走る、彼等は走る、地上最高のスピードを誇る精緻を極めたメカニズム。
その精密機械を手足の様に操るレーサー達。
これは、生と死を賭けて、人間とマシンが一体となって生み出すスリルと
スピードに満ちたドラマである。
グランプリの鷹のナレーションをつぶやきながら、チーフがやって来る。
エリ8といい、彼のアニメ好きはさすがである。
コツコツとエンジンを組みあげるたくぼんに後ろから近づくとこう言った。
チーフ 「キシリア・ザビ奥様はお元気ですか?」
たくぼん 「人の奥さんを勝手にキシリアにするなっ!最近手伝いに来ない
と思ったら、アタマがおかしくなったかっ!」
チ 「そんな事はありませんよ。たくぼん監督を楽しませようと思っただけ
ですよ。」
た 「うちの奥さんがキシリアと同じくらい怖いのを何故知ってる?んん?」
チ 「いえ・・・あの・・その・・・・・・・・・・そうなんだ・・・・」
た 「えーい、いいから早く手伝いなさい。ちょっと一服してくるから組み上
げておいてよ!」
チ 「はーい、あんなに怒るとは思わなかった・・・・さっさと組み上げよう。
えーと、なるほど、もうすぐじゃないか。

このクランク側のギヤを組み付けてと・・・・つづいてオイルポンプだな・・・
Oリングに気をつけてと。えーとプライマリーのベアリングも入れておこう。

そしたら、プライマリーギヤを組み付けてと・・・ここは3箇所の噛み合いに注意
してと・・・

よーし。これでOKじゃなイカ。あとはケースの合わせ目をもう一度磨いておこう。
ガスケットを入れて、カバーを組んでと・・・・

各ボルトを規定トルクで締め付けて・・・完成じゃなイカ。やった!
部品もあまってないし、いい出来だな。
えーと、たくぼん監督がいないな・・・・あれ?この置手紙は?
「キシリアさんが怒ると怖いので、今日は帰ります。続きは少しずつ
やっておいてください。お願いします。たくぼんより」
やっぱりキシリアじゃねーか!
つづく