こんにちは。

今回はDAAD奨学金の面接審査(二次審査)について自分の体験談を記します。

こちらの研究奨学金の概要についてはこちらの記事を参照していただけると幸いです。

 

 

また、奨学金の書類審査編はこちらの記事を参照していただければと思います。

 

 

 

改めて、今回は「DAAD 研究奨学金 (長期)」の面接審査の体験談を記録として残しておこうと思います。

 

 

DAAD 研究奨学金 (長期)~面接審査編~

 

 

書類審査の結果通知は12月にいただきました。書類審査通過の旨の連絡を受けてから数日後、面接日の連絡を受け、1月の下旬に面接(二次)審査が東京事務所にて執り行われることになりました。面接は計2日間あり、私は2日目に割り当てられました。

 

面接当日

当日は早朝に下宿を出発し、かなり緊張しながら新幹線で移動しました。お昼ごろには東京に無事到着し、そのまますぐに港区にある事務所へと向かいました。かなり時間に余裕があったので事務所周辺にあるおしゃれなカフェに入って変な汗をかきながらコーヒーをすすったのを鮮明に記憶しています。その後あまりにソワソワするのでその辺をぶらついたり、近くの公園でイメトレを軽くしたりして時間をつぶしました。

 

予定時刻の1時間前になったところで事務所にお邪魔し、ほかの受験者と談笑したり、DAAD関係者の方々に挨拶したりしました。当日は20人ほどが面接を受けに来ていたようで、そのうちの8名程度が博士課程用奨学金、残りが修士課程用奨学金に応募していたと記憶しています。したがって書類審査に通った合計人数は2日間で40人(修士: 24人、博士: 16人)程度?でしょうか。

 

そうこうしていると自分の順番になり、面接部屋に入るよう指示されました。

当日の面接部屋は以下の図のような配置となっていました。

*面接はすべて英語で行われました。

 

部屋に入り着席したところで面接官の方々が一人ずつ自己紹介をしてくれました。その流れで自分も自己紹介するのかなと思ったのですが、その機会は与えられず、すぐに研究計画書に関しての質問セッションに入りました。

 

初めに教授のお一方(以下A教授)から「博士課程で行う予定の研究を簡単に説明してください」とのお願いをされました。私は、分野外の人でも分かるような簡単な研究内容のスライドを3枚程度用意していたのでそれを用いても良いかと聞きました(というのも、私と専門が同じ面接官がいることはまず無いだろう、と考えていたからです)。使用許可が下りたところで事前に印刷していたスライドを用いて紙芝居みたく、専門用語をなるべく避けながら2、3分程度で発表しました。

 

すると、A教授から「もっと詳しく、deepでscientificな説明を聞きたい。」という要望がありました。ここで、A教授は私と同じ化学の専門分野であることに気づきました。内心かなり焦りましたが、平静を装いながら「それでは、少々専門用語を使いながら説明をしても良いですか?」とお聞きし、再度詳細に自身の研究計画について説明をしました。

 

そこからの20分はA教授と私の1 on 1のラリーでした。私の修士研究に関しての理解度を測る質問や、研究計画書で言及しているアプローチの懸念点などについて質問をいただきました(いわゆる学会での質問をイメージしていただくると分かりやすいかと思います)。幸い、その場で論理的な回答ができたので気まずい雰囲気になることもなくラリーを終えることができました。

 

次の10分程度は他3人の分野外の教授から、面接で良く聞かれるような質問をいただきました。

  1. 課外活動で何をした?
  2. PhD取得後はどうしたい?
  3. なぜこの新しいラボにしたの?
  4. あなたが留学はドイツと日本の関係性にどう寄与しますか?
  5. 今回提出した申請書のアイディアはどのように導いた?
  6. 予定している実験の難易度はどのくらい?

これら質問はすべて対応済みだったのでスムーズに答えられたと思います。特に1~3の質問を聞かれた際、

• 人と交流することや

• ドイツの文化などに興味があること

等をアピールしました(研究熱心なことをアピールするのも大切ですが、人間性をアピールすることも重要だと考えています。つまり、社交性や柔軟性、タフネスなども併せ持っており留学中にトラブルに巻き込まれても留学を断念するような人ではないことを伝えようとしました。)。

 

最後にDAAD関係者の方から、「それじゃあこれで終わりだよ。ありがとう、気をつけて帰ってね。長い道のりだと思うけど(笑)」とコメントをいただいた抱きました。それに対して、「こちらこそありがとうございました。そちらもまだ三、四人応募者の審査があり、お忙しいですよね。」と返答したところ、皆笑ってくださり、和やかな雰囲気で部屋を退出することができました。

こうして合計30分ほどの面接が無事終わり、大きな肩の荷が下りたところでそのまま帰路に就きました。

 

面接で心掛けたこと・工夫したところ

面接では以下のことを意識して準備し実践しました。

  • 笑顔をキープ
  • ゆっくり話す(早く話すと変に焦ります。私は普段の1.5~2倍の速度で話すことを心掛けました。)
  • エネルギッシュな話し方を心掛ける(研究への熱意として伝える)
  • ジェスチャーを積極的に用いる(伝えようとしている感が出ます)
  • 研究のエピソードだけでなく課外活動や趣味など自身の人間性を知ってもらえるようなエピソードを組み込む(話の流れ的にそれとなくアピールする)
  • 可能であれば少しばかりユーモアを加える(失礼の無いよう空気を読む必要があるので少し難しかったです。面接官によってはしない方がいいかも。)
  • 簡単な研究内容のスライドの準備(面接に対して準備してきたことを伝えるのに効果的と考えたため)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。振り返ってみると、「同じ分野の面接官はいないだろう」という私の予想は大きく外れていました。ですので、本稿の内容を鵜呑みにすることは危険だと思います。しかしながら、基本的に面接は「こいつはドイツで研究をやっていけるのか。奨学金を支給しても大丈夫なやつなのか。」といった視点でその人を総合的に審査するものだと思います。したがって、あまり力みすぎず、熱意と人間性をぶつけることが最も面接官に伝わるのではないでしょうか。同時に、矛盾しているようですが、面接は準備で差がつく箇所でもあると思います(熱意と人間性は作れてしまう)。本当に緊張すると思いますが、その緊張も楽しみながら乗り越えていってください。健闘をお祈りしています。

それでは。

 

これにて 「DAAD 研究奨学金 (博士課程後期)」についての記事は一旦終了となります。もし分かりにくいところがありましたらコメントでご指摘ください。