第三帝国の恐怖と貧困 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

ナインティナインの岡村隆史氏へのバッシングが止まりません。確かに失言ですが、彼の発言はせいぜい「ついうっかり」とか「つい調子に乗って」程度のものです。決して「悪意」があってのものではないでしょう。そんな程度のことに目くじら立てて投書したりネットに上げたり、テレビ局に抗議電話したり、むしろそういう連中の発言こそが愚かで悪意に満ちているのではないでしょうか。

 

40年ほど昔、劇団の養成所生だったころ、ドイツの劇作家ブレヒトが書いた「第三帝国の恐怖と貧困」という舞台に立ったことがあります。第二次世界大戦の最中にナチスドイツへの抗議を勇気を持って表明した短編戯曲集です。当時18歳だった僕が演じたのは大学教授の役でした。彼は実の息子に密告されてナチスに連行されて行きます。戦時中のドイツ国民たちの悪意と愚かさをリアルに描いた秀逸な作品です。もちろん当時の日本でも同じような恐怖の出来事はたくさんありました。

 

以前、安住紳一郎氏がラジオ番組で紹介していたエピソードですが、毎日山のようにテレビ局に届く抗議メールの中に、次のようなものがあったそうです。「おたくの局のアナウンサーとよく似ている人がうちの町内でいつも大声出して暴れている。なんとかしろ!」これなど、もう、頭がおかしいとしか考えようがない。

 

最近、新型コロナの影響で倒産する企業や自殺者が増えて来ました。これについてある番組でカズレーザーが言っていた言葉「僕たちがテレビで新型コロナが恐いとあおったせいでこういうことが起きてしまっている」実に聡明で勇気ある発言だと感じました。

 

視聴率が取れれば良いという判断で新型コロナをあおったマスコミ。口は出すけど金はなかなか出さない政府。そういうマスコミや政治家にまんまと乗せられて右往左往する愚かな国民。なんとか踏ん張って冷静な日常を送って行きたいと思っています。