このやり方は特別なものではなくスクラッチマニュアルでも紹介されているものですが、プラ加工がちょっと苦手とか、これからスクラッチを始めたいと思っている方には知っておいて損はないかと思います。
ランクアップとはどういう事かといいますと、普通に複雑な箱組みをした場合エッジの合わせ目がでますが今回はその合わせ目が表面に出ないように箱組み加工するというやり方です。
それでは、画像を取り混ぜて手順を説明します。
■一石二鳥のパテいらず・・・■

① 図面を作成する。
まず、当たり前のことですが作りたい形状や展開図的なモノを方眼紙に描きます。
赤線で示した部分の合わせ目が出ない加工をします。

②プラ板を切り出す。
画像右は左右側面のパーツでその隣が各面ごとのパーツ(赤線部分)です。(それぞれ1㎜プラ板)
その隣の右から3番目は各面を切り出したパーツの組み合わせたものと同じ長さで0.3㎜プラ板を切り出したものです。
左のパーツは青線の部分のパーツで1㎜のプラ板です。

③Pカッターで加工
0.3㎜プラ板の裏側に各面ごとに切り出したプラ板と同じ間隔でPカッターで軽くスジ彫りを加えます。

④曲げ加工
湾曲部分にあたるパーツをラジオペンチで小刻みに曲げていきます。表面に細かな傷が残りますが、最後に0.3㎜プラ板で覆われてしまうので修正する必要はありません。

⑤1㎜プラ板にエッジをつける
各パーツのエッジを斜めにカットします。画像はヤスリを使ってますがデザインナイフなどでカットしてもいいと思います。


⑥プラ板を貼り合せる。
0.3㎜プラ板のスジ彫りに合わせながら加工した1㎜プラ板を斜めにカットした側が上にくるようにしてプラ用接着材で接着します(接着剤が多すぎると乾燥後にヒケが発生するので、気をつけてください。
そのまま2~3時間乾燥させます。

⑦側面パーツと合わせながら接着
0.3㎜プラ板に負担をかけないように、ゆっくりと折り曲げ、側面パーツに合わせながらエッジの裏側の谷に瞬間接着剤を流し込み角度を固定します。
角度合わせは何度も繰り返すと0.3㎜プラ板が割れてしまうので2・3回で決めて下さい。
※ワンポイント アドバイス:通常の粘度の低い瞬間接着剤だと含まれる溶剤が多くプラを溶かして割ってしまう事が多いので木工用の瞬間接着剤をおすすめします。


⑧逆エッジの製作・切込みを入れる
今度は先程、青線で示した部分の加工です。デザインナイフなどで逆エッジになる部分にプラ板の厚みの半分くらいまで切り込みをいれます。

⑨折り曲げる
何回もクネクネと動かしたりヒネリを加えると割れてしまうので、ゆっくりと慎重に折り曲げます。

⑩瞬間接着剤で角度を固定
角度に合わせて曲げたらすぐに瞬間接着剤を隙間に流し込んで固定します。
先程と同じように一般の流し込みタイプの瞬間接着剤だと溶けて割れる確立が多いので木工用の瞬間接着剤かゼリー状が適しています。
この方法は100度くらいまでが限界のようです。

⑪パーツに接着
先程加工した半対面(青線部分)に接着します、切込みを入れた面は内側になるので表面に逆エッジの繋ぎ目は入りません。



⑫出来上がり
完成です。0.3㎜プラ板一枚物で覆われているので通常できるプラ板の合わせ目が無くパテレスで綺麗なエッジができました。
どうでしょうか?こういった加工をすると後処理が省けてとても楽です。
■付録
製作をしている方の多くは自分で道具を自作する事がありますが、ここで私の自作道具と言う程の物でもないですが、ちょっと紹介します。
ジャ~~ン!!

エッジ製造マシ~ン!(ドラエもん風に)
まぁ、ジャ~ンって言うほど大した物じゃありませんが、見たとおりの簡単な物で
固定式の小口削り器です。

■使い方はこんな感じで、同じ角度で面をとったり正確なエッジの角度をだしたりするのって意外と大変なので、これがあると結構便利かも?
プラ板を切断した小口って結構斜めになっていて、そのまま箱組みの等の加工をすると上手くキチッといかなかったりするので、90度のアイテムを使って小口をキチッと直角にする事で正確な箱が作りやすくなります。
と言う事で、私の自作のちょっと便利アイテムでした。
では、今日はここまで!ハイ!おしまい。