シネマ大好き! -28ページ目

シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★+
シネマ大好き!

鑑賞No:01307
製作:2006年/アメリカ/149分
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス/オドレイ・トトゥ


講演のためパリを訪れていたハーバード大学教授のラングドンは、深夜、フランス司法警察のファーシュ警部に呼び出され、ルーブル美術館に連れ出される。そこでは美術館長のソニエールが殺されており、死体にはラングドンの名を含む謎のダイイング・メッセージが残されていたことから捜査に協力して欲しいとの要請だった。しかしメッセージ解明中にソニエールの孫娘で暗号解読官のソフィーが現れ、彼に殺人容疑がかかっていることを告げる・・・・。


原作を読んでいないせいもあるが、1回観ただけでは理解しがたい映画。映画の中では説明が少ないので、当時の歴史や宗教などについてある程度予備知識がないと分かりにくい。逆に言うと興味ある人にとっては面白いと思われる。映画の本筋は殺人事件の解明だが、謎の多い殺人事件を解明するためにダ・ヴィンチの絵画の謎やキリスト教の聖杯伝説の謎に迫っていくあたりはとても興味深い。それだけに万人に分かるような親切な説明があればよかったが、それが足らなかった分、評価が大きく分かれる結果になったのではなかろうか?

★★★
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鑑賞No:01682
製作:2007年/アメリカ/106分
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:ライアン・ゴズリング/エミリー・モーティマー


アメリカ中西部の小さな町に住むラースはとても優しく純粋な青年で、町の誰からも慕われていた。しかし女性と積極的に交際しようとしないため、ずっと彼女がおらず、同じ敷地内に住む兄のガスとその妻カリンらは心配していた。そんなある日、ラースがガス夫婦に「彼女を紹介する」と言い出す。喜んでその彼女に会ったガス夫婦だったが、彼女とはビアンカと名付けられたリアルドールだった・・・・。


リアルドールを恋人にする男なんて単なる変人?あるいは変態男の話?と思いきや、何か深~い話でした。主人公のラースは物静かで大人しく優しい青年。一見奥手でそれがために彼女ができないのかと思いきや、意外ともてるのです。でもそんなアプローチからも何故か逃げているため、彼女ができません。この映画を心地よいものにしているのは悪者が一人も出てこないことです。一つ間違えればかなり危ない男・ラースを、家族も町の人も温かく見守り、そして人形のビアンカさせ、一人の女性と扱っていることです。この温かい周りの人たちによってラースは一人の男として一つの殻を破るわけですが、ほんわか系の良作でした。

★★★+
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鑑賞No:01214
製作:2001年/アメリカ/87分
監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク/ユマ・サーマン


あるモーテルの一室で二人の男が話をしていた。本業は消防士をしているが、裏ではドラッグの売人をして稼いでいるヴィンセント。もう一人彼の同郷の友、ジョンは映画監督となり、翌日の映画祭のため帰郷していた。話は最初、他愛もないものだったが、やがて昔のとある事件の話になって様相が変わってくる・・・・。


登場人物が男女計3人、舞台もとあるモーテルに一室のみ。凄いストーリー展開がある訳でもなく、アクションだってない。昔のレイプ事件に関して男女3人が“あーだ、こーだ”言い合うだけの映画である。それでも1本の映画として成立させている。それはそれで凄いことだと思う。最初は少々とっつき難いところもあるが、それを乗り越えると徐々に彼らの会話に惹きつけられていく。密室劇の好きな人には興味ある映画。

★★★★
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鑑賞No:01681
製作:2007年/アメリカ/121分
監督:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ/シャーリーズ・セロン


元軍人のハンクのもとに、息子のマイクがイラクから帰還直後、無許可離隊したとの一報が届く。真面目な息子の軍律違反が信じられないハンクはマイクが所属していていた基地に向う。しかし必死の捜査も空しく、マイクはバラバラ死体となって発見される。ハンクは地元警察の女刑事エミリーの協力を得て事件の真相を探るが・・・・。


物語は無断離隊して行方不明になった息子を捜していたら、息子が死体で発見され、犯人と事件の真相を追うことになるが、その過程で今まで知らなかった息子の別の顔を垣間見るようになる。それは父である自分の持ち続けた息子とはまったく違った顔だったが、その原因であるイラク戦争をこの映画は痛烈に批判し、戦争の愚かさを伝えようとしている。ハンク夫婦は2人の息子がいたが、その2人とも軍人となり、そのため2人とも失うことになる。スーザン・サランドン演じる母親の痛切な叫び、その叫びを黙って聞かざるを得ない悲しみに暮れるトミー・リー・ジョーンズ演じる父親。これは映画の世界ではなく、実際に戦場に行き、愛する家族を失った多くのアメリカ家庭そのものだろう。最後に真実は明らかになるが、犯人が誰かなんてラストではあまり問題に感じなかった。まともな人間をまったくの別人に変えてしまう戦争というものの恐ろしさ。怖い映画だが、これが現実であり、「正義の戦争」を唱えるアメリカという国の愚かさを感じぜざるを得ない映画。それにしても「告発のとき」という邦題は何なのでしょう?内容を全然伝えるものになっていない!(原題は「エラの谷」だが・・・・。)

★★★★
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鑑賞No:01680
製作:2008年/日本/99分
監督:篠原哲雄
出演:田中麗奈/東山紀之/篠田三郎/檀ふみ


江戸後期。野江は若くして最初の夫に先立たれ、現在は二度目の嫁ぎ先である磯村家にいたが、実家の浦井の家とは環境がまるで違っていた。武士ながら蓄財に勤しむ夫と舅、“出戻りの嫁”を蔑む姑、そんな中でも野江は磯村の嫁として懸命に耐えていた。そんな折、野江は山道で偶然、手塚弥一郎と名乗る武士と出会う。その武士は野江が磯村に嫁ぐ前に、縁談を申し込んできた相手だったが、母一人子一人の家と聞いて会うこともなく断っていたのだった・・・。


自分の不遇な現状にもじっと耐える健気な嫁を田中麗奈がよく好演していた。二度ので戻りを演じる女性としては少々若い気もしたが・・・。でも時代とはいえ、相手を確認せずに結婚の承諾や断りをするところにこのような不幸が起こるのだが、そんな中、野江の母親が野江に言う一言が印象的。「あなたはただ遠回りしているだけですよ。」この一言に、不幸な過去に後悔せず、まだ見ぬ未来に一条の光明を見出すことができる。人には避けることのできない運命というものがあるのかもしれないが、この一言はその運命を受け入れながらポジティブに生きていく希望を持たせる一言に聞こえた。ありがちなストーリー展開ではあるが、やはり涙を誘ってしまう良品に仕上がっている。ラストはちょっと消化不良気味の終り方。結論を観る者に委ねる手法もよいが、ここは結論を出して欲しかった。まして不幸な結婚生活を耐え忍んでいただけに、最後は野江が幸せな人生を掴み取るところを見たかった。ベタでもいいから納得いく殿様の裁断でスッキリ終りたかったのが正直な感想。

★★★
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鑑賞No:01679
製作:2008年/日本/97分
監督:阪本順治
出演:藤原竜也/水川あさみ/塩谷瞬/豊原功輔


仲間とともに結婚詐欺で金を稼いでいる伍郎。だがある日、いつも通りまんまと大金をせしめた伍郎たちは、帰り際に結婚式場の地下駐車場で偶然、要人の拉致現場を目撃してしまう。数日後、謎の組織が現れ、目撃者である彼らを次々と襲っていった。一人残った伍郎は復讐に立ち上がるが・・・・。


この映画はDVDが出るまでよく知らなかった映画。よってB級映画的感覚で観るとそれなりにまとまっていた映画だと思う。ストーリーは極めて単純で分かりやすく、前半の導入部から中盤の展開にかけては面白味が膨らんでいった。ただその分、後半はあっさりし過ぎており、ラストシーンにいたっては訳の分からないシーンが続出でツッコミどころ満載。主演の藤原竜也の力演は評価できるとは思うが、タイトルの“カメレオン”をイメージさせる人物像にまでは至っていなかった。そもそもこの作品は、脚本の丸山昇一が30年前に松田優作主演を想定して書いた「カメレオン座の男」を映画化したものらしいが、この映画を観た人はみな、こう思ったと思う。“松田優作の「カメレオン」が観たかった!”と。

★★★+
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鑑賞No:01678
製作:2008年/日本/115分
監督:本木克英
出演:ウエンツ瑛士/北乃きい/田中麗奈/大泉洋


小雨の降る夜に「かごめ歌」を聴いた若い女性が失踪する事件が続発、その事件に巻き込まれた女子高生の楓とともに鬼太郎は謎の解明に乗り出す。そして千年の時を経て蘇えった悪霊の呪いであることを突き止め、その呪いを封印すべく、古の楽器を求めて鬼太郎たちは旅立つが・・・・。


漫画世代の人間にとっては実写版とのギャップをどうしても感じぜざるをえないものですが、さすがに続編となるとイメージも定着してきており違和感を感じなくなっていた。主要キャストは皆、前作から替わっていないというのもよく配慮されている。ストーリーも前作より深みがあり、妖怪の目を通して発せられる人間世界に対する苦言も納得せざるを得ないメッセージ性を持っている。特に大俳優・緒形拳演じる「ぬらりひょん」の言葉は悪者ながらものすごい説得力を持って聞くものに伝わってきた。内容よりも“緒形拳”という俳優の凄さだと思われるが・・・・。俳優陣は前回同様、豪華なキャスティングを組まれていたが、妖怪役はイマイチ誰がやってもよく分からないというところがあって、あとで調べたら「あ~、この人が出てたんだ!」なんていうのもありました。キャストを調べてから観るのも一つの楽しみになるかもしれません(知らずに観て後で楽しむ方法もありますが・・・)ということで、必要な人のためにもう少し詳しいキャストを以下に記載しておきます。
鬼太郎(ウエンツ瑛士)、楓(北乃きい)、猫娘(田中麗奈)、ねずみ男(大泉洋)、ぬらりひょん(緒形拳)、子なき爺(間寛平)、砂かけ婆(室井滋)、一反木綿(声:柳沢慎吾)、ぬり壁(声:伊集院光)、濡れ女(寺島しのぶ)、夜叉(ソ・ジソブ)、蛇骨婆(佐野史郎)、井戸仙人(笹野高史)、海人(萩原聖人)、琵琶牧々(河本準一)、竹切り狸の夫婦(ブラザートム/星野亜季)、さとり(上地雄輔)、文車妖妃(中川翔子)
ほかにフジテレビ・アナウンサーの軽部真一や中野美奈子、作家の京極夏彦も出演している。

★★★★
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鑑賞No:01677
製作:2007年/イギリス、フランス/120分
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペック/ニック・フロスト


ロンドン警視庁のエリート警官エンジェルは検挙率No.1を誇るスーパー巡査。しかしそれを上司に妬まれ、サンドフォードという田舎の村に左遷されてしまう。そこはのんびりした村で、エンジェルは署長の息子ダニーとコンビを組まされ、のんびりした任務をこなしていた。しかし、こののどやかな村で次々と不審な死亡事件が続発し始める。早速意気揚々と捜査に乗り出すエンジェルだったが、村人も警察の仲間もみな事件を事故として片付けようとしていた・・・・。


てっきりおバカなコメディ映画かと思ってた。いい意味で期待を裏切られた!そしてイギリス映画と聞いて意外だった。この手のポリス・コメディは大概、主人公がおバカなものが多いと思っていたが、この映画の主人公エンジェルは超エリートで真面目で堅物。面白味はないが、周囲の人間がみな変わり者。その路線でいくおバカ映画かと思いきや、コミカルシーンは随所に入れながら、さらにポリス映画のパロディが満載。しかし、この映画はコメディだけではなかった。ミステリアスな事件が起こり、スプラッターホラー顔負けの殺人シーンあり、コメディ映画らしからぬガン・アクションありと、詰め込みすぎではないかと思われるぐらいさまざまなテイストがてんこ盛り。意外に見ごたえのある佳作。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01845
製作:2009年/アメリカ/105分
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン/ジョン・トラボルタ


ニューヨーク、ベラム駅午後1時23分発の地下鉄が4人組の男にジャックされ、乗客を人に立てこもった。運転室のついた車両を後続から切り離し、1時間以内に1000万ドルをニューヨーク市長に要求、指定時刻を1分過ぎるごとに人質を1人殺すと宣言してきた。犯人から交渉役に指名された地下鉄職員のガーバーは根気強く犯人のリーダー、ライダーと交渉するが・・・・。


交渉役を務めたデンゼル・ワシントン、そして犯人役を演じたジョン・トラボルタ、配役は秀逸です。特にジョン・トラボルタはこの手の役をやらせたらピカ一ですね。展開もテンポよく、あっという間の2時間弱でしたが、この“あっという間”という意味あいの中には“面白すぎて”というよりは“なんか物足らない”という感じは拭えませんでした。この配役でこのシチュエーション、もっと面白くなるはず! とくに終盤からラストにかけてはあっと言わせるような展開ではなかったのがちょっと残念でした。

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02399
製作:2012年/日本/130分
監督:阪本順治
出演:吉永小百合/柴田恭兵/仲村トオル/里見浩太朗


日本最北の島・礼文島と利尻島で小学校教師をしていた川島はるは、ある事件で夫を失う。それをきっかけに島を出てから20年後、教え子のひとりを殺人の疑いで追う刑事の訪問がきっかけとなり、はるはかつての生徒たちに会う旅へ出る。はるに会った生徒たちはそれぞれの思いを口にし、次第に事件の謎が明らかになっていく・・・・。


現在と過去が頻繁に入れ替わり少々戸惑うが、はるが教え子を訪ねて話をしていくうちに、20年前の謎が次第に明らかになっていく展開は興味深く観れる。20年前の謎とは、はるの夫が死に至る原因と、はるが島を離れる原因。しかし、映画の雰囲気からして涙を誘うような理由・原因があるのかと思ったら、警官との不倫? それも不倫に至る経緯が描かれていないのでどうも納得いかない展開。そのため、ラストの教え子全員が廃校に集まるシーンもイマイチ泣けない結果となった。