AI (人工知能)ができないことは「理解」であるという記事を読み「なるほど」と思いました。

 

 以前、私は「素人の私がコンサルタントとして20年も生きて来れた理由」というブログの中で、「自分が頭が悪かった」ため、したがって「なぜ、そうなっているのかという因果関係の理解」までしなければ、覚えられなかったことを理由にあげていました。

 

 しかし、この「なぜそうなのか」、「裏側にあるメカニズムは何か」を徹底して追求する癖は、私に応用問題を解く力をつけてくれました。クリティカルシンキング(とにかく一度、批判してみること)、ロジカルシンキング(物事の因果関係の繋がりを理解すること)などは、自然に身につき、一般的に「当たり前だ」と思われていることも「本当にそうなのか」と「なぜ、そうなのか」を追求する癖がついたのです。

 

 例えば、私の周りには判で押したように「ECが伸びている」という人が多い。「なぜか?」と訪ねると、「ECが流行っているから」とか「スマホが流行っているから」という具合に、少々ロジカルシンキングを学んだ人からして見れば、「なんじゃそれは?」という回答しか帰ってこない。だから、安易にECに出ても討ち死にする企業が多いのです。

 

 例えば、世の中のECは70%が「女性」で、場所はほとんどが「自宅」、そして、お買い物の時間は「夜の9時」です。女性はどんどん社会進出し、働きはじめている。しかし、世の中のお店を見てください。女性が会社で働いている時にお店を開け会社が終わったらお店も閉まる。これでは、「来るな」と言っているのと同じですね。

 

 例えば、毎月、あるいは各月でコーディネーターが服を選んで自動で送ってくれるサービスを始める企業がありましたが上手く行かないと私は思います。なぜなら、自分で街に出て、お店で服を見て、試着したり、違う自分を想像する「楽しみ」を女性から奪うからです。これが、水のペットボトルや、いつも食べているお米や特定の銘柄のビールなど、食卓の定番で、重くてかさばるものであれば成立するでしょう。しかし、服や鞄を選ぶという楽しみそのものを奪う事になるのです。

 

 私の言うことは当たる、と、あるビジネス雑誌の編集長からいわれました。実際、来月大阪でやる講演のトップページには、私が5年前に「10年後はこうなる」とという図を見せるつもりです。ほぼ、80%がその通りになっている。昨年も受注生産、在庫レス店舗の話しをしたところ周りは全く理解してくれなかったのですが、今は当たり前になっている。私は予言者ではないので、当たる、当たらないの議論をするつもりはなく、ようは物事の流れと因果関係をキチンと分析すれば、ある程度のことは予想がつく、ということなのですね。これは、予想でなく分析といってもよいのかもしれません。