シネマ大好き! -18ページ目

シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01297
製作:2005年/アメリカ、イギリス、ドイツ/132分
監督:ジェイムズ・マクティーグ
出演:ナタリー・ポートマン/ヒューゴ・ウィーヴィング


独裁国家となってしまった近未来の英国に対し、Vと名乗る謎の仮面男が民衆に革命を呼びかける。労働階級の民間人としてテレビ局で働くイヴィーは秘密警察に捕らわれるところをVに助けられたことから、革命運動に次第に加わるようになるが・・・・。


1980年代に発表された同名小説の映画化。はっきり言ってマニアックなネタ満載で、かつ政治・思想がらみなのでわかりにくかった。要はVを代弁者とした現代社会への風刺なのか?なお、スター・ウォーズのナタリー・ポートマンからすると、捕らわれた後の拷問シーンでの丸刈りは衝撃的で、ポートマンの女優魂を見た。

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01303
製作:2004年/アメリカ/112分
監督:ポール・ハギス
出演:ドン・チードル/サンドラ・ブロック


クリスマス間近のロサンゼルス。深夜のハイウェイで黒人刑事のグラハムは、相棒であり恋人でもあるスペイン系のリアと追突事故に巻き込まれる。車から降り立ったグラハムは偶然事故現場近くで発見された若い黒人男性の死体に引き付けられる・・・・。


第78回アカデミー賞作品賞を受賞した作品。「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いたポール・ハギスが初監督。人種も職業も違う22人の登場人物が複雑に絡み合う。最初にあらすじや登場人物をチェックしておいたほうがよいかも。最初は脈絡もなく話が飛んでいくのでわかりにくい。ただ複雑な話の絡み合いが見えてくると、ストーリーのおもしろさ(脚本のすごさ)を感じ始める。米国で抱える人種問題を一つの大きなテーマとして捉えており、問題の深刻さを痛感できる映画となっている。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01304
製作:2006年/日本/131分
監督:西谷弘
出演:織田裕二/柴咲コウ/ 佐々木蔵之介/和田聰宏


高慢エリートの野村は官民交流の一環として民間企業での研修を命じられる。しかし野村が派遣されたスーパーは今にもつぶれそうなスーパー。そこでエリート役人としての力量をみせようと得意の理論で推し進めようとするが、実際の現場ではうまくいかず、野村の高慢さはみんなから敬遠される。最初は対立していたパート店員で野村の教育係だった二宮は野村に協力を求め、スーパーの再建に真剣に取り組んでいくことになる・・・。


県庁のエリートとパート店員が対立しながらも経営不振のスーパーの改革を行う話。何も考えず楽しめる娯楽映画というところか。織田裕二のハマり役・「踊る大捜査線」での有名な台詞「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」がこの映画にも通じる感じ。エリート公務員ほど現場に出て、民間と同じ土俵、目線で見ることを経験してもらいたいと念願する映画。

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01843
製作:2008年/日本/139分」
監督:大林宣彦
出演:南原清隆/永作博美/筧利夫/今井雅之


日野原健大は売れないイラストレータだったが、妻のとし子と二人の息子と幸せな暮らしをしていた。しかし、ある日、不調を訴えたとし子は病院で検査を受けた結果、余命1年の宣告を受ける。それでも二人は相談の結果、来るべき“その日”を迎える準備を始める。まずは、彼らの生活のスタートとなった結婚当初に暮らしていたアパートを訪ねるが・・・・・。


永作博美は好きな女優なのだが、余命宣告を受けても(内心は別にして)妙に明るく振舞う様は気丈さを通り越して緊迫感がなさ過ぎて、感情移入しにくかった。それを助長したのが夫役の南原清隆で、この軽い感じの配役が映画そのものを軽く浅いものにしている。“死”をテーマにした映画はとかく重い感じになりやすいが、しかしこの映画のようにちょっと軽すぎるのもどうかと思う。明るい笑顔の合間にたまに見せる永作博美の悲しみの表情だけが唯一、死に直面した人のリアルな気持ちを伝えていた。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02435
製作:2013年/日本/128分
監督:佐藤信介
出演:岡田准一/榮倉奈々/田中圭/福士蒼汰


あらゆるメディアを取り締まる「メディア良化法」が施行され30年が過ぎた正化31年。高校時代に図書隊に救われ、強い憧れを抱いて自身も図書隊に入った笠原郁は、鬼教官・堂上篤の厳しい指導を受け、女性隊員として初めて図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)に配属されるが・・・・。


設定が突飛すぎてついていけない内容の映画。これ日本の話?と思えるほど、近未来にしてもあまりに現実と乖離しすぎており、リアル感はゼロ。メディア統制についてはわからなくもないが、その中心が本というのもちょっと?だし、それによって日本人同士が戦争するというのはもっと?。ただ、そういった、現実感のない設定は無視して観るならば、それなりに楽しめるかも!?

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02440
製作:2013年/日本/133分
監督:石井裕也
出演:松田龍平/宮崎あおい/オダギリジョー/黒木華


玄武書房の営業部に勤める馬締光也は、独特の視点で言葉を捉える能力を買われ、新しい辞書「大渡海(だいとかい)」を編纂する辞書編集部に迎えられる。個性的な編集部の面々に囲まれ、辞書づくりに没頭する馬締は、ある日、林香具矢という女性に出会い、心ひかれるが、言葉を扱う仕事をしながらも、香具矢に気持ちを伝える言葉が見つからず・・・・。


辞書編纂という、いかにも地味な作業を、まったく派手さもなく、淡々と描いた作品。ただ、完成までに15年という年月を要し、その間の地道な作業に、辞書編纂の大変さをひしひしと感じさせる。主演の松田龍平の演技も良い。飄々とした役どころの多い彼だが、それとはまた違った、口数は少ないが、目的に向かって黙々と取り組む姿には感動すら覚える。そんな松田龍平演じる馬締を陰ながら支える妻の香具矢の存在も大きく、二人の会話も微笑ましい。基本的に悪い人は登場せず、ひたすら辞書作りに取り組む人々の熱い気持ちと行動にスポットが当てられているので観ていて心地よい映画。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02442
製作:2013年/日本/123分
監督:三宅喜重
出演:錦戸亮/堀北真希/関めぐみ/甲本雅裕


全国が観光ブームに沸くなか、高知県庁は観光促進を目的とした「おもてなし課」を設立する。しかし、若手職員・掛水らが、何をしていいのかわからず戸惑っていると、地元出身の人気作家・吉門から「スピード感のないお役所気質」とダメだしされてしまう。一念発起した掛水は、柔軟な発想力をもつアルバイト職員の多紀を他部署から引き抜き、伝説の元県庁職員・清遠に相談に行くが・・・・。


基本的に悪い人は出てこない、ほのぼの系の映画。だが、現実は厳しく、過去、パンダ誘致論を主張して県庁をやめることになった清遠の反対者の圧力や予算の関係から、事実上、おもてなし計画が暗礁に乗り上げてしまうあたりなどはリアルなので、映画の中でもっと内部での厳しいやり取りがあってもよかったかも!? 並行して2つのラブストーリーも描かれているが、掛水と多紀の方はじれったい展開のまま終わったのは残念。この映画を観ても積極的に高知県に行きたいとは思わなかったのは私だけでしょうか・・・?

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01839
製作:1972年/アメリカ/124分
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ポール・ニューマン/ヴィクトリア・プリンシパル


19世紀末。ならず者のロイ・ビーンがテキサスの町に流れ着く。彼は酒場で金を盗もうとした無法者を皆殺しにし、その酒場を法廷に改造し、判事として君臨することに。そして無法者を次々と吊るし首にして金品を巻き上げていく。傍若無人の判事ぶりだが、不思議と町は平和に保たれ、さらに繁栄していくことに・・・・。


スマートでダンディなポール・ニューマンとはちょっと違った、むさ苦しい殺し屋判事を好演している。演じている殺し屋判事ロイ・ビーンは実在の人物ということもあって、最初は普通の西部劇かと思ったが、最後まで観ると壮大な人間ドラマでもあった。この名物判事となるロイ・ビーンだが、やることは無茶苦茶。無法者は即絞首刑にされ、吊るしっぱなし。町のイメージも悪いし、子供に対する影響もよくないと正す部下にも、子供の教育のためと一喝する始末。しかし、そんなひどい行いもなんのその、町はどんどん発展していく。ただ、町の発展と共に、昔のような自由が利かなくなっていくところもなんか人生の栄枯盛衰を見るようで一抹の寂しさを感じるが、最後はスカッ!とさせてくれる。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:00123
製作:1986年/アメリカ/108分
監督:ハリー・ウィナー
出演:リーフ・フェニックス/リー・トンプソン


夏休み、NASA最大の基地マーシャル宇宙センターに隣接するスペースキャンプに、宇宙旅行の疑似体験を求めて少年少女たちが集まってきた。10歳のマックスもその一人で、同じチームで仲良しのジンクスや少女キャサリンらとキャンプ生活を楽しんでいたが、キャンプ生活数日後、実習で彼らが乗ったシャトルが突然発射してしまう・・・・。


主演のリーフ・フェニックスというのは今のホアキン・フェニックスのこと。1993年に他界したリバー・フェニックスの弟で、この映画がデビュー作。この映画は、高校生と少年計5名と宇宙飛行士になれなかった女性1名を乗せたスペースシャトルが突然宇宙に発射されてしまい、無事地球に帰還できるかというのが話の筋。宇宙に飛び出してしまう原因がちょっと無理はあるが、それは別にして、なかなか面白い設定ではあり、結構楽しめる。後半の息をもつかせない展開にはドキドキさせられる。

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01851
製作:2009年/日本/112分
監督:中村義洋
出演:伊藤淳史/高良健吾/多部未華子/濱田岳


1975年、早すぎたパンクバンド「逆鱗」は売れることなく、最後の曲「FISH STORY」を残して解散した。1982年、気弱な大学生・雅史は参加した合コンで「いつか世界を救う男」と予言される。1999年、ある海辺に世界終焉を予言する男が現れる。2009年、女子高生・麻美は修学旅行中に眠り込んだため取り残されたフェリーでシージャックに遭遇する。2012年、巨大彗星が地球に激突するまであと5時間と迫る中、1軒のレコード屋で「FISH STORY」が流れていた・・・・。5つの異なる時代の話が、ラストでつながることに・・・・。


「アヒルと鴨のコインロッカー」の原作・監督・スタッフによる第2弾ということになると見逃せない作品。異なった5つの時代のストーリーが並行して進んでいき、「FISH STORY」という曲で微妙につながっているものの、その関連性はよくわからないままラストに向かい、ラスト5分ですべてがつながっていく様はやはり爽快です。人間ドラマあり、青春あり、アクションあり、コメディあり、そしてバカバカしいまでのSF世界終焉ありと、多彩なジャンルとストーリーも魅力ですが、1冊の本から偶然生まれた曲が地球を救うというのも奇想天外で面白い。お奨めです。