卵巣がんだと告知された次の日。
仕事中に携帯電話が鳴った。
知らない番号…
…嫌な予感。
恐る恐る出ると病院からだった。
「○○病院 婦人科のKと申します。
昨日の血液検査の結果
腫瘍マーカーの数値が高いので
検査をしたいと思うのですが」
血の気が引くのがわかった
とっさに
「え、あの、そんなに悪いんですか?
命に関わることですか…?」
と、聞いた。
職場のロッカールームで、
ぶっ倒れそうになる。
「いや、今すぐどうのって事では無いんですが
数値も高めですし、
お若いので早め早めに検査していった方が
良いと思うんですね。
来週から入院してもらって、
CTとか手術に必要な検査を進めた方が良いかと」
ら、来週!?
昨日はCT撮るのも2ヶ月後って言ってたのに…
これは
ホンマにあかんやつ……
電話で聞いた腫瘍マーカーの数値、
確か何万とかだった。
もうダメじゃん
アウトじゃん
電話を切った後、当然仕事になんかなる訳もなく。
同僚に
「私、死ぬと思う…」
と涙目で訴え困惑させ
「入院の準備とかあるので、
もう午後からお休みさせてください」
と訴え
その当時の部長にすぐさま報告。
死ぬかもという不安と同時に
いつ復帰できるかも解らないので
自分の居場所がなくなるのでは無いかという不安。
「私の戻る場所はあるんでしょうか…」
そんな事を確か聞いた。
部長には
「仕事の事はとりあえずおいておいて、
とにかく今は身体の事を考える様にしないと」
と言われ。
同じ事をまた聞いて。
また同じ事を言われ。
なんやかんやで
翌週から入院する事になったのです。
その当時まだ30歳。
いきなり死というものが目の前に迫ってきて。
それを冷静に受け入れるには
まだ若すぎました。