2018年のEYES LOVE YOU | 匠オフィシャルブログ「Takumi's blog」by Ameba

2018年のEYES LOVE YOU

20年前の隅田川沿いの列は長く険しく、日差しがジリジリと照りつけました。物心ついてからは自分の家族も含めて、大好きな人がいなくなることへの態勢がまだなかった自分には受け止めきれない、よくわからない感情が長い列にならぶ時間の中でぐるぐる周っていました。生前のステージを見たことがなかった僕には全く実感がわかず、茫然としていました。

大学進学で上京してすぐの5月のことでした。

 

Xも解散し、これでもう自分が強烈に好きなのものは完全になくなった感じでした。進学で上京し、環境も変わって、「ああ多分ここまでが青春で、ここからはきっと大人の社会への入り口に入って行くのだろう」と思いました。

普通の?穏やかな?一般的な?親が望む?人生の道を進むのだと思いました。

 

東京での大学生活3年目を迎えるにあたり、後悔だけはしたくないから一度だけ本気でバンドをやらせてくれと親に許しをもらいました。なんとか約束の卒業後1年以内リミットに、今もお付き合いしている事務所に入ることになり、バンド継続の許可を両親から得ました。理想に向かうべく不器用に、悪戦苦闘する、楽しいこともありましたが、概ねは苦悩の日々が続きました。音源作品は最終的には納得出来るものが作れました。

しかしながら気がつけばメンバーは20代後半に差し掛かり、このままで自分の思い描いた理想に本当になるのか問うた時に、何か迷いがあったこと、また他メンバーも似たような思いがよぎり始めていたこと、その他色々と重なり2008年の2月の広島のホテルでのミーティングにて内々に解散が決まりました。

 

2008年の3月にXの再結成ライブを東京ドームに三日間見に行きました。初めてXのコンサートを生で観ました。もう見れないと思っていたものが見れた感激は凄まじいものでした。

同時にこんな思いも分かりました。

「ああ、思い起こせば僕が元来なりたかったのは、やっぱりコレだ。こういうスケール感だった。もう今、到底たどり着いてない現実がある。だから自分のバンドは解散でよかったのだ。今はっきり分かった。

ステージ上に、hideさんは、そこにいないのに、光り輝くオーラを放っている!!

凄い!!

自分にはそんな星はなかった苦笑

気付いてよかった。でも音楽は納得行くもの作れたから後悔はない。

だからそれでいいさ。」

 

その後、ディレクターの推薦により僕はDIR EN GREYのマニピュレーターの任を与えられることになりました。勉強をしました。今でもしています。そのうちに京さんのソロプロジェクトsukekiyoのバンドメンバーとして再びステージに立たせてもらえることにもなりました。

思ってもいなかったことが、ゆっくりと、そして次々と起こっていきました。

 

2015年のルナフェスでINAさんに挨拶をすることが出来ました。翌2016年のVJSで、思わぬ白羽の矢でhide with SpreadBeaver のマニピュレーターを務めることになりました。無事に終わり、沢山のエネルギーをもらってまた通常の職務に戻り2017年も頑張れました。

 

2018年、先日20thメモリアルのスーパーライブ SPIRITS でのhide with SpreadBeaver のマニピュレートが無事終わりました。

 

仕事には、常にいい意味で自分にプレッシャーをかけます。プレッシャーがあればあるほどに自分も成長するはずだからです。

 

仕事中は当然冷静でいなければいけません。

でも大切なところはなんでしょう。そうタイトルそのものです。SPIRITS 。hideさんは生前沢山の言葉を残されました。

"どんな状況でも楽しんでやらなければ、ロック、エンターテイメントじゃない"

それが自分なりに咀嚼し解釈したSPIRITSでした。

 

だから”冷静に情熱を持って”楽しみました!

 

前回の幕張では「TELL ME」で涙が溢れてきました。

今回は、24年ぶり?に1stシングル「EYES LOVE YOU」が演奏されている時に、涙が溢れ出てきました。皆さんそれぞれに色々な思いがあるでしょう。僕はシングルのバンドスコアも買って必死に練習した曲でした。

 

27日の会場ゲネプロでは我慢しましたが

4/29の演奏中に涙と共に溢れ出ました。

 

 

「ああ、hideさんがいる!いるよ!

そして、、14歳の俺もいる。14歳の俺が見てる!ギターソロを練習していた、PVを見ていた匠少年が。ああ、今、僕は、、!」

 

 

人生、なんとか気長に頑張っていれば、ホントいいこともあるもんです。

だからこれからも自分なりに、形にとらわれず、楽しみながら苦労もして、

そのSPIRITSを忘れずに、生きて行きたいと思います。

 

 

hide さん、ありがとうございます。

 

これからもずっと。