■前回に続き、今回も「ゐ・ろ・は・」です。( ̄□ ̄;)!!
今回の内容は、仕上がりを左右する最も重要な作業となる、下地処理と仕上がりについて解説・検証してみたいと思います。
【下地処理の目的】
ご存知の通りガンプラにおける下地処理とは、ヤスリ等で表面を平らにし、エッジ(角)をだして
塗装の食いつきを良くする事を目的としています。
ガンプラの表面はパーツ成型時に出来るヒケとパーティングラインというのが存在します。
●ヒケとは、パーツ表面にできる凹の事で、主にスナップの所に出来ます。
一見すると分かりづらいですが、表面にペーパーを掛けると浮かび上がってきます。
●パーティングラインとは、金型の分割されるラインの事で、どこかに必ず存在します
さて、それでは上記の事を踏まえて表面処理をしていきます。
【表面処理の流れ】
Scene1:パネルラインの確保
■ペーパー(紙ヤスリ)を掛ける前に、ラインの溝を彫り直して深くしておく必要があります。
この作業をしないでヤスリを掛けて塗装をするとパネルラインが埋まってしまう場合があります。
Scene2:ペーパー掛けの基本
■台付きのペーパーを使い、ヒケとパーティングラインを消していきます。
ヒケの溝が深い場合はラッカーパテ等で埋める場合もあります。
この一連の流れでエッジを出していきます。
エッジの出し方としては、画像の矢印の様にペーパーをパーツの面と平行に置き、エッジに対して斜めにスライドさせ、更に逆方向からもクロスするような動きでスライドさせます。
エッジのペーパー掛けは押すときのみで、引く時は軽く浮かせます。
理由としては、押して出たエッジを引く時に壊してしまうリスクがあるからです。
■ペーパー掛けは、サーフェイサー下地でつや消し仕上げの場合は#400➡#600➡#800までの番手仕上げで大丈夫ですが、グロス(光沢)仕上げの場合は#1000以上の仕上げをお勧めします。
#800より荒い番手ですと、塗装仕上げ時にヤスリ傷が出てしまいます。
【サフの効果】
■サフ下地の効果は、細かなペーパー傷を消したり、塗料の食いつきを良くしたり、改造によって生じた
異なる素材の質感を統一する効果があります。
一般的なサフはグレー色で、パーツ表面の凸凹を確認しやすくなっています。
【サフを吹くことによるデメリット】
■「手間が増える」・「モールドが埋まる」・「下地色がグレーになる」などのデメリットがありますが、私が注目しているのは、サフを吹くことによってエッジが丸くなってしまう?という意見でした。
近年ではサフレスについて色々と議論されていますが、サフを吹く、吹かない事によってエッジにどのような影響が出るのか、塗装の食いつきに、どれ位の影響があるのかを検証してみました。
Scene3:サフ下地とサフレスの検証
■ここに、ペーパーでエッジを出した同じパーツを2個用意しました。
■一個はサフを吹き、もう一個の方はサフを吹かずにサフレスで塗装してみました。
上の画像はサフを吹いたパーツですが、この時点でエッジは潰れることなく、カチッと出ています。
■ホワイトで3回吹き付け塗装したパーツです。左がサフレスで右がサフ下地です。
どうでしょうか?全く違いが見受けられないのではないかと思います。
サフを吹いたパーツのエッジの方も全く問題なく、しっかりと出ています。
【耐久テスト】
■塗装後、丸一日乾燥させたパーツに超強力な両面テープを貼って一気に剥がしてみます。
左がサフ無しで右がサフありです。
■全く問題はありません。
サフレスによってパーツへの塗料の食いつきが低下しているのなら、あるいはテープに塗装がくっついてきて剥がれるのでは?と思いましたが、大丈夫でした。^^
このことから、サフレスでも塗料の食いつきは問題なしと言えるのではないかと思います。
■ただ、いえる事は、サフレスだとペーパー傷が出やすいので、#1000や#1200程度の表面処理が必要かもしれません。
■サフレスについての見解とまとめ
結局サフを吹いても吹かなくても、適切な塗装ならエッジに影響はないようです。
塗料はコンマ何ミリの厚さなので、極端に影響を受ける事は無いと思います。
もしも影響を受けるとしたらサフ自体が問題なのではなく、塗装が問題なのだと思います。
塗料の食いつきについても、経年劣化については分かりませんが、塗装した時点では問題ないという結論でした。
サフレスにすることによって、サフを吹くという工程が一つ減りますが、その分ペーパー掛けの工程が
増えるので、手間という面ではプラマイゼロという事になるかと思います。
つまり「サフ有りだろうがサフレスだろうがどちらでも同じ事」 というのが私なりの結論です。
私の場合は改造ありきの製作なので、サフは必要な工程になると思います。
【塗装の発色について】
■塗装に関して赤や青や黄色などの色は、下地の色に影響を受けます。
サフのグレー色はパーツ表面の状態を見るには良いのですが、赤や青などの色は発色しません。
サフを吹いて赤などの色を発色させるには白系の色を下地色として塗る必要があります。
つまり工程が一つ増えるという事ですが、現在ではクレオスからホワイトのサーフェイサーや、ガイアからは様々な色のサーフェイサーが発売されているので、それを利用すると良いと思います。
■シールドを発色させた赤に塗装する場合の例ですが、上画像はホワイトサーフェイサーに赤を少し落として薄いピンクにしています。
■重厚感を出す目的で、サフグレーの上に直接塗装し、意図的に発色させない場合もあります。
う~~ん、、、結局はサフレスにしても、塗装する色によっては下地塗装をする感じだったりとか・・・・・ペーパー傷に気を使ったりとするので、サフ吹いた方が安心感があるのかなぁ~と個人的には思います。
■さて、次回はフリーダムのニコイチ製作が少し進んだので、その辺をUPしょうかなと思います。
「フリーダム再び」・・・・ (^_^)v