素組のゲート処理~製作の「ゐ・ろ・は・」~其の13 | G-Remodeling

G-Remodeling

主にガンプラの改造・改修の過程等を掲載します。

■え~コメントでゲート処理が大変という事で、私なりのゲート処理法ですが提案させていただきたいと思います。


■私もそうなんですが、全塗装する場合はゲートの切り口が平らになっていればOKなので、あまり問題視しない部分ではありますが、成型色を生かして製作する場合はゲートの処理に頭を悩ます事と思います。


■無塗装派の方の場合、ゲートをカットして飛び出した切り口の処理で、ヤスリを掛けるとヤスリ傷が付きますし、またゲートの切り口は白化してしまいます。

これをどうクリアーするかが、成型色を生かして作る為の問題点と言えます。


■傷と白化の問題については、色々なやり方が提案されています。

一般的なのはガンダムマーカーによるリタッチですが、やはり目立たないと言っても違和感は否めません。切れるニッパーでゲートを何回かに分けて切るとかデザインナイフを使うなどして白化をしないカットのやり方を目にしますが、恐らく出来ても100%は難しく、あれだけのゲートを白化させないように、神経を集中させて作業するのは、私には無理です。


■一番の問題となる、白化の原因は切断の際の圧力による密度の変化によるものです。

ランナーから切り離すと言う事が必要である以上、切断面の白化は避けられない事かと思います。なので白化をさせないようにするのではなく、白化した部分とヤスリ痕を修正する方法で仕上げていきたいと思います。


■さて、それでは白化とヤスリ痕のリカバリーを提案させて頂きます。

以下のやり方は私独自のやり方で、まだ他に良い方法があるかも知れませんが、一つの方法論として参考にして頂ければ幸いです。





■まずはパーツをランナーから切り離しますが、切り方などは特にありません。しいと言えば切り過ぎてパーツを欠けさせないようにするという事で、ランナーを少し残す感じで切って頂ければ良いかと思います。白化する事を前提にしているので、物凄く切れるニッパーじゃなくても良いです。因みに私の使っているニッパーは使い古していますので、物凄く切れません。(笑)





■この様に思いっきり白化して、ゲート痕が残ったラフな状態でOKです。





■次に出っ張ったゲートを平らにする感じで、ヤスリます。私は鉄ヤスリを使っていますが、削り過ぎると取り返しがつかないので、自信の無い方は下画像の様な紙やすりに台の付いた#400位のもので削るとよいかと思います。






■ゲート跡が平らになったら、紙やすりで#400➡#600➡#800➡#1200の順で掛けていきます。この作業はパーツについたヤスリ痕を消すための作業となります。

ヤスリ痕は完全に消えませんが、出来るだけ傷が目立たなくなるようにする為に、面倒ですが#400➡#600・・・・と細かく段階を踏んでいきます。




■#1200まで掛けた状態です。滑らかな感じになったかと思います。






■次に、パーツのキズを消すためにコンパウンドを掛けます。コンパウンドはクリーム状の中に粒子が入った物で、ご存知かと思いますがよく車などの塗装面の傷消しなどに使われています。

コンパウンドには粗目・中目・細目・仕上げ目などがありますが、ここでは細目➡仕上げ目位で良いかと思います。







■よく、模型にコンパウンドを使う場合、綿棒などで刷り込むみたいな解説がありますが、コンパウンドは研磨剤なので磨くにはある程度の力が必要で、綿棒だと力が入らないかなと思います。綿棒ではなく、ウエス(綿など)につけて指で円を描くように摺りこむ感じが良いかと思います。


■最後に、中性洗剤(食器洗い洗剤)で洗浄して出来上がりです。





                    【仕上がり】



■如何でしょうか?仕上がりました。ツヤもほぼ半光沢でキットとの質の隔たりもないかと思います。

■(注)ここでの一連の作業は分かりやすく言うと色を練り込んだプラ材だから白化した部分を削り落として表面を修正するという事でなり立ちますが、メッキパーツはメッキ塗装品なので、この修正方法は使えません。メッキパーツはアンダーゲートになっているので、表面に傷を付けないようにゲートカットしましょう。(メッキになるとキットもお高いので慎重に・・・)


未設定

未設定 さて、間髪入れずに連続して2回の「ゐ・ろ・は・」でしたが・・・・・

今回の作業は、塗装する方にはあまり関係ないように思いがちですが、実は製作と言う意味ではとても重要な基礎となります。この作業が重要と言う事ではなく、このゲート跡が気になるという事がとても重要かと思います。素組で組んでいる無塗装派の方が、こういう処を綺麗に仕上げるという感覚をもって次のステップへ進むと、拘りのある完成度の高い作品を作るのではと思います。

因みに私がプラモデルを作り始めたばかりの素組デビューの時は、ゲート跡は気になりませんでした。(笑)