような効果を生んでいます。PENTAX Qは、彩度を上げて人物を綺麗に見せるような味付けになっているようです。
このシーンでは、GF5とE-PL3の明るさのイメージ作りが良いと感じます。Nikon 1 J1の写真作品風の仕上がりも面白いのではないでしょうか。
●白い背景と側面からの光
NEX-F3は、影となる部分が明るく補正されており、柔らかい印象を受ける仕上がりとなりました。DMC-GF5は、NEX-F3ほどの明るさとなりませんでしたが、絞り優先オートの仕上がりとは明らかに違う、明るいポートレート写真に仕上がっています。
E-PL3は、NEX-F3のような柔らかい明るさをもちつつ、ここに赤みが足された暖かみのある写真に仕上がりました。Nikon 1 J1は、極端な明るさも暗さも感じさせないフラットな仕上がりとなりましたが、色調は寒色系で少し寂しい気がします。
PENTAX Qは、顔以外の全体的なバランスを考慮しているのかやや暗めとなりましたが、彩度が上がっているので、暗いという印象はあまり受けません。明るく暖かみのあるNEX-F3とE-PL3、クールなNikon 1 J1という個性が表れました。
●逆光
NEX-F3は、逆光とは思えないような明るさで撮影することができました。ガラスの明るい部分が白トビしてない点から、単純な露出による明るさの補正ではなく、Dレンジオプティマイザーによる逆光補正が働いていることがわかります。
DMC-GF5は、NEX-F3のような明るさにはならなかったものの、補正能力は高く、顔も十分な明るさとなっていることが分かります。E-PL3は、NEX-F3に匹敵するような明るい仕上がりとなりましたが、やや赤みの強く出た点が気になります。
Nikon 1 J1はこのシチュエーションでは顔検出の枠がほぼ出現せず、顔を中心とした露出補正は働きませんでした。結果として、人物の存在を考慮しない露出となり暗い仕上がりとなりました。PENTAX Qは逆光補正が働き、NEX-F3ほどではないですが、DMC-GF5より明るい仕上がりとなりました。
逆光での人物撮影は、NEX-F3のまるでレフ板を入れているかのような明るさに驚きました。以前はこのようなシーンではストロボが欠かせませんでしたが、最新のカメラではおまかせオートで十分に対応できることが分かりました。
●暗い屋内での高感度撮影
おまかせオートでの撮影ではありませんが、参考までにISO感度をISO1600に固定し、5機種を撮り比べてみました(プログラムオートでISO1600に固定)。
NEX-F3は、カラーノイズと輝度ノイズを抑えたきれいな仕上がりとなりました。人物の明るさや色合いなど特に気になる点はありません。DMC-GF5もカラーノイズ、輝度ノイズなど上手に処理していると思います。
E-PL3はやや彩度が高めとなりましたが、人物の健康的な雰囲気が出ています。髪の毛などにカラーノイズがやや出ているのが気にあるところです。Nikon 1 J1は、この5機種の中で唯一黄色系の色合いとなりました。カラーノイズは見受けられますが、解像感を残すようなノイズリダクションをしているようです。センサーサイズの小さなPENTAX QはISO1600ではやや解像感に乏しい感じとなってしまいました。背景の暗さに露出が左右されたのか、今までのテストとは逆に明るく写りました。
高感度撮影での発色の自然さという観点から評価すれば、NEX-F3、DMC-GF5という順番でしょうか。両機種とも明るさこそ違いますが、高感度撮影においてこの発色は素晴らしいです。
●まとめ
今回紹介した5機種は、初心者でも安心のおまかせオート機能を搭載していますので、失敗の少ない写真撮影を楽しむことができます。こうしたオート機能は、コンパクトデジタルカメラにも搭載されていますが、搭載する大型センサーが生み出す解像感や自然な階調表現は、ミラーレス一眼ならではのものです。
さて、4回に渡って本企画をお届けしましたが、それぞれのカメラには得意分野があることを分かって頂けたと思います。これらを踏まえて、それぞれのカメラの特徴をピックアップしてみましょう。
NEX-F3はボディとレンズを含めたサイズが一番大きいのですが、オールマイティーに使える、安定した画質が特徴です。DMC-GF5は持ち運びに便利なサイズと人物撮影のきれいさが特徴です。店頭で試す機会がありましたら「iA」ボタンのON/OFFを試してみて下さい。E-PL3は、風景や人物撮影時の色にこだわりをもっていることがわかります。上下に角度をつけられるチルト式液晶も便利です。
Nikon 1 J1は、オートフォーカスのスピードや性能、高速連写をはじめとする全体的なレスポンスが良く、見た目とは裏腹のパワフルさが特徴です。被写体に近い付いて撮影できるキットレンズの使い勝手が良さもプラス要素です。
PENTAX Qは、上着のポケットに入るサイズ感とレンズをつけても約300グラムという軽さ、そして多機能な撮影設定がミニチュアサイズに凝縮されており、他のカメラとは違う魅力を感じます。この2機種は、画質は平均点といった印象ですが、それぞれの魅力は玄人受けするようなツボを抑えた作りとなっており、なかなか渋い存在です。
レンズ選びなど初心者には難しい点も多いミラーレス一眼ですが、まずはキットレンズの特徴なども参考にしてカメラ選びをしてみて下さい。
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