青空

昨日の昼間、なんとなく部屋を片付けたい気分になっていらないガラクタなどを処分していた。
いらないオモチャの多いことといったらない。
片っ端から捨ててやった。
もらった手紙とかは誰からもらったものでどんなに他愛のないものでも捨てられないたちなので、気がついてみたらここ10年くらいでいろんな人からもらった手紙が山のようにたまっていて、これもどうしようか迷ったんだがやはり思い切って捨てることにした。
そんな気分だった。
その中でどうしても捨てられなかった手紙が２通。

ひとつは1２年前に従兄弟の娘が小さいときに書いてくれた僕の似顔絵。
髪の毛が緑色で赤いズボンを履いている。
従兄弟はその後離婚してしまってその後僕は絵を描いてくれた女の子には会っていない。

もうひとつは友人の女の子がくれたわけのわからない手紙。
いつどのようにしてその手紙をもらったのかサッパリ覚えていない。
わけのわからない絵はがきにわけのわからない英語で文章が書いてある。
あまりにわけがわからないのでまともに読まなかった気がする。
あるいは一応読んだけどあまりにわけがわからないのですべて忘れてしまったのかもしれない。
彼女はみんなに内緒で風俗で働いていた。
僕だけに打ち明けたのか結局なんだかんだみんなに打ち明けていたのかは知らない。
とにかく彼女は風俗で働いていた。

「Keep Blue Sky In Your Heart.」

手紙にはそう書いてあった。

あなたの心の中に青空を

なんだって彼女が僕にそんなことを言わなければいけなかったのかまるで検討もつかないし、なんだって英語で書いてあるのかも理解不能である。
その手紙をもらって何年か経った今僕がそれを捨てられないでいるというのもさっぱりわからない。
なぜだかその手紙は今になって僕の心を撃った。

そして一日たった今急にふと思い出したんだけれど手紙の女の子は二人とも下の名前が同じだった。

二人とも今どうしてるんだろうな。