「万年赤字」のAmazonは、とうとう株価でGoogleを抜かしました。米国ではAmazonのことをRazor profitというそうです。

 

 Death by Amazon (Amazonによって死に追いやられる小売業)と同じぐらい我々が意識しなければならない言葉です。

 

 このRazor Profit とは、カミソリのように細い(薄い)利益という意味で、利益がほとんどでていない状況を言います。私は、いやしくもこのブログで、「貯金は悪だ。必要最小限のキャッシュフローを追いかけ金の流れを止めないこと」を書きました。

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12359321924.html

(間違いだらけの生活防衛)

 

 お気づきの方はいらっしゃると思いますが、ここに書かれていることはAmazonの戦略そのものです。特にテクノロジーの世界は、常に先頭を走らなければ一日で勝者と敗者がひっくり返る。だから、Amazonは最新の技術に投資を続けイノベーションをおこし続けているのですね。

 

 しかも、おそらく複数の投資案件をコンカレント(同時並行)に走らせているでしょうから、案件毎のROIを時間軸で追いかけなければその妥当性は見えないのです。一方、我々が使っている財務諸表は、ある時点での生態的な評価です。投資のROIを時間軸という横で見るとしたら、縦でみているわけですね。だから「赤字」になってしまう。

 

 デジタルビジネスの戦略はDebt (借入)をしてでも最新の、そして、ビジネス上意味のあるところに投資を「続け」てゆき、地獄の果てにたどり着いたとき、最後の勝者が世界中の利益を独占するのです。

 

 これに比べ「空前の金余り状態」になり、自社株買いしか残されていない企業をどう捉えるべきか。そして、国も、個人も日本は金が止まって(貯まって)いるわけですね